天竜浜名湖鉄道の第三種踏切

鉄道の踏切（正しくは「踏切道」）には第一から第四まで、4つの種類があるのをご存知でしょうか？

第一種は自動遮断機が設置されているか、または踏切保安係が配置されているもの。


こちらが第一種踏切。
冒頭写真のものもそうですが、これが最も一般的な踏切ですよね。

第二種は一定時間を限り踏切保安係が遮断機を操作するもの。
こちらは現在日本中を探してもありません。

私が第二種踏切として知っているのは、名鉄神宮前1号踏切とJR御田踏切で、いわゆる神宮前踏切と呼ばれていた踏切です。
ここは踏切警手が常にいて、手動で操作を行っていました。

第三種は踏切警報機と踏切警標がついているもので、第一種から遮断機が無くなったものと思ってもらえればよいです。


こちらです。
警報機が鳴っていても遮断機が無いので通ることができてしまい、ちょっと危険です。

第四種は踏切警標だけの踏切で、警報機がありません。


「とまれみよ」の文字どおり、とまって左右をよく目視確認しないと危険な踏切です。

令和2年3月末の情報になりますが、全国に踏切は 33,004 箇所あり
第一種は 29,717
第二種は 0
第三種は 684
第四種は 2,603
このような内訳になります。

これはこちらの資料「踏切道箇所数等（事業者別）」を元にしています。

第三種踏切は全国3万3千か所の700弱の箇所しかなく、第四種よりも数が少ないのでレアな存在です。

レアゆえに、このような動画の企画も成立します。



面白いですよね。

とはいえ、ローカル鉄道なら珍しくないんじゃないの？という意見もあると思いますが...実はそのとおり😅

先ほどの資料で我らが天竜浜名湖鉄道の情報を調べると...


令和2年3月末には全122箇所中、5箇所も第三種踏切があることになっています。（実はその後、1箇所で死亡事故があり第一種踏切に代わったので、現在は4箇所です）

天竜浜名湖鉄道はJRの掛川（かけがわ）駅と新所原（しんじょはら）駅を浜名湖の北側で結ぶルートを走っていて、全線は自転車で行ける範囲にあります。
ということで、現在残る全4箇所を巡ってみました。


1箇所目。
こちらは掛川から最初の第三種踏切で「寺の谷踏切」です。
Google MAPでいうと ここ 。
原谷（はらのや）駅と原田（はらだ）駅の中間にあります。

この踏切の奥は行き止まりになっていて訪れる人もほぼいないので第三種踏切でもよいのかも。


2箇所目、「吉原踏切」です。
Google MAPでいうと ここ 。
遠江一宮（とおとうみいちのみや）駅と敷地（しきじ）駅の間にあります。

この吉原踏切は反対側から見ると...

踏切の向こうは茶畑です。


おや？踏切警報機の柱は錆びて古いのに灯火は新タイプに代わっています。


360度タイプだ！


運よく車両が通り過ぎました。（※音量注意）


3箇所目、「向山踏切」です。
Google MAPでは ここ 。
西気賀（にしきが）駅と寸座（すんざ）駅の間にあります。


最後4箇所目、「新田踏切」です。
Google MAPでは ここ 。
尾奈（おな）駅と知波田（ちばた）駅の間にあります。

ここは車止めがしてあり、車が通れないので他とはちょっと条件が違う気がしますが、遮断機がありませんので立派な第三種踏切です。

第四種踏切の方がレアな存在と思われがちですが、実は第三種踏切の方がレアな存在です。
天浜線の第三種踏切レポートでした。

ちなみに天浜線では現在安全面から第四種踏切を減らす方向に舵を切っています。


こちらは吉原踏切近くにあった第四種踏切のあった場所ですが、踏切警標が撤去され車が通れなくなっています。

今のところ死亡事故のあった場所以外（今回周った）の第三種踏切を第一種にしようという話は聞いていません。