ミニカーで語るシリーズ、童夢、AUDIと来て、今回はザイテックを語ろうかと。
というのも、イギリスのレーシングエンジンやパワートレーン、オープンプロトのレーシングカーを
開発、販売していたザイテックが倒産したようですね。
このザイテックという会社は、わたしの記憶が正しければJUDDエンジンのデストリビューター
として出てきたような気がするのですが、ご存知の方が居れば教えて頂きたいです。
いまいち日本に居ると、会社の名前として聞く事があっても、それ以上の情報が得られませんね。
英語が堪能であれば、もっと深堀り出来るんでしょうけど・・・。
最近では、レーシングエンジンや、レーシングカー用の汎用セミオートマ(パドルシフト一式)、
そして熱エネルギー回収、放電システムであるハイブリッドにも例えられるレーシングカー用の
KERSの開発、販売もしていました。
このKERSシステムは、日本のSGTとFポンでも導入するとか、何とかって言っていたし、
パドルシフトも童夢も使っていたし、Fポンもそうでしたっけ?
そして、さらに影響が大きいと思うのは、日産が昨年までSGTで使っていたVK45という
V8エンジンをルマンシリーズ等のLMP2用に販売する計画があり、そのデストリビューターが
ザイテックだったんですよね・・・。
日産はFIA-GTのGTRといい、このLMP2用のVK45といい、取り引き相手の経済状況を
見る目がないですね・・・。何だかなぁ・・・。
さて、そんなザイテックのレーシングカーですが、家にあるのは、この04Sになります。
このマシンなんですが、実は非常に複雑な歴史があるんですよね。

今ではザイテックと呼ばれている、このマシンですが、そもそもは市販レーシングカーの
コンストラクターとして有名な存在だったレイナードの最後のマシンだったんです。
そしてレイナードの破産後にDBAという名前になったり、ザイテックになったり、そして
クリエイションっていう名前になったり、1台のマシンなのに、わたしが知っているだけでも
4つの名前があるレーシングカーなんですね。
そして、最初のレイナードに続いて、最後のザイテックも倒産してしまったんですね・・・。
なんという不幸を呼ぶマシンなんでしょうw
でも、ローラはカッコ悪い、クラージュのLC75はモノコックの剛性が低すぎて話しにならん、
そんな事で、市販のオープンプロトの中では、魅力的な1台には違いありませんね。
このマシンは、そもそも今で言うLMP2というか、1つ下のカテゴリー用のマシンとして
開発されたものが、意外と良い成績で走ってしまい、上のクラスで参戦したような気がします。
この辺は、ポルシェのRSスパイダーと近い感じでしょうかね。
デザインを見てみると、特徴的なのは尻ですね。尻w
このマシンは本当に、お尻がセクシーな曲線美ってデザインなんですねー。
来年からのレギュでは後部から見える穴はふさがれる事になるし、最新の09Sでは後部の
オーバーハングの長さ規定で短く切り詰められているのが残念です。
このカウル上面のフラップとボディー内部からのアウトレットになっている部分の組み合わせが
非常に美しいマシンです。もし、わたしがオープンプロトをデザインできるとしたら、間違い無く
このザイテック04Sのデザインをコピーしますよ!
やっぱりレギュレーションがあるので仕方ないですが、ロングテールがプロトの魅力ですw
今回のザイテックの倒産で、このマシンの引き受け先はクリエイションになるんでしょうか?
それとも、クリエイションとザイテックは別の開発をしてたんでしょうかね?
メカクロームも倒産しましたし、レイナードもザイテックも倒産しました。
クラージュもオレカに買収されて、ペスカロロもOAKに買収されてしまいました。
欧州でレーシングカーコンストラクターとしての商売も成立していないんですから、
狭い島国日本でレースをやってるチームは大変でしょうし、童夢のコンストラクターとしての
収支も、ある程度は想像できますね。
なかなか、こんな厳しい世の中だと、モータスポーツへ流れる資金も少なくなってしまうのは
よく分かるのですが、途絶えてしまえば、次に始めるのは非常に大変です。
細く長くても、なんとか継続できる資金が流れて欲しいものです。
特に問題無く経営できてると思っていたザイテックが倒産するんでは、レースの世界は
相変わらず厳しい状況が続いているんですね。
しかし、こうなるとSGTとFポンのKERSも、どうするんでしょうねー。
どこか新しい買い取り先を探し出して継続して業務を続けるんでしょうか・・・。
もう契約して契約金を振り込んでない事を、お祈り致します。本当に。
これじゃあ、みのるたんに、ボロクソに言われちゃうよなぁw
そして、来年のルマンは・・・?日産エンジンの復帰、楽しみだったんですけどね・・・。