
いやはや、とんでもないマシンが登場しちゃいましたね。
期待はしていたものの、ここまで変態指数が高いとは!
まあ確かに、ウィットマーシュやハミルトンの新車MP4-26を公開する前のインタビューでは、
『他チームと、うちのマシンではコンセプトが違うようだ。形が違うもんねー』なんて言ってましたが、
まさか本当に、ここまでの違いがあるとはw
では、さっそく1枚目の写真を見てみましょう!
フロントタイヤまでは、いたって普通なデザインなんですけど、コックピットまで視線を
動かしていくと、そこには・・・
横転した!?って思えてしまうインテークがwww
いやー、マクラーレンは昨年からRedBullの追従はしないもんねー的なマシン作りで、
Fダクトを実戦導入したりとトレンドリーダーというには、もう一歩でしたが、さすが老舗という
マシン作りをしていましたが、まさか今年のマシンは、ここまで
変態マシンになるとはねー。
では、その注目のサイドポンツーンのインテークに接近してみましょう!
いやー、これは何が凄いって、サイドインパクトのクラッシュテストに合格してるのが凄いです。
近年のクラッシュテストは乗員安全性を高めるために、前突、後突、側突と厳しいテストがあり、
側突は厳しく、サイドポンツーンまでクラッシャブルストラクチャー(衝撃吸収部材)とする、
構造になっています。モノコックの形状が分かる写真は
こちらより。
昔はドライバーが納まる部分だけがモノコックタブでしたが、近年は↑のリンク先の写真のように
サイドポンツーンのインテーク付近まで一体成形で作られているんです。
そういう視点で見ても、エアロダイナミクスの追求の為に、サイドインパクトも合格するという
非常に難しいと思われる構造的な課題を克服したんだと思います、このMP4-26は。
エアロダイナミクス的な見方をすれば、08年までの妖怪のように空力付加物の付いた
マシンを思い出してみると、このコンセプトの目指すところは見えてくると思います。
言葉で説明するより、写真を見てみましょう。
↑の写真で言うところの‘LONGER DEFLECTOR’となっている部品です。
他のチームだと、サイドポンツーンの手前にポッドウィング、そしてラジエターを通過した高温の
排熱をおこなうチムニーとが、写真のマクラーレンの場合は一体化した部品になっていて、
サイドフェンスを形作ってボディ上面にエアーを流していました。
いまのレギュレーションでは後付けサイドフェンスを作れないので、それならボディーワークで
溝を作ってやんよ!!!これで、どうだ!!!って、声が聞こえてきそうですw
そうそうプロトタイプのレーシングカーなんかでも、おなじコンセプトになっています。
目的は、いかにリアウィングへフレッシュなエアーを届けるかという事だと思いますが、
09年から空力付加物の取り付けが禁止されて、ボディーワークに知恵を絞るよりも、
昨年までは、マルチディフューザーが認められていた事で、上面を重視するよりも、
手っ取り早くダウンフォースが得られていたんですが、そのディフューザーも禁止された事で、
今年のマクラーレンは、再び上面のエアフローに着目したんだって事だと思います。
その考察は、こちらのバックショットからの1枚で‘ピン’っと、来ましたw
この写真で注目すべきは、リアサスペンションアームのアッパー側です。
これ、もちろんアッパーアームですが、完全にリアウィングのロワービームと同じ高さで、
アッパーアームにも禁止されたウィング前のビームウィングと同じ効果を狙った形状に見えます。
上面の凹を流れてくるエアーもマシン中央へと集められてくるようなラインも見えますね。
サイドポットの下からもアンダカットというか、ダブルデッキに近い凹で成形されたトンネルで
ディフューザー上面へと流し込まれ、ドライバー脇からの上面の凹からも高速のエアーが・・・。
そして、もう1つ気になるのが、インダクションポッド後ろの2つ目のインテーク部分ですが、
これもリアウィング前へ排出されるRedBull式砲弾アウトレットから排出される、インナーボディを
通るエアーの流速を増す為に、なにか新しいギミックなんでしょうかね。
それとも、単純にKERSのインバーター等の冷却用なのか・・・。謎は深まりますねw
そんな感じでエアロダイナミクス的には非常に意欲的ですが、フロントサスペンションへと
視線を動かしてみると・・・

意外と、コンベンショナルなデザインになっています。
たびたび話題にしている、モノコックからタイヤを繋ぐサスペンションアームの角度を見てみても、
意外と水平に近く、ジオメトリー優先のフロントサスペンションを採用したのは、今シーズンの
マシンの中では、ザウバーとマクラーレンだけですね。
そしてザウバーとも違うのは、普通にゼロキールでも角度が付いていないということです。
それだけ、今シーズンのマシンの中ではハイノーズ化していないという事の証明でもあります。
素人考えでは、タイヤがブリジストンからピレリに変わる今年は、タイヤに起因して、
どんな事が起こるか分かりませんから、自由度を持っておくと対応の幅も増やせます。
そういう面では、ザウバーとマクラーレンは手堅いです。
なので、エアロは我が道開発を進めてきたマクラーレン。
ルノーのエキゾーストの取り回しに悶絶し、トロロッソのマシンを見て涎を垂らしてる間に、
今度はマクラーレンからねぇ。こんなマシンがw
もう、どうしろと言うんでしょう!近年稀に見る変態エアロマシンの当たり年で、嬉し泣きですw
あー、もう今シーズンの、いちばん楽しい時期は終わりつつあります・・・。
あとは惰性で、レースシーズンを追うだけです・・・。あ、違うか。レースがメインですよねw
今年は大混戦になるのか、どのマシンかがブッちぎるのか!?開幕戦が楽しみです!
あっそうだ、このエンケイのホイル、ピカピカでカッコ良いですね!!!
ザウバーのホイルと比べると・・・