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2014年04月22日

エンジンブレーキ時のトルコンスリップ。

エンジンブレーキ時のトルコンスリップ。  免許取得いらいMTの下駄車を乗り継ぐ私ではありますが、それほどまでにATを忌避してきた最大の要因はトルクコンバータ(以下トルコン)の存在にあります。トルコンとはその構造上、入・出力間に回転差があって初めてトルクを伝達できる代物であり、ゼロトルク(≒加速も減速もしない状態…実際には走行抵抗があるので、弱い減速状態となる)近傍ではいくらアクセルペダルを微調整しても駆動力がほとんど変化しない「不感帯」が存在します。MTに慣れた私にはこれが著しくドライバビリティを損ねていると感じられるからです。
(左足ブレーキ常用でこの「不感帯」を殺す方法もありますが燃費やブレーキ消耗に背反がありますし、北米市場での訴訟問題等を機にアクセルとブレーキの同時操作を受け付けない車種も増えており、ここでは考慮しない事にします。)

 ところで、添付の様な正(駆動)方向のトルコン特性曲線を見たことがある人は多いと思いますが、最近チェックさせて頂いているブログで貴重なトルコンの逆駆動特性を考察されていましたのでここに紹介させていただきます。
落書き張 エンジン技術 番外編2 トルコンの逆駆動特性

 エンジンがトルコンのポンプに直結(エンジン回転数=ポンプ回転数)され、トルコン油を介してタービンが駆動されこれが出力になります。タービン回転数÷ポンプ回転数=速度比であり、速度比0がタービンストール状態。
 該ブログの1枚目の線図を見ると、速度比1(回転差なし)では当然ながら1Nmたりともトルクを伝達することは出来ません。そればかりか、タービン回転数が下がるほどに速度比1近傍のトルク伝達能力が低下し(回転差に対しトルクの傾きが寝てくる)、正・逆方向ともにより多くの回転差がないとトルクを伝達できないことが解ります。試算によればタービン回転数1,000rpmで燃料カットを行うと、エンジンが吸収するトルクでエンジン回転数は500rpm以下にまで低下してしまい、また3枚目の線図に示された逆駆動時の不可逆性より、万一ポンプをストールさせてエンストしてしまったらロックアップかセルフスタータを用いない限りエンジンの再始動は不可能とわかります。

 昔のAT車は高ギヤでは燃料カットが出来ずエンジンブレーキが効かないのが当たり前でしたが、最近はトルコンも低速域までスリップロックアップ(半クラ状態)を行い、またアクセルオフ時はCVTを僅かにシフトダウンさせてエンストしないギリギリの回転数を維持し続けるためMT車よりむしろエンブレが効くようになってきました。例えば後続車との車間に余裕があり、前方の信号が変わりそうなのを視認してMT車のつもりでアクセルオフするとどんどん車速が低下して、交差点のだいぶ手前で停車しそうになってしまうことも。。。
 如何にスリップロックアップと言えども半クラ状態ですから回転差があります。クラッチではトルク増幅は出来ず、馬力=トルク×回転数ですからスリップさせれば馬力(エネルギ)が失われます。燃料カット状態にあるエンジンの吸収トルクが同じでも、その回転を維持する為に必要な逆駆動エネルギはトルコンを介したほうがより多く必要です。つまり燃料カット状態を維持するのに必要なエンジンブレーキ力はトルコンの方が大きくなってしまいます(最近CVT車のエンブレがやけに強いと感じるのは、これに加えてシフトダウン中のベルトの伝達効率も低いからかもしれません)。ギヤ比の設定さえ適切であれば、スリップのないMT車のほうが燃料カット状態を維持しつつより長い距離をコースティングでき、燃費でも有利ということが言えます。

落書き帳」の著者さん、勝手に引用してすみません。。。コメントもメッセも出来ないようなのでm(__;)m

**********
2022年6月18日、リンク切れを修正しました。
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Posted at 2014/04/22 23:22:47

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この記事へのコメント

2014年4月23日 13:12
こんにちは。
MTだと、どれだけ長距離(下道)を走っても疲れないのですが、たまに代車などで自動変速機付きの車に乗ると、直ぐに疲れて休憩しなければ持ちません。

遠くに赤信号がみえている状況で、アクセルを踏まなければ停止位置まで行けないのはちょっと。。。

勉強になりました。有難うございますm(_ _)m
コメントへの返答
2014年4月23日 21:02
こんばんは。毎度ありがとうございます。。。
MTなら自分の好きなように操れますが、自動変速車だと結局は制御次第なので、自分の感性に合わない車に当たってしまうと耐え難いものがありますよね。(苦笑

昔のAT車は減速方向はほぼノーコン状態でしたが(低ギヤ・高回転時を除く)、エコカー減税の導入でカタログ燃費の重要性が高まるとエンブレ時も一転して積極的に燃料カットを行うようになりました。しかし、特に車速が落ちてきてから停車寸前までの減速度が明らかにMT車より強い!しかしリンク先の記事を読んで、伝達効率の悪いトルコンを介して燃料カット状態にあるエンジンを回し続けるには、MTよりも大きな逆駆動エネルギーが必要と解り腑に落ちた次第であります。。。
2014年4月25日 0:30
はじめまして。
いつも、ブログ拝見させて頂いています。

はじめて、コメントします。

勉強になりました。
だから、最近の車は運転しにくかったんですね。
納得です。

ATのネガな部分やMTの良さをわかってくれる人が、周りに居ないので、こう言ったものを見ると嬉しくなってしまいます。

今後も、見るだけになるかもしれませんが、よろしくお願いします。
コメントへの返答
2014年4月25日 20:00
itiyaさん、いつもご訪問&コメントを頂きまして、ありがとうございます。

今時この国でMTに拘って乗っていると「どーせシフトレバーをガチャガチャやりたいだけなんだろ?(笑」位にしか思ってくれない人が非常に多く、はっきり言って絶望しそうになります。ですからitiyaさんの様なコメントを頂けるのはすごく嬉しいです!

320dツーリングいいですね。。。ジャパンがディーゼルのMTを出してくれれば、私もホントは正規物に乗りたいのですけどね。。。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!!
2014年8月24日 9:24
おはようございます。

わたしが昨夜書いたブログのなかで、貴兄のこのブログをいわば『参考文献』として記しましたのでご報告申し上げます。

ご笑覧いただければ幸いに存じます。
_(_ _)_
コメントへの返答
2014年8月25日 23:26
こんばんは。こちらへの返答が遅くなりすみません。。。

バイク、特にネイキッドやオフロードは車両慣性に対し空気抵抗がメチャクチャ大きいので、高車速からのアクセルオフの瞬間がいちばん減速Gが大きくて、車速低下と共に減速Gが和らいでいくのが実感できますね。
 cidreさんもご経験の通り、交通量が多いと急にアクセルを閉じると危ないので高車速のときは徐々にアクセルを戻しています。重たい四輪と違って、神経質に信号のタイミングを先読みせずとも赤信号→急ブレーキとなる機会はほとんどありませんものね。^^

 CVT車で高車速からアクセルオフした時の減速Gの推移がどうなるか気になります。車速が落ちるほど減速Gが強くなるような瞬間があれば、それは自然現象(?)ではありえない特性で人間の感覚とは相容れないかもしれませんね。
2014年8月26日 0:22
もげ. さま、ご返答をいただき恐縮しております。
コメントにご返答が「あるべきもの」とは思っておりませんし、この場合はなおさらでした。

しかし、わたしがバイクに乗らなくなってからの減速操作の変化が実によく理解できました。他人事のように。
~ ^

車の挙動を分析することにまったく不向きなわたしですが、今日はCVTのフィールダー君の挙動を注意深く見守りました。もっとも普段から業務中に高車速で走ることはまれなので、せいぜい中速域までからですが、アクセルオフした時の減速Gの推移を記録から見るとおおむね右肩下がりのように見えます。それは、こちらが思った以上に減速が進んで行くためで、それから途中に「段付き」がありました。業務用で使っていた一つ前フィールダー(現行型から言うと2世代前)のトルコン4ATがぜんぜんエンブレが効かなかったのとは正反対の印象です。
*実は、右肩上がりになるのが道理にかなっている気がするので、上記は奇妙に思えます。実験しているわけではなく、あくまで日常的な操作をしている最中の記録なので、実際には右足の介入があった結果かもしれません。ぜんぜん正反対のことを言っているのではないかと、がっかりです。すみません。

ともかく、減速途中でこちらの意思とはかかわりない介入(段付き)があったのは確かですし、そのためにG一定の減速を実現するのにまだまだ修練が必要なことも確かめられました。

そんなことして意味あるの、無視して問題ない程度の違いじゃないの、と言われてももっともなのですが、それを言っちゃあおしまいよ、と思って毎晩の教習を続けています。還暦目前の年齢なので、向上が見込めるのはあと何年、と思ってしまうのです。過去にモータースポーツに触れる機会があったら、とも思います。でもまぁ、最後の数年にこんな楽しみがあってよかったとも。
あっ、これにはもちろんご返信なしで。

(^ ^)/
コメントへの返答
2014年8月26日 22:00
こんばんは~。
 コメ返しの件、ご配慮いただきありがとうございます。ですが、決して義務感からコメントしている訳ではないのでお気になさらず!お互い気楽にいきましょう。。。^^

 私としては日頃減速Gの小ささ(アクセルオフでの滑走距離の長さ、ブレーキ頻度の少なさ)を最優先にしG一定を意識した事が無いとは言え、Gを視覚的に検証する手段を持ち合わせていないのでcidreさんの経験談を参考に想像するしかないのが残念なところです。。。
 CVT車でも減速Gは一応車速低下と共に右下がりになっていたというのは意外な事実でした。するとアクセルオフでの減速Gの絶対的な大きさ、段付きによる一時的な減速Gの増加を違和感と感じているのかもしれませんね。

 アクセルオフでの減速Gが大きすぎるなら、アクセル全閉にせずに戻し量をコントロールすればいいじゃないか!という意見もありそうですが、EVならともかく燃料カット状態にあるCVT車で、到達距離延長のために少しでも踏みましたらエンジン回転を維持する為に燃料が使われる訳でなんとも勿体無い気持ちになります。欧州車で採用が始まっているコースティング機能(アクセルオフでクラッチ断+アイドルストップ)がひとつの解かと思いますが、慣性重量の大きな四輪だと空気抵抗の小さい低車速域では空走感が増して市街地でのブレーキ頻度が増えてしまう可能性があり、これでは本末転倒ですね。。。
 悩んでもしょうがないので、EVが普及するのを待ちますか!(笑

 ちなみに、車両慣性に対し空気抵抗がメチャクチャ大きいバイクでは「クラッチ断+アクセルオフ」は頻繁にやってます。それでも車速はぐんぐん低下するので四輪の様に信号のタイミングに一喜一憂することもなく、エコランは車速を出しすぎない様に心がけるだけでOKなので精神衛生上も好ましいです(笑。
 減速Gの話、また色々と教えてください!

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