
先日の「Oregon 電力計 無線 節電アドバイザー ecoco EMS100J」に関する一連の話の続き…です。
スマートメータの出力に関しては、中部電力の
カテエネに掲載された使用電力量のグラフからおおよその値を算出していました。
比較するなら現在の消費電力量が把握できれば比較が簡単です。
ecoco EMS100Jではリアルタイムに消費電力量が把握できるのですが、スマートメータは本体の表示画面を見ても消費電力量が確認できないので簡単に比較ができません。
しかしBルートサービスの申し込みをすると、機器を用意しないといけないですが、スマートメータのリアルタイム消費電力量が把握できるようになります。
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電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)←中部電力サイト
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Bルートとは?←iijのサイト
簡単に説明すると、皆さんの家に設置されたスマートメータは920Mhz帯の無線帯域にて、Wi-SUN通信規格を使ってリアルタイムに消費電力量情報を発信し続けています。
中部電力にBルートサービスの申し込みをすると、計器番号に対応した認証IDとパスワードの記載されたハガキが届きます。(これは他の電力会社でも同様です)
Wi-SUN通信機器に届いた認証IDとパスワードをセットすると、対象の計器番号の情報を受信したり、指示を送信できるようになります。
ここから次の写真まではつまらない技術屋の話が続きますので、そんな話には興味ないという方は写真まで飛ばしてください。(^^;
簡単に入手できるWi-SUN通信機器としては
ROHMの無線通信モジュール「BP35C2」が有名です。amazonでも入手することが可能です。
ROHM以外では、JORJINのWSR35A1-00も入手が可能です。
これらは共にUSBインタフェースでPCに接続するタイプです。
PCからは仮想シリアル通信先に見えるので、ターミナルソフト(昔でいうteraTERMなど)を使って送信/受信が可能です。
通信は
ECHONETプロトコルが使われているので、コマンド等はECHONETの技術資料から調べることができます。
USBインタフェースタイプのこれら製品は判っている人が使えば、スマートメータのリアルタイム情報以外にメータ内部に記録された過去ログが入手できたりと、かなりマニアックな使い方ができますが、専用のアプリケーションが用意されているわけではないので、自力でターミナルソフトでマクロ等使って通信を行い受信したデータを解析する必要があります。
ラズベリーパイのUSBインタフェースに接続することで情報収集をしてくれるラズパイアプリを公開されている人がいるので、そういったものを利用する手もあります。
そんな面倒なことはしたくないので、簡単に消費電力量だけわかればええんじゃ、という方には「HEMS対応・ホームゲートウェイ」を使うという手があります。
メーカとしては東芝ライテックやPanasonicのものなどいくつか販売されています。
東芝ライテックの製品ページは
こちら。
現行機種はHEM-GW26Aです。これを買おうと考えていたのですが、価格がそれなりにします。などと悩んでいたら旧機種であるHEM-GW16Aが安くamazonにあるではないですか!ポチw

早速届きました。

内容物一覧です。
本体と電源部品、本体の底とLANケーブル、CDと取説です。

電源アダプタはUSB出力です。

本体の前面パネル写真です。
ホームゲートウェイと名乗るだけあって、ルータ機能と無線LANアクセスポイント機能が搭載されています。
残念ながらウチではすでに無線LANアクセスポイント付きのルータがありますので、これら機能は殺します。
ネットワーク設定を変えて自宅のネットワークセグメント内に繋いだ後に、ブラウザを使ってHEM-GW16Aにアクセスすると設定メニューが表示されます。
この中にスマートメータの設定項目がありますので、中電のハガキの情報を入力します。すると冒頭写真画面の現在買っている電力の箇所にリアルタイムに消費電力量が表示されます。
ということでecoco EMS100Jのクランプケーブルの位置を変えます。

分電盤の主開閉器の前の赤/黒にクランプを接続することで、自宅の電気製品+普通充電器の全ての消費電力量を計測することができるようになります。

こちらが普通に生活して消費している電力量です。
スマートメータが404Wで、EMS100Jが0.44kWと、ecoco EMS100Jが40W程多い値になっています。
しばらく様子を見てみましたが、スマートメータが360WでEMS100Jが0.42kWなど、常にEMS100Jの方が多い値という傾向でした。
次にリーフに充電してみます。

スマートメータが6532Wで、EMS100Jが5.89kWとスマートメータが多い値を表示します。
EMS100Jから比較すると111%ほど多い値になります。
ちなみに参考としての画像になりますが、LeafSpyで充電時のグラフを撮ったものがこちら↓

青色の線が充電kWの値です。5.4~5.5kWをふらふらとしています。
ただし、この数値が車体でのどの箇所での充電量を表示しているのかがはっきりしません。
充電回路入り口か出口かがはっきりしません。
ただ、黄緑色が駆動バッテリの各セルの電圧とバッテリセルへの入出力電流を掛け算した値のようなので、これは充電回路出口の値になりそうです。
とすれば青は充電回路入り口の値?
当然ながら実際はこれに6kW普通充電器の損失分も加わります。
リーフの充電を終了させてi-MiEVに接続しなおしました。

スマートメータが3300Wで、EMS100Jが2.98kWとスマートメータが多い値を表示します。
EMS100Jから比較すると先ほどと同じ111%ほど多い値になります。
i-MiEVの充電も終了させて、ドライヤーとホットプレートを最大で動かしました。

スマートメータが2512Wで、EMS100Jが2.34kWとスマートメータが多い値を表示します。
EMS100Jから比較すると107%ほど多い値になります。
ドライヤーをオフにしました。

スマートメータが1408Wで、EMS100Jが1.34kWとスマートメータが多い値を表示します。
EMS100Jから比較すると105%ほど多い値になります。
電力量が少なくなってくると差が小さくなっていますね。
これが500Wを下回るとEMS100Jの方が多い値になります。
普段の生活の電力を測っているだけだったらスマートメータの方が少ない値のようなので、こちらの方がお得ですね。(^^;
さて、実際に普通充電中の両メータの値を比較してみましたが、やはりスマートメータの方が大きい値を示します。
EMS100Jが正確だ、と主張する気はさらさらないのですが、ワットチェッカー等の値に近い結果をEMS100Jは表示します。
スマートメータだって出荷時にきちんと校正して一定精度を保ったものが出荷されてる筈だし…中電の手を煩わさずに評価をする方法はないものかなぁ。