まだ夜明け前の早朝。静まり返るガレージで、エンジンキーを捻るとJB-DETエンジンが目覚めた。周囲を気遣い暖気はせず、スルスルとコペンをスタートさせた。エンジン回転数1500回転をキープしながら水温が50度に上がるまでの間、ゆっくりと走行を続ける。うっすらと夜が明け始めた頃に東へ向う高速道路に入った。ここ数日来の寒波の影響で滋賀県は雪の予報が出ていた。滋賀県内に入ると気温は一気に下がり9長いトンネルを抜けた途端に吹雪いていた。しかし路面が降雪でおおわれる心配はなさそうだ。「鈴鹿」インターを降りる頃には、雪も止んでおり鉛色の雲と青空が同居するような冬らしいキリッと冷えた感じだった。ちょうど通勤時間帯にはまってしまったようで鈴鹿市内へ続く道路は通勤渋滞だった。ほぼ解消に向う時間帯だった事もあり、それほど混む事はなく鈴鹿サーキット南コースに到着した。
さすがに年明け早々仕事始めの週でもある。上手く行けば私一台と期待をしたが、BMW3台が走行準備をしていた。予約は2枠目に入れていたが、タイムが更新出来なかった場合も考え1枠目に予約を振り替えた。まぁ、私を入れて4台ならばクリアラップも取れるだろう。走行準備を済ませ9:40走行開始。前回2009.11.23走行では、ネオバAD08新品を投入195化初走行だった。期待に胸を膨らませ走行をしたのだが、全くタイムが伸びずベストタイム1′03.90だった。このタイムは、2009.09.14時の165/50-15 RE-11のベストタイム1′03.761にも及ばず。いかにタイムが悪かったかという事だった。後に、何故? タイムアップしなかった原因が判明した。この時は、
CRUX廉価版プロトタイプダンパーを装着していた。元々、このダンパーが製作されたのが4年ほど前。テスト用に装着したのでF4kgのスプリングを装着しガンガンサーキットを攻めたてた結果、ダンパーからオイル漏れを発生していた事がわかった。195化によるハイレートスプリングを装着した事も原因かも?。いづれにせよ市販品は適正なスプリングが装着されておりそれに合わせた減衰力設定になっているので心配はない。4年間OHもしていなかったのでこれはシール類の経年劣化によるものではないかと思われる。さすがのMも「これじゃタイムが出なかったのも当然ですよ」と・・・
今回仕様変更点は、Eg関係・DX30タービン+HKSインタークーラー+インジェクター+現車セッティング。サスペンション関係 CRUXアルミシェルケースダンパー(30段伸縮調整付き)バージョンH+ネオバAD08。これで195化軍団の定番メニューを導入した事で言い訳無しの195化ワンメイクの仲間入りをした。
スーパーバイザーMの予想では1秒短縮は当たり前。なんとか1′02秒を切れれば排気量660ccラジアルタイヤでコペン最速となる。Eg関係は老舗HKSの定番パーツを使用したどこにでもある仕様だ。決して特別な事はしていない。CRUXダンパーがどれほどの働きをしてくれるのか? 全てはそこにかかっている。
9:40分 気温4度 路面温度4度 コースイン開始時内圧F0.9 R2.1。
コースイン直後の1コーナーで路面温度が低い事が原因でスピン。2Lap
の1コーナーでハーフスピン。少し慎重に走行し3Lap
1′02.21。これは、02秒切りは直ぐだ。4Lap1′01.95、5Lap1′01.68、6Lap1′01.38、7Lap1′01.29。7Lapでピットイン。内圧はF2.3〜2.4、R2.2に上昇していた。タイヤ表面温度右F 内43°中40°外40°。かなり路面温度が低くタイヤの発熱も乏しい。
内圧をALL2.1にセットしコースイン。このあたりからBMWを抜く事になったりと若干タイムロスをしていた。出来るだけ交差を避けるようにこのラップは間合いを計って走行を開始した。8Lap1′01.54、9Lap1′01.44、10Lap1′01.56、11Lap1′01.02。ピットイン。いよいよ01秒切りが見えて来た。内圧F2.2 R2.1〜2.15に上昇。F2.1も悪くはないが若干グリップが乏しい感じがあった。1アタック目の内圧から考えるとF2.0あたりが良いのではと考えF2.0 R2.1にセットし、3アタック目に入った。12Lap1′01.94、13Lap1′02.00、14Lap1′01.23、15Lap1′00.61、16Lap1′00.67。ピットイン。内圧F2.1 R2.15〜2.2。タイヤ表面温度右F 内43°中52°外58°若干アンダー気味ではあるものの表面温度が上がって来た事でタイムもついに1′00秒台に入った。
3アタック時、ライン取りを模索した結果0秒台に突入出来たのかもしれない。195化特有のトラクションのかかり良さ+旋回車速を上げる事を考えたラインを発見したのだ。再度、内圧F1.9 R2.1にセットし最終アタックをかけた。17lap1′01.52、18Lap1′00.68、19Lap1′01.03、20Lap1′01.99、21Lap(カウンター表示ピットイン回数を含んでいるので24Lap目)1′00.46、22Lap1′01.27、23Lap1′01.52。10:30チェッカーが振り下ろされた。
2010.01.07ベストラップ1′00.46。165(RE-11)時の1′03.761のベストラップから実に3.3秒のタイムアップを果たした!!
これは一体、どういう内訳になるのか? Eg関係が勝っていたのか?
それともCRUXダンパーが勝っていたのか? この結果は、いづれ判明するだろう。理由はEg関係に於いては同一仕様を施したクルマが沢山あるからだ。こういう時に同仕様のクルマがあると明確な比較が出来る。それに鈴鹿南コースを基準としたコペンのターゲットタイムも判明する。
クルマの世界は、ドライビング+クルマのポテンシャル+クルマのセットアップが三拍子揃ってこそタイムに繋がって行くのだろう。どこか一点が飛び抜けていてもタイムに繋がらない。また、同じ仕様のクルマ同士を比較する事でセットアップの方向性やドライビングについて勉強し合える間柄にもなりえる。ワンメイクとまでは言わないが、スーパーバイザーMが提案する、低リスク+低コストのDX30タービンの定番メニューの真価が結果として出たと思う。
195化に関しては、労せずしてタイムを削り取る事が出来る必須アイテムになった。しかし、本当の意味の攻めた走りに転じるとクルマとハードに語り合わないと行けない。それだけポテンシャルの高いサスペンションチューンと言えるだろう。今回、大きな投資となったCRUXダンパーの路面を掴むグリップ力、立上がりのトラクションのかかり具合、滑り出した時のスライドコントロール性の良さ。同じコペンであってもまるっきり車格が違うと思えるほどフラットな姿勢を保ち、ズッシリとした安定感がある。現時点で195化されたクルマでCRUX装着車両は3台のみ。他は全てダンパーが違う。次回1/30走行会、2/20Enjoy GPでその違いが明白になる事だろう。
エアコン+カーナビ付き軽量化無しコペンで、ラジアルタイヤで1′00秒台の時代に入った一日だった。
遠回りはせずとも、正解は直ぐ近くに有る。
「車載は、1アタック目9:40分コースイン直後7Lap目1′01.29のラップ」
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遅くなりました。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
また、皆さんと共にサーキットドライビングを楽しめる一年にしたいです!
Posted at 2010/01/08 01:25:11 | |
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