
皆様こんばんは。
リクエストにお答えして、週末の秘密の練習のお時間でございます
今回で数える事・・6話でございます。
前回の流れをかいつまんで・・
(んなのはエエから早ぅ書け)という声が聞こえて来そうな(ーー;)
前回は生徒のAくんが彼女を幸せにしたい!頑張って親御さんにご挨拶に行きたい!
だから、こんな自分を変えたい、自分をバカにした奴等を見返してやりたい・・
と、今迄では考えられないような事が飛び出しました。「教官!頑張ります」と頼もしい返事
直線バックは基本中の基本なのです。運転席から後方を見て台車が左右どっちに折れて行こうと
しているのか?それを修正して立て直すのはどうすればいいのか?
私「この前にやった直線バックな、やってみよう・・」
Aくん「はい!直線バックやります」(以前は、ダルそうに嫌々動いていた人とは思えない位です)
私「いいか、台車の角の動きを良く見ろ!飛び出した方へハンドル切るんだぞ」
Aくん「頑張ります!教官行きます!お願いします!」(この進歩♪泣けて来そうです)
クラッチを繋ぎます。ゴトン!とキングピンとカプラーの「遊びしろ」の音が出ます・・
私は何も言いません、ただ見ています、見守っています。ぴーっぴーっぴーっ!(バックブザー)
Aくん運転席の窓から顔を出してゆっくりと進めて行きます・・先週よりは上達しているようです。
更に3回程直線バックをさせました。そろそろ次のステップに行きますか(^^)
私「A今度は基本の右バック行こう」
Aくん「教官!自分まだ自信がありません!」
私「基本じゃ!ちゃーんと教えるから・・それにスジがいいぞ」(少し持ち上げますよ♪)
Aくん「マジ・・いえ!本当ですか?頑張ります!」(時々、言葉が・・でも嬉しそうです)
私「じゃあ、そこの枠に右バックで入れてみろ、イイトコ見せようと思うなよ、俺は解るぞ」
Aくん「枠に右バックで入れます・・入るか・・な」(小声でボソボソ)
私「どーした?俺はAがやる気があるから来てるんやぞ!失敗してもいいから」
1回目・・ハンドル操作の遅れ・・ 2回目・・スピードにハンドルが付いて行かない・・
3回目・・ヘッドの停まる位置が悪く入らない・・4回目・・混乱・・
5回目・・更に混乱・・
私は必要な事だけを指摘します。
私は休憩を入れようと提案しました。Aくん「まだやれます!」(頭に血が上って焦っています)
私「コーヒー飲もうや・・な?少し休め」
Aくん「やれます!教官!」
私「落ち着け!降りて来い、コレ見てイメージを覚えろ」(タイトル画像の模型で動きを教えます)
Aくん「解ったような・・そうでないような・・?」缶コーヒーで休憩です。
私「じゃあ・・俺に乗らせろ・・A!そこで俺の動きや台車の動きを見てろよ」
右バックで枠に入れます・・少し片方に寄っています(私も下手なんですよ)
Aくん「教官!自分はどうなってるんですか?解りません」(そうか!間違っているのも見せなくては)
私「そうだな・・じゃあ何でこうなるかやって見せるからな・・」
1回目・・わざとハンドル操作を遅らせたり、2回目・・ハンドル操作の早過ぎのミス
私「だいたいこういう感じだな・・そこで見てて、俺がやって見せると解るやろ?」
Aくん「カッコわりぃ~自分ダサいっすね・・いえ!下手ですね!」
私「始めたばっかりだ。これから上手くなる!俺が仕込んでやる!」
Aくん「自分!頑張ります!」
空の雲行きがおかしくなって来ました。やがてポツポツと雨が落ちて来ました。
私は外で立っています。
そこへ、例の課長が現れました。課長「てうてう1さん傘を・・A!おまえも気を遣え!」
私「傘・・ありがとうございます!ですが、Aくんが練習すると言う以上私はココで見ていますので」
課長「傘くらい・・風邪を引きますよ・・」
私「はい・・では甘えさせて頂きます」
課長「てうてう1さん・・あなた・・Sさんに似て来ましたねぇ・・」(Sさん・・私の師匠で課長の知人)
私「え?師匠に?そんな・・」
課長「いえ・・ね、実はSさんに電話したんですよ、またてうてう1さんのお世話になりますって」
私「そうなんですか?師匠お元気でしたか?」
課長「ええ、Sさん私に言いましたよ。アイツはワシの最後の弟子だからあいつに任せろと・・」
私「・・・恐縮です!おそれ多い言葉です」(目頭が熱くなりそうです・・)師匠・・
Aくん「教官~今度はどうです~?」(私・・見てませんでした)枠に入っています♪
課長「A、あまり教官に無理言うなよーでもな!期待してるぞ」(この人、人を誉める事あるんだ・・?)
私「いいよ・・いい・・俺・・目から汗が・・雨かな?」(師匠の言葉に感激して・・)
降りて来ました。
Aくん「どうしたんです?何かあったんですか?」
課長「Aオマエ変わったな!言葉遣いが!態度もダラダラしとらん!」
Aくん「教官がいいですから・・腕立て伏せはキツイっす・・」(泣かせる(T_T)
私「汗が・・?あれ?・・」(目頭が熱いです・・師匠の優しさに触れて・・)
課長「鬼教官の目にも・・何とかですかな?はっはっはっ~」
雨が強くなりました・・今日はここまで!