地図更新というと、ナビの画面をクリックし、ダウンロードするイメージです。マスタデータとの差分で随時更新される便利なシステムも実用化されています。
本稿の題材は、こうしたハイテクではなく、30年物の、とても古い話になります。
かつて、地図帳は、車載の必須アイテムでした。大判の全国地図と、A4くらいのローカル版の2種を併用している方が割と多かったように思います。抜け道を開拓したり、地図上では分からなかった美しい景色に出会ったり、はたまた袋小路に迷い込んでしまったり、悲喜こもごもの連続でした。
なんといっても思い出深いのは、同乗者との一体感でした。
「桃子、まだ真っ直ぐでいいのかな?」
「次の分岐、左に進んでみて」
「オッケー、この道は卒業だ。いつもSay Yes! だぜ」
このように、同乗者が、コ・ドライバーとしての重要な役割を担っていたこともありました。
「さすが、桃子の方向感覚は素晴らしいよ」となることもあれば、反対に、「お前のルート、間違ってないか?」と喧嘩の原因にもなっていました。
長距離ドライブで大活躍した地図ゆえに、たくさんの思い出が詰まってくることもありました。重要な交差点を示す目印等が、その辺りを訪れた証になっていたものです。
ときに、その場所を目にしていろいろ思い出されてしまい、傷口に塩を塗られている感覚に陥ることもありました。また、新しいカノジョには、「この辺にきたことがあるんだね」と勘繰られる原因になってしまいます。私は、積極的に書き込む派でしたので、カノジョとの別れが、地図帳更新を考えるタイミングになったこともありました。
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Posted at
2023/05/21 08:46:14