子供の頃は車の絵を描くのが好きだった、スーパーカーだけでなく自分で考えたオリジナルの車を描いて夢に見ていた
それは大人になった今でも変わらず自分が自動車メーカーのデザイナーや主査の立場だったらどんな車を造るか想像している、自分だったらどんな新型にするのか、もし社長だったらラインナップはどんな車種を揃えるのか、もちろん海外に負けないスーパーカーはどんなデザインで性能にするか想像は尽きない
そんな憧れの夢の車を造るKen奥山さんの車を見てきた
奥山さんの代表作フェラーリ エンツォ
ピニンファリーナのデザインコンペをモンテゼーモロ社長にダメ出しされ、奥山さんが温めていたF1イメージのアグレッシブなデザインスケッチを15分で仕上げOKをもらったのは有名な話、ピニンファリーナの特徴的な空気を開口部から吸入しリアから吐き出す風の流れが見えるようだ
今回の展示で一番気になったエンツォのデザインスケッチ
F1のモチーフや風の流れが見事に描かれていた、自分的にはNGになったコンペの方のデザインも見たかった、保守的だったがきっとエレガントなデザインだったに違いない
残念だったのはKode Zeroがモックアップだった事
アヴェンタドールのシャーシを改造した細部の作りを確認したかった、ストラトスZeroのイメージがどの程度再現されていたのか次回に期待
奥山さんは現在もヤンマーの取締役でもある、当然トラクターや船舶のデザインも担当しているヤンマーのボートは釣り船のイメージが強く遊び心よりも機能優先のイメージが強い
X39コンセプトクルーザーの様な格好良いボートの登場を待ち望んでいる、日本にもヤマハやレクサスに続く海外に負けないエレガントなボートが更に増えてほしい
工業デザイナーとしてはアイ キャッチャーとしてのデザインだけでなく使いがってや機能も含めてデザインしなければならない、それでもコンセプトモデルの時から市販されるとイメージがかなり変わるパターンを多く見かける
どうしてもスタイリングだけでなく保守的な他の分野の人の意見が色々採用され当初の素敵なデザインが野暮ったくなる、大きな企業の中に居るとどうしても販売優先になり色々なしがらみに左右され自分だけの意見が通らない事が多い、最終的に妥協点を探しお互いに譲り合う結果中途半端な物が出来上がってしまう
もっと日本の企業もコンセプトを絞りこみ攻めた製品で海外と戦ってほしい、魅力の有る製品が増えて来ることに期待する まずはデザインからだ
モデナのデザインもあのモンテゼーモロ社長が室内スペースを広げる為に車高を高くした、以後全てのフェラーリは大柄な人でも楽しめる様になった、フェラーリはデザインを犠牲にして実を取ったのだ
今やフェラーリは一部を除き自社デザインを採用しているピニンファリーナの優雅なデザインの方がすっきりして魅力的に見えるのはひいき目だからか
いつの日か自分の理想の車のハンドルを握る時まで、しばらくは布団の中で色々妄想して待つ事にするか