
カワサキの26年ぶりの優勝で幕を閉じた今年の8耐、現地で表彰式を見ずにサーキットを後にしたのは久しぶりの事だった
耐久レースで一番好きなシーンはなんと言ってもウイニングランだ、順位に関係無く完走した全ライダーに観客やオフィシャルが手やフラッグを振り拍手で健闘を称え全てのライダーが勝者でありヒーローだ、特に8耐は夕闇のゴールからか色とりどりのライトやサイリュウムでライダーを祝福し幻想的なシーンを演出する
今年はレッドフラッグによるレース終了でこのウイニングランが見られなかった、そして勝者が誰かも曖昧なうちに表彰式が始まった、素直にヤマハの優勝を喜べなかったのが本心だった

今年の8耐 誰の目にもカワサキのジョナサン・レイが最速だった、他のどのライダーよりも頭一つ抜き出たスピードを見せWSBK世界チャンピオンの実力を見せつけた、鈴鹿の好きな観戦ポイントS字でのレイの走りは他のどのライダーよりもスムーズにそしてパワフルに見えた
だがファイナルラップのこのS字でミスを犯した(不可抗力だと言う人もいる)ヤマハの追い上げがレイの焦りを生み注意力を削いだと自分は見ている、これはレイ本人も解らないのかもしれない
人はミスをする生き物だ、今年の8耐もタイヤマーキングの貼り間違えやタイヤウォーマーのスイッチ入れ忘れ、エンジンブローでの走行などのミスとも取れる事が相次いだ、レッドフラッグの出し方やレースの勝者の判定も人的ミスとも言えるのかもしれない
人は失敗をしようとしてするわけではない一生懸命やっている結果些細な事で間違いを起こす、ミスをした本人は悔しい思いをするだろうし次回は必ずとリベンジを心に誓うはずだ

レース事態はとても白熱した3ワークスによるトップ争いがみれて面白かった、最近の8耐ではマシントラブルによるリタイアが減ったこれはマシン作りの精度が上がっているからだ、スーパーコンピューターによる解析や非破壊検査の進歩、部品メーカー単位の精度向上など近頃のマシンは市販車同様壊れなくなった
8時間全開走行していてもビクともしないそうだ、少し前だと例えワークスといえどトラブルが頻繁に見られたその時の失敗を糧にトライ&エラーを繰り返した結果いまの耐久性能が生まれた
マシンだけでなく耐久レースに付き物のピット作業も数多くの創意工夫によって今のスピードがあるピット作業者は数十回いや数百回の練習をするに違いないそれでも本番で慌ててミスを犯す、次回は必ずパーフェクトにして見せるとライダーや自分に言い聞かせながらピットスタッフも8耐を闘っている

カワサキの優勝によりスズキ(ヨシムラ)の優勝が10年以上無い事になった、かつては無敵艦隊と言われたホンダワークスに対抗する町工場の技術者の意地のイメージがあった8耐もワークスとプライベーターの差が広がってしまった
もっともヨシムラはセミスズキワークスと言われているがWGPの若手ライダーの起用で4メーカーによるバトルが来年鈴鹿で見られるのを期待する
それと今年レギュレーションにより出走出来なかったパニガーレV4Rも来年は出場が可能になったこちらもEWCで見られるのを楽しみにしている

ミスをする原因は些細な確認不足と思い込みによるものだ、来年の8耐に向け今年ミスをした人は対策をすでにスタートしているだろうし、今年上手くいった人も更なる工夫や練習をするに違いない悔しい思いや向上心が人間にある限り競争は無くならない
最近はバーチャルレースも有るそうだが全てをコンピューターで判断しピットストップもパーフェクトにこなすドライバーの技量だけが順位になる、これはこれで良いのかも知れないがやはりレースは血の通った汗と涙が交錯する実物のレースが面白い 特に耐久レースは

バイクは少しのミスが命取りになるこれはレース場よりも公道のほうが危険が多い、鈴鹿で多くのライダーに会った皆元気にお気に入りのメーカーやライダーを応援している
鈴鹿サーキットに来れるのは身体が無事だからだ
来年も8耐での熱いバトルとウイニングランをみんなで楽しもう