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2011年09月22日

【訂正有】なぜMT車のカタログ燃費はCVTに劣るのか?JC08モードについて①

【訂正有】なぜMT車のカタログ燃費はCVTに劣るのか?JC08モードについて① 参考:過去日記
MT車がカタログ燃費でCVT車に劣る理由。

 10・15モードやJC08モード等の燃費計測走行モードにおいて、MT車は変速タイミングに縛りがあって必要以上に低ギヤで引っ張ることを強要され、その省燃費性能におけるポテンシャルがカタログ燃費に反映されていない。。。この問題は本ブログでも繰り返し触れてきました。
 しかし「変速タイミングが決められている」とは言うものの、私は実際にその規則を見たことがありませんでしたが、お友達のT-kazuさんが素晴らしい資料を見つけてくれました!

T-kazuさんの日記。
カタログ燃費 MT車が不利な計測となっている決定的証拠

今回問題となる資料。(※リンク先はPDFファイルとなっています。)
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.07.30】別添42(軽・中量車排出ガスの測定方法)
 資料の22ページに計測モードにおける経過時間と車速、そして問題の「標準変速位置」があります。標準変速位置にはA、BおよびCの三種類がありますが、5段以上のギヤを備える乗用車の場合はAで良さそうです(Bは貨物車、Cは4速MT車。)。さっそくExcelで遊んでみました。

【時間と平均車速】
 試験モードは1,204秒(20分4秒)の時間から構成されており、完全停止(車速0km/h)時間が358秒もあり、試験時間全体の実に29.7%を占めます。
 速度レンジは0~81.6km/h。実車の速度計が総じて甘いことを考えると、流れの速いバイパス等で一瞬メーター読み90km/hに達するような状況と考えれば良いかと思います。全体を通じての平均車速は24.4km/h。完全停止時間を除いても34.7km/hですからかなり遅めですね。地方都市に住んでいる私の場合だと、給油毎の平均車速が35km/hを下回った事はありませんので。。。

【加速度】
 加速度は-0.122G(減速)~+0.173G(加速)です。最大加速度0.173Gは2速26.2km/hで出ていますが、他の変速段での最大加速度は1速:0.161G、3速:0.122G、4速:0.065G、5速:0.057G、6速:
0.014G。高ギヤほど(高車速になるほど)加速度が小さくなるのは当然として、低ギヤでも特に強い加速を行っている訳では無い事が解ります。
 ちなみに最大値となる0.173G一定で加速しても、発進から60km/hに達するまで35秒以上もかかります。はっきり言って「緩加速」以上の何物でもないことはお解り頂けるかと思います。  申し訳ありません!本件計算ミスと判明致しました。。。0.173G一定で加速して60km/h到達までにかかる時間は9.8秒です。訂正してお詫び申し上げます。

【変速タイミング】
 各変速段における車速レンジを見てみると、1速:0~24km/h、2速:12~35km/h、3速:20~50km/h、4速:25~64km/h、5速:12~78km/h、6速:31~82km/hとなります。一見して「高ギヤで結構低車速まで頑張っているな。」と思えなくもないですが、これは減速→停止時に一々シフトダウンせずに、そのままクラッチを切って停車させるパターンが多い為です。
 という訳でシフトダウン方向はアテにならないので、シフトアップ時の車速に限って整理すると 1→2速:18~28km/h、2→3速:33~37km/h、3→4速:50~53km/h、4→5速:62~66km/h、5→6速:78km/h となります。
 スピードメータの表示が実車速に対し+10km/h程甘い事まで加味すると、路面平坦かつ無風状態を模した走行モード、かつ前述の様に決して「強い加速」を行っていない状況にも関わらず、ダラダラと非常に長く引っ張ってからシフトアップしていることがお解り頂けるかと思います。

 ちなみに私が下駄車C4 1.6HDiで平坦な一般道を普通に加速する時のシフトタイミングは、メータ読みで1→2速:12~13km/h、2→3速:25km/h、3→4速:40km/h、4→5速:50km/h くらいですねぇ。。。
 次回はエンジン性能曲線とも併せて、JC08モードによる「標準変速位置」に従った走行がどれくらい不経済なのかを検証していきたいと思います。

**********
 新旧マツダ・アテンザの6MT車で、JC08モード走行における車速/加速度/エンジン回転数を計算しましたのでここに引用しておきます。

 エンジン回転数は赤線が旧型25Z(ガソリン)、青線が新型XD(ディーゼル)となります。赤線をみると加速が非常に緩慢な走行モードであるにも関わらず、概ね1,500~2,000rpmの間を使わされていることが解ります。特に1080秒付近では強い加速をしている訳でもないのに2,000~2,300rpmの間に張り付いています。排気量が2.5Lもあることを考えれば、もっとアイドリング+α付近から常用できると思うのですが。。。

 なお現行XDの場合、発進時を除けばターボチャージャのアシストで低回転からでも十分加速が可能ですので、1~3速が非常にワイドレシオ化されており「標準変速位置」に従った走行でも2速以上であればエンジン回転数が比較的低く抑えられている事が解ります。
 ガソリンエンジンの様に負荷調整にスロットルバルブを使わず、必要以上に引っ張ってもポンピングロスが増加しにくい事もあって、ディーゼル車はMTであっても「標準変速位置」の弊害を受け難い、という事は言えると思います。

2012年11月20日の日記
非SUVなディーゼルMT車がやっと登場。
ブログ一覧 | MT(手動変速機)およびMT車。 | 日記
Posted at 2011/09/22 19:11:21

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この記事へのコメント

2011年9月22日 21:17
こんにちは^^

とても参考になります^^
>1→2速:12~13km/h、2→3速:25km/h、3→4速:40km/h、4→5速:50km/h くらいですねぇ。。。

私が以前のプルリエルに乗っていたときも、ほぼもげ.さんと一緒ですよー
今のピカソが、1→2速はすんなりだけど、2→3,3→4速がもたつくので、ひょっとしたら上記の速度での切り替えなのかもしれませんね・・・・・。
コメントへの返答
2011年9月23日 1:53
こんばんは。
nojinojiyogoさんが乗られていたプルリエルもHDiでしたっけ?

私のC4はギヤが5段しかないのに、1~5速の変速比幅が超ワイドなので、各ギヤが「ちょっと離れているかな~。(汗」と思う事はありますね。今は6MTが標準なので羨ましいです。平地を走る分には5速でも特に不満は無いのですけど。。。
2011年9月22日 22:10
こんばんは!

しかし、なんで、こういう「変な決まり」があるのでしょうね・・・。もし、決められた当時に「現実の状況」を勘案して変速タイミングに縛りを設けたのであれば、オートマ車にも同様な何かを課さないとおかしい感じがします。

オートマ普及時はトルコンATばかりだったので、同じ土俵で燃費計測すると、MTとの差があまりにも大きくなり過ぎるので、オートマ普及を促進する為の「インチキ」の名残かと穿った見方をしたくなります。

次回のブログも楽しみにしています!
コメントへの返答
2011年9月23日 2:05
こんばんは!このネタは私もずっと気になっていたので、資料を探し当ててくれたT-kazuさんに感謝いたします!

本当に、何でこんな決まりがあるのか解りません。。。昔は燃調や点火時期の制御が拙く、無闇に高ギヤで走らせるとガクガクとノッキングしたりとか、MTに不慣れなドライバーを考慮したヒューマンファクターの織込みとかの理由が考えられますが、動力性能に余裕の無いクルマもあるクルマも一緒くたに同じタイミングで変速させる方が余程無理があります!
本当にトルコンAT救済のインチキかと思ってしまいますよね。。。

とにかく、MTのカタログ燃費はまったくアテにならない、という点だけはお互い啓蒙活動を続けていきましょう!

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「「確認」してみるか…」
何シテル?   04/19 19:35
色々と面倒な時代になったので、現在は個人的な備忘録としての利用に留めフォローバックはしません。ご了承ください。
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