実に12年4か月ぶりにCAR GRAPHIC(以下CG)誌を買いました。
理由は創刊50周年記念号だからです。
モーターファン誌は戦前から、その次はモーターマガジン誌と更に歴史ある雑誌は存在しますが、CG誌は日本で刊行される自動車雑誌では、最も権威があるという認識が個人的にあります。
50年前の国産乗用車はクラウンが初代の観音開きからようやく2代目にモデルチェンジし、ホンダはまだバイクメーカーでその年のモーターショーにスポーツカーS360とS500及び軽トラックT360を出品して4輪生産に名乗りを上げた時代です。
乗用車といえばほとんどがタクシー需要でしたが、一握りのオーナードライバー向けに当初は毎号ワンメイクメーカー特集というマニアックな編集方針で創刊されたのがCG誌でした。
創刊当時既に私は生まれていて、家もクルマ(以前書いたマツダR360クーペ)がやって来た年でもあります。しかし父はカーマニアとはいかなかったので買ってくる自動車雑誌は主にモーターファン誌、時々モーターマガジン、月刊自家用車で、残念ながらCG誌はありませんでした。
モーターファン誌はクルマを数字数値だけで捕えるようなアカデミックな、メーカーの設計者や大学教授が参考にするような記事ばかりで、あまり読んで楽しいような誌面ではありませんでしたが、4歳くらいですでにカーマニアだった私は漢字は分からないので絵本代わりに読んでいました。
1976年頃から書店で続けていた立ち読みを止めて、私がCG誌を初めて購入したのは1981年10月号です。
CG誌の特徴は、初代編集長である現名誉編集長小林彰太郎氏のスタイルが反映された誌面にありました。
英語直訳をベースにクルマの持つ魅力をセンス良く表現するという他ではなかなか真似できない表現手法は、読者を捕まえて離さない魅力がありました。
また当時は、F1解説者熊倉重春氏、みんカラ+でもおなじみの吉田匠氏、評論家笹目二朗氏などが編集記者で面白い記事を書いていて大いに楽しめました。
18年以上連続で購入しましたが、2000年1月号で止めました。
止めた理由?それは元々ヨーロッパ車偏重で国産車に辛いことが極みに達して面白くなくなったこと、長期テストに国産車がほとんどなくなってしまったこと、F1を試乗した際のレポートが気に入らなかったことが原因です。
まあ最大の要因は、一冊があまりに重いので本棚に並べると家の床が傾いてしまうからです。普通なら笑うところですがこれは深刻な問題です。
今回買って読んでみるとまだまだ興味深い記事が多いので今でも連続して読みたいですが、最近は電子書籍もあるのでそこまでする必要もなくなってきました。
姉妹誌だったNAVI誌とSUPER CG誌もありましたが、共に休刊になってしまい淋しい話です。
自動車業界に逆風が吹き荒れる中更に60年70年と人気を維持できるか厳しいでしょうが、CG誌だけはがんばって継続してほしいと思います。
Posted at 2012/03/01 23:59:12 | |
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