先日、サーティワンアイスクリームを訪れたところ、大繁盛していました。この猛暑ですから、ある程度の混雑は想定内でした。
非常に驚かされたのは、フレッシュパックと呼ばれる、桶のように大きな容器でテイクアウトする客が多かったことでした。景気がどうこうという話はありますが、日本は豊かになったなあ、と思いました。
私が少年時代、家では、ロッテのレディボーデンが最高級品でした。大きなパックが冷凍庫に入っているのを発見し、500mL近い中身の半分以上を一人で平らげたこともあります。母親にひどく怒られました。珈琲に入れるためのプレミア品だったのです。
母親の主張には納得できる部分がありました。ホームランバーが30円の時代でしたので、あなたはそれを食べていなさいということだったのです。
しかし、禁じられると、異様に食べたくなるのが、少年とはいえども人間の性であります。ホームランバーにはないコクが恋しくなり、レディボーデンで頭がいっぱいになってしまいました。
――強行突破するか。
自分の頭上で、悪魔が、「食べちゃいな、早い者勝ちだよ」とささやいてきます。
一方で、天使が良心をくすぐってきます。
悪魔と天使が協議を行い、一つの折衷案を提示してきました。
私は、迷わず、その講和条約にサインしました。
プラスチック製のスプーンを用意しました。深くめり込むため、金属製は不可でした。スプーンをしならせながら、アイスクリーム上で滑らせ、ポテトチップの模型を作る感覚で、極薄のレディボーデンを採取していきました。可能な限り薄く、可能な限り一枚に、を目指しました。
この技術を駆使すると、大きいポテトチップ5枚相当のレディボーデンを食べても、両親にバレませんでした。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2023/08/12 08:42:58