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2014年10月22日

ディーゼルのパワーバンドは狭い?広い?

ディーゼルのパワーバンドは狭い?広い?  driver誌の新刊にデミオディーゼルMTのロードテストが載っていたので買ってみました。実走燃費テストを除き市街地走行を含まないテストステージであるにも関わらず、折に触れワイドレシオ且つハイギヤードなMTのセッティングが指摘され「あぁ、やっぱりなぁ(涙」と思ったのでした。。。
 それ以外で「おやっ」と思ったのはエンジンの「パワーバンドが狭い」と指摘されていたこと。過去日記「小ターボを回転上限まで使い切る」で書いた様に、SKYACTIV-D 1.5はピークパワーを極限まで追求したエンジンではないし、回転センサ付きのターボチャージャを採用し高速側のマージンを削るなどして、エンジン性能曲線を見る限りでは2ステージターボにも匹敵する低速トルクの立ち上がりを実現しています。

 自分でも良く解らなくなってきたので、とりあえずデミオのディーゼルとガソリンのエンジン性能曲線を重ねてみました。それが本日記のTOP画です。エンジン性能曲線は定常のデータでありターボラグは含みませんが、過給への依存度の高さを示す為に1.5L NA(無過給)ディーゼルの性能曲線も一緒に重ねてあります。またオートメカニック誌のテストによるとMT車の2速アイドリングからの全開加速で最大加速度に達したのが2,000rpm時であったことから、この時のターボラグを点線で再現してみました。なお1,000rpm以下の性能曲線は未公開のため推定となっております。
 これを見る限り、アイドリング以上のすべての回転域でディーゼルの馬力がガソリンのそれを上回っています。またパワーバンドを文字通り「最大出力帯」と解釈すれば、どう見てもディーゼルの方がパワーバンドは広そうに見えます。

 しかしながらガソリンとディーゼルでは使用可能なエンジン回転数範囲が異なるし、そもそも1.3Lのガソリでは1.5Lのディーゼルに対し排気量のハンディがあります。そこで両者の横軸のスケールを一致させ、最大馬力も横並びにしたものが下図になります。

 まず低速側ですが、ガソリンが最高回転数の8%程度まで使えるのに対しディーゼルでは約16%でエンスト防止制御にブチ当たります。ギヤ比がワイドな事と併せて2~3速アイドリング時の足が速く、狭い路地や渋滞で這い回る時の扱い難さに繋がっています(慣れればこまめに適切なギヤを選択し、クラッチを丁寧に操作することで対処できる範囲ではありますが)。
 また定常では最大出力の17%以上を発生する回転範囲はディーゼルの方が広いですが、2速全開加速でのターボラグを考慮すると、ディーゼルの方がパワーバンドが広いと言えるのは最大出力の32%以上を使うときに限られます。

 エンジン性能曲線でピークパワー付近だけに着目すると、いかにもディーゼルの方がフラットパワー的でパワーバンドも広そうに見えますが、(超高速巡航の多いヨーロッパならいざ知らず)一般走行時は普段から大した馬力は使っていないこと、加えて低ギヤでの加速ではターボラグが顕在化すること、そして過給への依存度の高さゆえターボが仕事する前後の落差が激しいことから「パワーバンドが狭い」という印象に繋がったのかもしれません。
 私は高過給ディーゼル車を2台乗り継いできましたが、狭い路地やヘアピンカーブのある狭い峠では多少の扱い難さも感じる一方で、高速道路や中・高速コーナーばかり続く山岳ハイウェイ的なステージではどこから踏んでもグイグイ前に出るフレキシビリティに魅了されます。やはりディーゼルは普段からブーストかけっ放しの高負荷走行が多い人にこそ向いているのは間違いないでしょう。超絶ハイギヤードなデミオディーゼルのMTでそんな走りをしようとすると、免許が何枚あっても足りなそうですが。。。(汗
ブログ一覧 | ディーゼルエンジン・ディーゼル車。 | 日記
Posted at 2018/04/08 09:06:13

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この記事へのコメント

2014年10月23日 0:27
物理的な事はなーんも解りませんが、いくらハイギアードであっても、ディーゼルMTの特権である転がりだしたら勝手に進んでくれる領域で日常生活は満たされちゃうのではないかとみてますが違うのかしら?

MTを買わなかった一番の後悔な部分です。

そもそもガソリンとは性質が違うから、慣れたら何でもそれなりに楽しめるんだろうとはおもってますけど。
コメントへの返答
2014年10月23日 7:40
おはようございます。KobatakuさんのEGSは6速ですよね?AMTならカタログ燃費狙いで必要以上に1~3速を散らす必要もなく、タイトな日光いろは坂の登りで私のC4(5MT)に涼しい顔でついて来れたのも納得です!

発進性確保のため1速は高めることが出来ないので、最高速が200km/hを大きく超えたりデミオMTの様にオーバードライブを設ける場合は6速では最早厳しくなってきていると思います。仰る通り慣れが解決する範囲かと思いますが、街乗りオンリーのパートナーの下駄車に選ばなくて良かった。。。(汗
2014年10月24日 11:41
先日は、かりんとうドーナッツありがとうございます。 かりんとう自体は好きではないのですが、これは結構日本茶と合うので、美味しく頂きました。
さて、
ディーゼルは、本来全てのギアを使いきるギア比であるべきで、ODの6速なんて今の日本での使い方では意味が無いですね。 ただ、MAZDAさんは、国内の走行でDPF再生でかなり燃費が落ちるのを痛感して、エンジンの特性他、かなり無理をしたディーゼルになっているのだと思っています。 本来いくらでもエンジン特性を変更造り出せるまで今のディーゼルエンジンの制御は進んできます。 排気ガス制御と燃費、そしてDPF再生など、MTとの組み合わせを含め、開発途上状態での発売に写ります。 MAZDAさんでは、国内ではより優れたSkyactiveATに集中する考え、MTは燃費を誇示し、一部のディーゼル愛用者向け程度のしか考えていないのでは。 SkyactiveATは、評判良いようですし。 
やはり、3気筒にしない偏見から、こんな事になったと言うのが自分の見かたです。 BMWは、3気筒なのにね!
コメントへの返答
2014年10月24日 21:14
doe136さん、こちらこそ登山口まで送って頂きありがとうございました。
ドーナッツ、余ってしまったので自分も持ち帰って食べましたが結構甘いですね。。。美味しく頂けたとのコメントを頂戴し、ホッとしております。

 デミオディーゼルMTのギヤ比の狙いは明快ですね。発進性を確保しつつ、低速ギヤでダラダラ引っ張らされるJC08モードで30km/Lのスコアを取ること。もうこれしか頭に無かったのでしょう。こうまで割り切られると消費者としてもスッキリします。春にパートナーの下駄車を買い換えたばかりなので、これがもっと扱い易いギヤ比であったなら悶々とした日々を送っていたと思います。(笑
 欧州でもVWがBlueMotionの様なカタログ燃費特化型のモデルを出しており、マツダはデミオでこれに対抗するつもりなのかもしれませんね。欧州ではタイトなワインディングや市街地走行も少なく、5,000rpmオーバーまで回るエンジンで超ワイドなギヤ比をケアしたのでしょう。いずれにしても国内のMTユーザは軽視されてしまった様で残念です。BMWミニの3気筒は評判も良く興味深々です!ハイオク仕様となっていまうのが玉に瑕ですが。。。
2014年10月25日 11:06
こんにちは。ここが気になってこの雑誌を買いました。

20→60km/h加速2速6秒11の回転域は、約1100~3300rpm。
40→80km/h加速2速5秒58の回転域は、約2200~4300rpm。

driver14年12月号28ページの「追い越し加速テスト」の本文に「デミオDの低速域の追い越し加速タイムがパワースペックほどによくないのは、・・・」と書かれています。低速域とはどのデータを指して表現しているのか明示されていません。わたくしは、77kWのデミオD「20→60km/h加速、6秒11、2速」が、68kWのデミオG「5秒62」に、66kWのポロ「5秒44」に負けている、というコトではないかと読みました。

20→60km/h加速6秒11、2速の回転域は、約1100~3300rpm。

わたくしの感想は、「そもそも、ギヤの選択を間違えているので、参考にしかならない」です。デミオのカタログをみただけですが、追い越し加速では2000rpm以下は、ブースト上がり待ちが長く有効回転域ではないと感想を持っていました。
20→60km/h加速は、1速で約2100~4500rpmまで引っ張って、2速で約2300~3300rpmで測定するべきではなかっただろうか、です。1速4500rpmはオートメカニック誌のどこかにそんな1文があったという記憶から入れてます。

固定ギヤでタイム計測をした結果、77kWにしてはタイムが出なかった最初の理由を「パワーバンドが狭さ」としている辺りに疑問があり、それを文頭のサマリーにしていため誤解を生むのではないかと思いました。同文で、2つ目の理由に「ギヤ比の問題だ」としています、理由はこれだけでよかったのではないかと思いました。

わたくしは「パワーバンドが狭い印象」の1文でこの雑誌を買いました。キャッチコピーとしてはよかったのではないかと思っています。

長いコメントで申し訳ありません。
コメントへの返答
2014年10月26日 23:27
こんばんは。コメントありがとうございます。
最新号のベストカーを読んだところ、狭い路地を左折する時は2速で半クラが必要だと指摘されています。まさに橋本 南さんや私が懸念した通りの結果になっていると思います。。。(涙

 1~2速のレシオが倍近く離れているので、発進後から急加速が必要と解っていればご指摘の通り4,500rpm以上まで引っ張るのが自然だと思います。
 但しスポーツカー等ではない一般車で、発進時以外に半クラを使ったり1速まで落とす機会がどれだけあるでしょうか?2速以降が超絶ハイギヤードとなった事で中間加速に背反が出ていることはそれなりに有用な情報かもしれません(ATとの比較はフェアではありませんが。。。)。まぁ結論としては仰るとおり「『ギヤ比の問題だ』としています、理由はこれだけでよかった」、これにに尽きますね!

 私は高過給ディーゼル車を2台乗り継いでいますが、どちらも最高段のギヤで最高速が出る(オーバードライブではない)設定で、巡航中でも1段落としさえすれば1,500rpm以上の過給ゾーンに入ってくれるので必要十分な加速を得る事が出来ました。デミオディーゼルのMTだと場合によっては2段落しが必要なシーンが出てきそうですね。レシオが離れている事もありシフト操作はちょっと忙しくなりそうです。

 デミオディーゼルのMTをパートナーの下駄車にする可能性はゼロとなってしまいましたが、機会があれば是非試乗してみたいと思っております。
2014年10月25日 15:46
こんにちは、お久しぶりです。

お話の内容とはちょっとズレてしまいますが…

我が家のピカソ1.6HDi 5MT、アクセルに触れずにシフトアップしていくと、
ちょっとした上り坂でも5速まで、それほどストレスを感じさせることもなく
エンゲージ出来、1000rpm・50km/H位まで加速してくれます。
以前のブログで、過給器の働かない低回転域のトルクが不足していて…
というお話とちょっと違うなぁ?
という印象を受けていました。

エンストしそうな回転域ではECUの制御で燃料噴射量を増やしてトルクを稼いでいるのかなぁ?
デミオもアクセル開度を絞り気味にしてシフトアップしていっても、意外とストレスを感じさせる事もなく加速してくれるかも…って、ちょっと反論したくなった次第です(^^;
コメントへの返答
2014年10月26日 23:42
お久しぶりです。コメントありがとうございましした。
 ディーゼルマニアさんが書かれているのは、まさしくエンスト防止制御(昔はガバナが機械的にやっていた)の効能ですね。私も最初これに騙されました。。。(^^;

 C4 1.6HDiに乗り始めの頃、平地や緩斜面での発進はすごく易しいのに、勾配がある程度以上にきつくなると途端に発進が困難になる(吹かしてフライホイールにエネルギを蓄えないと発進できない)ことに違和感を覚えました。
 便宜上デミオのエンジン性能曲線(本ブログのTOP画)でご説明しますが、発進時は負荷の高まりに応じてアイドル回転数・トルク90Nmまでは自動的に噴射量を増やしてくれます。これがディーゼルならではの発進のし易さに繋がっていますが、勾配がきつくなり、クラッチを合わせながらアクセルを踏込んでいっても発進トルクは90Nm以上には増えないので、勾配がある程度を超えるとあっさりエンストします。
 デミオの性能曲線では1.3Lガソリンとの比較になっているので、アイドリングからガソリン以上のトルクを出せるように見えますが、同一排気量のガソリンと比べれば発進トルクはディーゼルが劣っています。

 またディーゼルマニアさんが書かれている乗り方ですが、アイドル回転数が高くギヤ比がワイドでアクセルを踏まなくてもどんどん転がっていくという事は、裏を返せばゆっくり走る時でも車速変化に応じてきっちりギヤを上げ下げしなければならないという事だと思います。私はC4に乗り換え後、ガソリンなら3速のままアクセルコントロールで曲がれた路地できっちり2速まで落とさなければならないという経験をしています(これは120dでも同じです)。ピカソはハッチバックに比べ1割ほどローギヤードになっておりこの点は多少救われていると思いますが、JC08モード対策で2速で100km/hまで届くほどハイギヤード化されてしまったデミオディーゼルMTの場合、案の定20km/h以下の速度コントロールが難しいとか、狭い路地では2速で半クラまで使う必要があると各メディアの試乗記では指摘され始めています。

 ディーゼルマニアさんや私は基本メカ好きの運転好きだと思いますし車の特性にあった運転が出来ると思いますが、超絶ハイギヤードなデミオディーゼルのMTをパートナーの下駄車にするのは、街乗りメインでは乗り辛さばかりが目立つ事になり可哀想なことになるだろうと判断しました。決してディーゼル車そのものを貶すつもりは無い事だけはわかって頂きたく。。。ご了承ください m(_ _)m

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