2020年05月23日
ガソリン直噴エンジン。
シリンダーに空気を取り入れ、シリンダー内に設置されたインジェクターがガソリンをを噴射します。
シリンダー内に直接噴射するから「直噴」。
直噴以外では「ポート噴射」になります。
シリンダー前にポートにガソリンを噴射。
ガソリンと空気が混じった「混合気」をシリンダーへ送ります。
海外で先に採用された直噴エンジン。
日本でも徐々に多くなってしました。
エンジンは、シリンダー内でピストンが圧縮・プラグが点火・ピストンを押し下げる。
この力を推進力にしています。
圧縮する力が強いほうが力が出るし燃焼効率も上がるんです!
つまり、圧縮比が高いほうがイイ。
ただ、圧縮比を上げていくと問題が。
ポート噴射エンジンは、ガソリンと空気の混ざった「混合気」を圧縮します。
圧縮する力が強いとシリンダー内の熱が高まるんです。
ピストンが圧縮していく途中で思いもよらず燃焼しちゃったりします。
これが「異常燃焼」でエンジンが壊れる要因。
と、いうことでポート噴射は圧縮比をあまり高めることができません。
対して直噴。
圧縮していくのは空気だけで、ガソリンは最後に吹きます。
ガソリン冷却を使えるので、シリンダー内の熱が高まるのを防ぎます。
つまり、圧縮比が高められるんです。
圧縮比が高まれば、パワーと燃費の向上に繋がります。
さらに、直噴は理論空燃比で燃焼できます。
(理論空燃比 空気14.7:ガソリン1)
一番効率良い割合で燃焼できれば、これまたパワーと燃費の向上に繋がります。
直噴はターボとの組み合わせで効果を発揮します。
ターボは空気を圧縮してシリンダー内に送り込みます。
圧縮して送っているということは、空気の熱が高いんです。
ポート噴射ターボですと、ターボで増えた空気に対応する混合気を作って送ります。
ただ、シリンダー内の空気はすでに熱い。
なので異常燃焼の可能性が高まるので圧縮比があげられないんです。
燃費が良くなりませんね。
直噴ターボですと、ガソリンを噴射してガソリンでシリンダー内の冷却ができます。
ターボでシリンダー内の空気量が増えて熱が高まっても、圧縮比は下げなくて大丈夫。
直噴はメリットが多いんですが、デメリットもあります。
オーバーラップという吹き返しで、排気するガスが吸気バルブ付近に返ってカーボンが堆積します。
燃料の濃い薄いが発生するので、燃えカス(すす)が発生しやすくてインジェクターに付着します。
エンジンに汚れが溜まってしまうんです。
排気ガスにPMが多いんです。ポート噴射の5~10倍とも!
日本では規制がありませんでしたが、2020年12月からPM排出量制限が始まります。
また、海外ではPMをキャッチするGPF(ガソリンパティキュレートフィルター)装着車もあります。
個人的には、PMの多さが引っかかりますので直噴ではなくポート噴射希望。
燃費とパワーは欲しいですけど、環境に少しでも良いポート噴射を選びたいです。
Posted at 2020/05/23 20:27:46 | |
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