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2022年12月24日

秋葉第一発電所

秋葉第一発電所 秋葉第一発電所は電源開発株式会社所有の発電所で、天竜川水系の秋葉ダムの下流、船明ダム湖西岸に位置し、秋葉ダムに溜めた水を利用する水力発電所です。

前回紹介の船明発電所は船明ダムの直下に位置していたので発電所とダムがセットでイメージしやすいのですが、ここ秋葉第一発電所は船明ダム湖(天竜川)にポツンと位置して秋葉ダムから離れた場所にあるので、何故秋葉第一発電所?と不思議に感じる存在です。


こちらが秋葉ダム。
「あきば」ではなく「あきは」と読むのが正解です。

クレストゲートとしてローラーゲートが8門あり、左右の2門は土砂吐き用と思われます。

左右に建物がありますが、これも発電所。
写真右(ダム左岸)のコンクリート色の建物は秋葉第二発電所。左(ダム右岸)の白い建物は秋葉第三発電所になります。

秋葉第一発電所が秋葉ダムからどの程度離れているかというと...


直線距離にして約4.5km下流、この場所は天竜川が曲がった場所になるので、川の下流としてはかなり離れた場所に位置しています。


発電所の敷地は変電設備を含め南北に350mと広い敷地を有しています。


これは対岸の国道152号線から撮影した秋葉第一発電所。

西岸には静岡県道360号が通っていて、発電所はこの県道沿いにあるのですが、建物に近づくことができません。


県道360号から発電所への分岐にある銘板。
施設までの距離がかなりあり、建物が見えないです。


道路中央から。


ズーム。
近寄って撮影したいですが、銘板の先は発電所の敷地で「関係者以外立ち入り禁止」の看板が立っているので近寄れないのです。

この撮影場所はというと

変電設備のさらに南。

さて、秋葉ダムに溜めた水で発電しているということは、発電用の取水口は4.5km上流にある秋葉ダムにあることになります。


こちらが秋葉ダム右岸のダム湖側にある取水設備。

この取水設備から秋葉第一発電所と秋葉第三発電所への水が取水されます。

そして秋葉第一発電所への取水口はというと...


水色のゲートが秋葉第一発電所への取水ゲート(取水口)になります。

ちなみに取水ゲート手前にある取水設備にある水色の物体は何か?というと...


14口ある取水設備の取水口をメンテナンスする時に取水口手前に蓋を差し込むための設備になります。
1~14口の取水口に移動して、蓋となる板を差し込むための機械です。


こちらは秋葉ダムの上空写真。
取水設備を上から見た様子がわかりやすいです。


この取水ゲートから導水トンネルを使って4.5km下流に位置する秋葉第一発電所まで発電用の水が送られます。


こちらが秋葉第一発電所の放水口。遠くてちょっと分かりにくいか😖


放水口の様子。この日は少しだけ放水されていました。

秋葉ダムの取水ゲートのある位置が標高108mで秋葉第一発電所の放水口の標高が54mなので、54mの落差を使って発電していることになります。

こちらの発電所は50/60Hz両方の発電ができる発電機を2機装備しています。
浜松市や愛知県の60Hz地域への電力供給だけでなく、50Hz地域への電力供給も行っています。

あと、こちらの発電所の設備として面白いものがあるので紹介。

県道360号の電力所入り口を北に進んだ道沿いに円筒形のコンクリート製の建物の一部が見える場所があります。


道路からその設備に入れる道があるのですが、立ち入り禁止の柵が置いてあり近寄ることができません。
遠くて少しわかりにくいですが、円筒形の壁の一部が水色に塗られていて、砂利道から階段で登れるようになっています。


この位置からの写真なら円筒形の構造物がわかりやすいかな。

この円筒形の構造物を上空から見た写真がこちら

秋葉第一発電所の放水口の角度を延長した先に丸い構造物が見えます。
これが先ほどの円筒形の構造物で、これは取水路に設けられたサージタンク(調圧水槽)になります。

秋葉ダムの取水ゲートを開け閉めすることで、秋葉第一発電所への送水を制御することができますが、このゲートでは水路長が4.5kmもあることから発電所で発電機の故障など緊急を要する制御には向いておらず、発電所のタービン直前にはそのための開閉バルブがあります。
取水ゲートと開閉バルブは協調して制御を行いますが、開閉バルブを閉じた時に水の逃げ場が必要で、そのための設備がこのサージタンクになります。

これは落差を利用する水力発電ではほぼ必要な装備で、秋葉第一発電所のように取水口と発電所が遠く山の中にある場合には、このように山の中に円筒形の構造物を目にします。

ちなみにこのサージタンクのある場所は標高110mで、取水位置とほぼ同じ標高です。


こちらはサージタンクが山の中ではなく剥き出しで地上に設置された佐久発電所の紹介動画。前回同様サイフォンTVさんの動画になります。

船明発電所は何気ない普通のダムにある発電所でしたが、この秋葉第一発電所は取水口やサージタンクなど、知ると「へ~」と思う発電所です。

次回以降は発電所直下にある秋葉第二発電所と秋葉第三発電所ですが、これらもちょっとひと癖ある発電所です😉
ブログ一覧 | ダム・発電所 | 趣味
Posted at 2022/12/24 21:08:01

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この記事へのコメント

2022年12月25日 0:32
こんばんは😃
秋葉第一発電所といえば以前にもコメントさせて頂いたことがありましたが、初めて県道360号を自転車で走った時(北進)に知らずに施設内に進入してしまったこと😅
次回秋葉ダムへ行く時は取水口や途中にあるサージタンクも気にして見てみます👀

今回のブログの4枚目の画像でも少し見えていますが、放水口のすぐ上流の位置に川を横断するような影があります。
5月の平日に車で秋葉ダムへ行った帰りに国道152号線から第一発電所を撮影したときも明らかに川の中を横断する黒い影が見えたのですが、川の中に発電所関連の物があるんでしょうか🤔
コメントへの返答
2022年12月25日 13:51
こんばんは~
あの小さな看板では間違って進入してしまいますよね。
間違って入ったフリをして近くで撮影してくれば良かったか😅
ダムや発電所って、見ただけでも迫力があり見応えがありますが、細かい部分を知るとさらに興味深く見ることができますよね。
サージタンクがここまで簡単に見える発電所って多くはないので、秋葉第一発電所の見どころの1つです。

お!川を横断する影に気が付きましたか。さすがです。
あれは発電所に直接関連するものではないですが、放水口のある西岸を深くえぐるように川の流れを調節している人工物です。
放水口の対岸から1本、その上流と下流に1本ずつ、計3本の水中堰があります。
2022年12月25日 5:59
ダムレポートありがとう御座います。
蓄電池より貯水のほうが確実ですね〜。
ダムは内部の巨大なアンモナイトタービンを見ると感動します。(実名は不明)
自然エネルギーの定番、もっと増えてほしいけど、建設費が問題かな〜🙈
コメントへの返答
2022年12月25日 17:42
身近(でもないかな😅)なダムや発電所への理解が深くなればとお伝えしています。
蓄電池容量がもっと増えて安価になるまでは貯水の方が有利でしょうね。
蓄電池と同じ効果の揚水発電も増えて欲しいところですが
アンモナイトみたいなタービンというとフランシス水車で、水力発電の約7割がこれを使っています。
自然エネルギーとしては水力が一番エコなのですが、ダムの建設費もプラスして考えると難しいところです。
とはいえ今回紹介した秋葉第三発電所はダム建設からかなりの年月が経ったあとに秋葉ダムを改造して増設した発電所で、新規ダムの建設の難しくなった日本において、既存の各ダムでこのような取り組みで発電所を増やしています。
2022年12月25日 13:36
ダムは環境に影響が避けられないとの事もあって
利用目的に関わらず新規の開発もSTOPしていると思われますが、
原発や太陽光など無かった昔なら火力以上に安定して電力を得る発電方法として考えると貴重な存在ですね。
新規に整備出来ないなら発電用途以外の既存のダムを転用していけば良いのに、と思います。
加古川市にも工業用水確保の目的で二つのダムが建設されましたが
完成した時にはそこまでの能力は無用になってました。
どちらも加古川からポンプで汲み上げています。
大雨の増水対策もあったようですが充分ではなく、後年加古川大堰が建設されるに至りました。
一部斜面には太陽光パネルが設置されていますが、全体の規模を考えるともったいない話です。
コメントへの返答
2022年12月26日 0:10
確かにダムは地域環境に影響を大きく与えるので昔ほど新規に計画されにくくなっていますが、現在29基のダムが建設中です。
水力発電の場合、設備の耐用年数を越えた時にタービン交換や発電機交換でアップグレードできていけるのが原発や火力発電との違いですね。
ダムの転用はもっと広がって欲しいですが、省庁の壁というアホくさい理由で進んでいないのも実情です。農林水産省のダムはかんがい・上水道・工業用水を目的にされていることが多く水資源機構が管理していて、ほぼ全てのダムで発電設備を有していますが、当該施設用にしか利用されておらず、余った分を売電しているだけです。
電力系統用に発電しているのは電源開発管理のダムだけで、この辺りもっと柔軟にやれないのかと思っています。
今回紹介した秋葉ダムは運用開始後に第三発電所が追加されたりと、電源開発所有のダムでは数に限りのあるダムを有効活用すべく、ダムを改造して発電所を増やしています。

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