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2012年01月19日 イイね!

本田の新型1.6Lディーゼル。

本田の新型1.6Lディーゼル。 今週発売されたMotor Fan Illustratedの最新刊に、本田が欧州で展開予定の新型1.6Lディーゼルエンジンが紹介されました。最大出力88kW(=120ps。誌面には"880kW"とありますが!)、最大トルク300Nm(BMEP=2.36MPa)で、350Nm(BMEP=2.75MPa)程度までターゲットに入っているとのこと。
 排ガスはEURO6対応とあり、日本のポスト新長期規制にもミートするポテンシャルはある事になります。但し国内で本田はハイブリッド車の販促に力を入れているのと、また300Nm級のトルクを伝達できるATが現状レジェンドのトルコン5ATしかない(画像はシフトケーブルの取付ブラケットがあるのでMTでしょう。)という事情もあり、我々がこのエンジンを搭載した本田車を日本で乗れる可能性は低い気がします。

 おさらいになりますが、過給ダウンサイジングで燃費が低減する理由は、過給圧を上げて何倍出力を捻り出しても(回転数を上げなければ)エンジン本体の摩擦損失はほとんど増えないので、排気量当たりの出力を上げれば上げるほど燃料消費率(g/kWh=1kWの出力を1h発生するのに必要な燃料質量g)は下がっていくからです。
 ディーゼルエンジンは元々スロットルバルブが無いので部分負荷時のポンピングロスが小さく、また回転数もガソリンエンジンに比べて低いために摩擦損失でも有利でした。しかしノッキングの心配が無くエンジン強度の許す限り過給圧を上げられるディーゼルエンジンは、元々過給ダウンサイジングのポテンシャルは高いと言えます。
 実際には過給ダウンサイジングを推し進めていくと無過給時のトルクが痩せ細り、発進時のトルク不足の問題が出てきますが、厳しくなる一方の燃費規制をにらみディーゼル乗用車でもダウンサイジングが進行しています。例えば過去の日記でも採り上げた様に、ルノーは1.9dCiに代えて1.6LのEnergy dCiをデビューさせましたし、現代自動車はソナタ(日本車で言えばカムリクラスに相当。)に新型1.7Lディーゼルを搭載しています。VWも1.9TDi→1.6TDiに代替し、ポロ等に搭載していた3気筒の1.4TDiも、1.2TDiに代替してきました。

 本田は自社製の2.2Lディーゼル(2.2i-CTDi→後に2.2i-DTEC)を持っていて、それより下のクラスは従来いすゞ製1.7Lディーゼルの供給を受けていました。しかし過給ダウンサイジングが進行するこれからの時代、より小排気量なディーゼルエンジンを自社で持っておくことが必須と判断したようです。ガラパゴス市場:日本での数量効果がほとんど見込めない中、よくぞ決断したものだと思います!
 一方トヨタは、かつてプロボックスに搭載し日本でも販売していた1.4Lディーゼル(1ND-TV)を欧州で展開中ですが、元々過給度はそこそこに軽量コンパクトネスを追及した設計でもあり、今後必要とされるより大排気量クラスからのダウンサイジングを受け持つには荷が重いようです。トヨタもそれを解っていていすゞと手を組み1.6Lクラスの小型ディーゼルの開発・製品化を目指すも諸事情で頓挫。既に報じられているようにハイブリッド技術の供与と引き換えに、BMWが116d EfficientDynamicsEditionに搭載する新型1.6Lディーゼルの供与を受けることになりました。
 そのトヨタが小排気量ディーゼル開発のパートナーとして選んだいすゞも、かつてはGM傘下のオペル、サーブをはじめルノー、本田など数多くのメーカにディーゼルエンジンを供与してきましたが、トヨタとの資本提携と前後してそれらのシェアも失っています。

 本田の新型1.6Lディーゼルを見て、今いちばん悔しい思いをしているのはトヨタかもしれません。いやぁ、将来というものは本当にどう転ぶか解らないものですね!
 個人的には、BMWが従来の2L(N47D)より下のクラスのエンジンを持ったことで、PSAがMINI用に供給している1.6Lディーゼル(私の下駄車、C4 1.6HDiと同じ。)の命運も気になります。。。

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「@vertin こんにちは。VWがEA888でフリクションロスを嫌ってタイミングベルトに戻した位なので、品質問題さえなければEB2もチェーンに戻すことはしたくない筈...フォードとは想定する仕向け地の範囲が違うのでしょうか?」
何シテル?   08/09 18:04
色々と面倒な時代になったので、現在は個人的な備忘録としての利用に留めフォローバックはしません。ご了承ください。
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