奥矢作第一発電所は奥矢作第二発電所と共に矢作ダムと黒田ダム間で行う揚水発電を行うための発電所です。
両ダムの導水路上に伊勢神断層があることから、安全性を考慮して中間調整池である富永ダムを使った、世界的にも珍しい2段式揚水発電を行っています。
矢作ダム(下池) ⇔ 富永ダム(中間池) ⇔ 黒田ダム(上池)の関係になり、発電所はそれぞれの間に位置する形になります。
奥矢作第一発電所は黒田ダムと富永ダムの間
奥矢作第二発電所は富永ダムと矢作ダムの間になりますので
矢作ダム⇔奥矢作第二発電所⇔富永ダム⇔奥矢作第一発電所⇔黒田ダム
これが全ての位置関係になります。
奥矢作第一発電所は愛知県豊田市小田木町、国道153号の小田木(おたぎ)交差点の脇にあります。
小田木交差点から見た奥矢作第一発電所。
白い丸い塔が目立ちますが、右にある茶色い建物がタービン建屋、左の白いのは管理棟、その奥に変電設備があります。
ここの構内には2005年に閉館してしまいましたが、ピーアール施設として奥矢作揚水発電館があり中に入ることができましたが、今では構内に入ることはできません。
閉じられた門からは構内が見えますが、駐車場奥にあるのは展示されていた鉄管がそのまま置かれているのかな。
変電設備等道路から上に位置し見えないので、写真スポットが少なく残念!
とはいえ、国道153号から面白いものが見えます。
こちらのトンネルの入り口が見えます。
上空写真からは赤矢印の位置で撮影したのが先ほどの写真。
変電設備のさらに奥になります。
右上から左下に流れる道路が国道153号、丸い塔の左に小田木交差点という位置関係です。
トンネル上を見ると苔むしてわかりにくいですが
(中部電力の昔のマーク)奥矢作第一発電所
水圧鉄管路横坑
と2段で書かれています。
発電所建設時の鉄管搬入用として作られたトンネルです。
Googleストリートビューになりますが国道153号から見たトンネル風景はこちら。
実際のリンクでは
ここ
交差点からの写真で目立った白い丸い塔ですが、これはサージタンク(調圧水槽)です。
簡単に言えば、水路の開閉時に圧力を逃がす水槽です。
以前
秋葉第一発電所や
佐久間電力所(佐久間発電所)でも、それぞれのサージタンクを紹介しています。
奥矢作第一発電所構内にあるのは奥矢作第一発電所から富永ダムの間に位置するサージタンクになります。
ちょっと面白い資料を見つけたので掲載
これはダムと発電所、サージタンクの構成図です。
水路上には計4つのサージタンクが設置されています。
奥矢作第一発電所に関係するのは写真に見えた奥矢作第一発電所と富永ダム間のサージタンク。
もう一つは黒田ダムと奥矢作第一発電所の間にあります。
ちょっと分かりにくいですが写真中央に森から白い塔がにょきっと姿を見せています。
これが黒田ダムと奥矢作第一発電所の間のサージタンク。
ダムと発電所巡りをした際に、矢作ダムから愛知県道490号で奥矢作第一発電所を目指したのはこのサージタンクを撮影するためでした。
愛知県道490号の小田木町シッタキ地区まで登ってくるとサージタンクを見る事ができます。
もう少し進み、国道153号に近づくと、両方のサージタンクが一緒に見える場所がやってきます。
右の黒田ダムと奥矢作第一発電所の間のサージタンクのてっぺんは黒田ダムの水位、左の奥矢作第一発電所と富永ダム間のサージタンクのてっぺんは富永ダムの水位と等しいです。
地理院地図では水路とサージタンクを確認することができます。
ダムと発電所とサージタンクが一望できる上空写真。
サージタンクだけをアップ。
ダムと水力発電所が離れていたり、揚水発電を行う水路上には必ずサージタンクがあるので、これらもセットで楽しむのがお勧めです😉
Posted at 2023/09/28 22:37:42 | |
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