Ｆ１　メルセデスＷ０２発表！

本日の１台は、メルセデスＷ０２にしましょう！
マレーシア・ロータスのマシンは、まだ走行写真を
漁ってませんし。それに見所も少ないしｗ
そんなわけで、メルセデスＷ０２行きますよー！

このマシンを語るには、いまＦ１界には２人の、
変態エアロダイナミシストが居るのを、ご存知でしょうか？

１人は言うまでも無く超有名で、成績も抜群でどのチームも欲しがるビックネームでもある、
エイドリアン・ニューウェイですね。これは、Ｆ１好きなら知ってるという方も多いと思います。

そして、もう１人というのは・・・そうです、このＷ０２をデザインした、ロイック・ビゴワです。
もちろん、他にも素晴らしいエアロダイナミシストは居ると思うのですが、‘変態’という、
前置きが似合うのは、ニューウェイと、ビゴワぐらいかな～と思います。
ビゴワとは誰じゃい？という方の為に、どんなチームで、どんなマシンをデザインしてきたか
説明しますと、今は亡きフランスのリジェで経歴をスタートさせ、その後チームがプロストに
オーナーが変わり、その最初のマシンＡＰ０１で突如、才能を開花させたのでした。
しかしながら、変態としての才能が開花しただけでマシンの戦闘力はボロボロ、そして
翌年の、なで肩のサイドポンツーンにカナード装着という謎のマシンをデザインして、
あまりの成績に更迭され、ミナルディやウィリアムズを渡り歩いて、２００８年にホンダが
中本体制からロス・ブラウン体制へと変わるタイミングでホンダに加入したように記憶しています。

そして、ビゴワがエアロダイナミシストとしてデザインしたマシン、ＲＡ１０９もといＢＧＰ００１は、
色々な幸運が重なり、シーズン序盤の圧倒的な走りで、バトンのドライバーズと、
コンストラクターのダブルタイトルを獲得したウィニングマシンになったわけです。

しかしながら、ＢＧＰ００１がビゴワのマシンと言われても、いまいち‘ピン’と来なかったのも、
事実であり、これはロスがＦＷ１４のデザインで開眼したニューウェイとパトリック・ヘッドの
師弟関係のような（首輪とも言う）役割を担い、ビゴワの暴走を許さなかったからか？とも、
にらにらと見ていたのですが、今シーズンのＷ０２を見て確信しました。
ＢＧＰ００１はビゴワの仕事じゃない！！！と。なぜなら、ラインがキレイすぎるよ！
ビゴワのマシンは、見ればすぐ分かる個性の塊のようなマシンですからね。

長々と書いてみましたが、ではビゴワの代表的なマシンであるＡＰ０１を見てみましょう！


これが、変態を開眼したマシンです！！！
どうでしょう？９８年のマシンで、ここまでのハイノーズを採用したマシンは無かったと思います！
そして、このボディの、うねり感と言いますか、単純なラインを良しとしないポリシー、伝わりますか？
もっと良い写真が入手できれば良かったんですが・・・。


それでは前フリが長くなりましたが、今年のメルセデスＧＰのニューマシンＷ０２を見てみましょう！


どうでしょう？上のＡＰ０１を見た後にＷ０２を見ると、とても１３年も時間が流れたマシンとは
思えないどころか、既視感すら感じてしまいませんか？これぞ、ビゴワ・マジックです！！！
ハイノーズで、しかもノーズの上下幅が極めて薄いところなんて、そっくりというか瓜二つ！
そして、全体的なボディーワークも、ボコボコと、まともな常識のある人間が作成した、
ラインとは思えない変態デザイン！おまえは、有限要素の自動肉付けＣＡＤから出てきたのか！？
って感じの、でこぼこデザインです。いやぁ、まさかビゴワの作品に再会する日が来るとわｗ

どうせなら、インダクションポットも昨年の変態クリボー仕様なら、もっと良かったのにーｗ


では、次の写真に行きましょう！走行前、アンベール直後の１枚です。


フロントサスペンションアームのロアは、完全なゼロキールではないですね。
昨年のＷ０１から、ちょっと持ち上げすぎたアームを下げてみようかなっていうニュアンスの
デザインをしています。シングルキール程ではないですが、ザウバーとも違う感じです。
ただ、ＢＧＰ００１の素晴らしい点だと思われていたフロントサスとは程遠いですね。
ですがアッパーアームに後ろの留め点が低い位置になる新しいジオメトリーを採用していますね。

そして、サイドポットの後部へと視線を移していくと、これは強烈な消失系ローバックダウンですｗ
まあ、言ってみれば元祖ローバックダウンの後継マシンですから当然と言えば、当然です。


では、消失系ローバックダウンにズームしてみましょう！


ふむふむ、やっぱりプルロッドで攻めてきましたか。
この辺は、ギアボックス上部をコンパクトにしたい⇒従来のベルクランクを置きたくない
⇒プルロッドなら床下にトーションバーを置く事ができて省スペースになる
となれば、おのずとＲｅｄＢｕｌｌを模倣するのも納得です。というか、昨年のマルチディフューザーで
トーションバーというのは変態過ぎですよね。 さすがニューウェイ先生です。


最後に、ディフューザー上部から見る１枚でＷ０２を語るを〆ようと思います。


この写真は、なかなか素晴らしい写真だと思います！
リアのアッパーアームのピボット付近には極めて細身なギアボックスのみ！！！分かりやすいです。
そして、ブローディフューザーはフロアー上に、そのまま噴き出されるようですね。
そして、リアウィングの翼端板の間を高速な気流が流れて、というのが良くわかる１枚です。

こんな感じですが、マシンのカラーリングは黒い部分が減って昨年よりは好印象です。
でも、なんだかアースドリームを思い出してしまい、あれ？目から汗が・・・

カッコ良いか、悪いかと聞かれると、『好きですｗ』としか答えようの無いデザインですし、
いろんな意味で派手な１台ですが、シューマッハでもう一度、ドイツ国歌を聴きたいですね！