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イイね!
2024年01月11日

ヒトラーのスーパーカー

過日CATVで題記の番組を観ました。
ナチスが政権奪取後プロパガンダの一環としてメルセデスベンツとアウトウニオンに競わせた国威発揚のためのレーシングカー/レコードブレーカーの物語です。
こちらにその概略がまとめられています。

俄然興味が湧き、過去蒐集した関連書籍を紐解くと、これが実に面白い!

こちらはCG誌 2009.09

あまりに興味深かったので独英レコードブレーカーのミニカーを揃えてみました。
前列が番組に登場する車両群、後列が同時期英国のレコードブレーカーです。

同一スケール(1/43)だと各車のサイズ感を掴めます。

閑話休題
さらに検索していたらこんなものも入手できました。1947年(昭和22年)に印刷された粗末な装丁のレポートです。
題して「1934年から1939年にかけてのドイツ・グランプリ・レーシングカーの開発に関する調査(メルセデスの世界陸上速度記録保持車に関する記述を含む)」

これはナチス降伏後、連合国占領軍が接収したドイツの最新技術レポートで、米国ではPBレポートとして名高いものです。英国印刷局で印刷されたものが本書BIOSレポートです。

当時PBレポートが我が国の産業界に与えた強烈な衝撃が生々しく書き記され、その価値は戦後の他のすべての物的賠償を上回る価値があったと述べられています。

PBレポートに関する詳細はこの論文をご一読下さい。

一方こちらは後年カール・ルドヴィクセンがファクシミリエディションとして再販したものです。もしこれから購入をお考えであればこちらが前掲のオリジナル版よりもはるかに鮮明に写っていますのでお勧めです。
ルドヴィクセンもこのレポートがいかに衝撃的内容であったかを巻頭で述べています。


ところで、このレポートにはかなりの枚数の仕様と図面が掲載されています。中でも興味深かったのはこちら
メルセデスベンツM165の仕様

なかでもマーキングした箇所に注目

何と排気バルブステムに水銀が封入されているとのこと! ナトリウム封入バルブは知っていますが水銀は初耳です。

またドラムブレーキに興味を持つ私にとって衝撃的だったのが、ファンブレーキドラムです。

ドラムのファンとハブ部がリベット止めされており画像の色からして異種の金属と思われます。仕様を見ると

リング(ドラム)が鋼材でフィンがアルミとあります。粗加工したドラム周りにアルミを鋳造すれば楽なのにと思うのですが、熱膨張率の問題か、あるいはフィンの構造上できなかったのかもしれません。

巻末には各種図面類が折り込みで綴じられています。詳しい方がご覧になれば多くの情報を引き出せるかと思います。識者のコメントいただければ幸甚です。





何とタイヤ断面までも!
もちろんコンチネンタルがグランプリレース/レコードブレーカー用に開発した内容の記事もあります。


最後に、その能力を発揮することなく終わったT80の姿が納められています。とてもクルマには見えない….


冒頭のTV番組の最後にこのT80はダウンフォースの中心が車両後軸に位置しノーズが浮いてしまうシミュレーション結果が示されていました。もし実走していたら恐ろしい結末を迎えたかもしれません。ローゼマイヤーの様に….

そしてナチスによるポーランド侵攻で陸上最高速度記録達成の夢は儚く終わってしまったのです。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2024/01/11 21:58:27

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この記事へのコメント

2024年1月12日 7:03
ゲルマン人の特性でしょうか?目標に対して自分の考えた道筋をとにかく突き進んでモノにしちゃう。
コンロッドのベアリング、半球形燃焼室とか・・・こりゃちょっとヤバいか?この先は??とは思っていなかったのかしら?
ポルシェのリアエンジン、昔のアルミディスク鉄ちんリムホイルなんかもそう言うところではないかしら?
しかし、ビックリするのがホルテン Ho229、全翼機、その考えは今でも生きている。これはすごいですよ。
いずれにしても真面目に勉強した結果であることは確かですね。
コメントへの返答
2024年1月12日 10:28
73sevenさん
今年もご指導よろしくお願いします。

GT40を弄って気付いた「アメリカの先入観を持たない合理性」と、ドイツの尖った突っ込みというか突き詰めの違いを感じます。確かにRRポルシェはトンガリの先っぽですね。(笑)
レコードブレーカーは無制限一本勝負なので、大出力が得られる航空機用エンジンの利用に最後は行き着く様です。英国のサンダーボルトはRRのマーリンエンジンですし、今回最後に登場したT80もおよそクルマには似つかわしく無い航空機用の倒立VエンジンDB 603が搭載されています。

いつも思うのですが、ある技術分野の終焉期にはトンデモ系のモノが登場しています。このドラムブレーキ然り、真空管アンプ末期に登場したOTL然り…

あぁ楽しい!
2024年1月12日 11:54
今年もよろしくおねがいします。コメントばっかりで恐縮です。

水銀入り、金属ナトリウムとどっちが先に実用化されたんでしょうかね?水銀からナトリウム?あとから水銀だと何か使う意味があったのか気になりますね。

そして、ずっと時代はくだってこの子らの子孫が、2000年に現れるブガッティ ベイロンなんでしょうね。あれ、VW、ポルシェ色を消してブガッティブランドにしたのはやっぱりこのブログ記事のタイトルで呼ばれることを避けたのかなあ、とか。

ベイロンも大量ライン生産でない製造方法を確立してそれ以降、GT-R以外の各種ハイパーカーのご先祖様になりましたから、銀の矢はまだ飛び続けているのかと。
コメントへの返答
2024年1月12日 21:09
tommmyさん
こちらこそ、前回に懲りずまた遊びに来てください。(汗)

水銀/ナトリウム封入に関しては勉強のため後日項を改めてアップしたいと思います。(宿題)

確かにドイツ人にとっては番組タイトルは刺激的ですね。Dr.ピエヒはフェルディナント•ポルシェの血筋ですからVWやポルシェからは離れられないので、「事業」として超弩級の一撃を世に放つためには超弩級のヘリテージを持ったブランド「ブガッティ」が欲しかったのだろうなぁと邪推します。
ちょっと面白い情報として、確か日本にも来たアウトウニオンType D No.19のレストアラーにDr.ピエヒ がType Aのレプリカを発注したとの事。こちらは事業では無く血筋がそうさせた様な気がします。
2024年1月12日 22:31
今回も素晴らしい話題をご提供ありがとうございます。
M165を搭載したW165は、ドイツ勢の裏をかいた車両規定で出し抜こうとしたイタリア勢を完璧に打ち破った有名なトリポリGP、ただ1戦しか出番がなかったんですね…

ヘッド一体のクロム鋼製の各気筒独立シリンダーバレルをベースプレートに溶接連結し、熱膨張を考慮し波型(?)に成形した板金製ウォータージャケット・水路を溶接したシリンダーブロックを、内部に深いリブを持つ軽合金製クランクケースに深く差し込む構造、というのも自動車エンジンとしては想像を絶する成り立ちですね。
偏執狂的独創性と共存する完成度の高さは、いくらヒトラーの資金提供があったとしても「金さえ出せば」という次元の話ではないでしょうし。

ひとまずまだ手にしていなかった邦訳「勝利のエンジン50選」から読んでみます。
コメントへの返答
2024年1月12日 23:08
灸太郎さん
ご無沙汰してました。
何だか知りませんが、この手の話題は大好物です。

「偏執狂的独創性」 ううむ言い得て妙ですね。座布団3枚!
拡大解釈すれば、ヒトラーがカネを出さなくてもやっちゃったかも知れません。そんな気がします。

「勝利のエンジン50選」の表紙のエンジンに注目あれ!
買ったけどまだ読んで無い…

プロフィール

「@tommmyさん 面白い記事ですねぇ。当方生粋のDIYerを自認していますが、とにかく自分の手でやりたい•試したい•確かめたいという衝動だけで動いているので、知識の獲得は副産物に過ぎないのです。
「趣味とは目的と手段が入れ違ったものである」らしい…」
何シテル?   03/02 17:00
クルマの事は良く知りませんが、機械モノや工作は大好物です。 一時は時計製作に嵌っていました。 http://clock.world.coocan.jp クルマ...
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