
F1でチャンピオンになる。
偉大な
夢を
可能にする。
そう名付けられた日本の若者が居る。
日本人で、F1優勝に最も近づいた。
それは間違いない。
でもチャンピオンの夢は叶いそうにない。
今回のアブダビGPがF1ラストランだろう。
不本意だが、それが現実だ。
トヨタ時代の流れで有松マネージャーのザウバー時代、鈴鹿で表彰台に乗ったものの
翌年のシートがケータハムしか得られずに、有松マネとは喧嘩別れ。
ロータスへの加入が唯一残ったチャンスであり、ルノーワークスではなくなって資金難が
オープンになっていた為、資金持ち込みが必須で、可夢偉サポートの募金を実施するも、
ロータスのシートを得ることが出来ず、結果として浪人。
そしてザウバーに加入時にも関係したと言われているマリオ宮川氏と交渉に挑み、
フェラーリへアプローチしてWECのGTE参戦契約してスクーデリアに加入。
しかし2013シーズン中から下位チームでのF1復帰を反対したマリオ宮川氏と別れ、
F1速報編集長だった船田氏のマネージメントで、ケータハムに可夢偉サポートの1.8億円を
持ち込み、ケータハムからF1に復帰。
今シーズンの鈴鹿から、エリクソンが使い始めたフロントウィング。
これは可夢偉のフィードバックによりケルンのTMGの風洞を使って開発されたんですね。
スパからエンジンカウルのアップデートはありましたが、そのエンジンカウルだけでは
それほどのゲインは無く、そのフロントウィングを使って初めて機能するパッケージだそうで。
エリクソンと可夢偉のタイム差から想像するに1秒以上のゲインは確かに感じました。
TMG=トヨタのF1基地の残党ですから、実質トヨタのサポートもあったと見るべきです。
しかしチームの資金難によるオーナーの変更、そのゴタゴタに巻き込まれて、
チームメイトのエリクソンのマネーにより参戦を続けるという自転車操業のチームは、
エリクソンにのみ、アップデートパーツを使わせました。
というのは、エリクソンの年間スポンサーマネーは25億円ほどと言われていますが、
これを一括してチームに払ってしまうと、おかわりを要求されてしまう世界ですから、
レース毎に分割して支払いをしていたそうです。
しかしながら、チームが消滅の危機にあるわけで、エリクソンのマネーを前借してたと。
だからチームの活動資金を担っているエリクソンにプライオリティが移るのも当然です。
まあ、エリクソンのマネージメントは見事としか言いようが無いです。
そして、今回のアブダビGPではパッとした実績も無い、ケータハムの育成枠だった
スティーブンスが可夢偉のチームメイトとして参戦しましたが、TMG入魂のフロントウィングは
こちらのスティーブンスのマシンにのみ装着されていました。
予選中継がスタートして、最初に映ったマシンはNo46でスティーブンスのマシンでした。
このマシンが映った瞬間にフロントウィングのフラップを確認しましたが、やはりというか
4枚翼の新フロントウィングが・・・。そういう事なんですよね。
エリクソンに逃げられて、それを穴埋めする今回の参戦の財布はスティーブンスなんでしょう。
可夢偉、アブダビ参戦決定前はチームメイトと同等のパッケージが無いと参戦しないと
言っていたのに、今回はF1ドライバーとして最後のレースになる可能性が高いから、
F1ドライバーとして集大成のレースを見せる為に参戦を決めたという悲壮感漂う囲みの
インタビューのテキストがニュースサイトに出ていましたよね。
このコメントが出てくるからには、新フロントウィングが使えないというのは分かってたのかな。
いちおうエリクソンのマシンが使えるはずというコメントもありましたけどね。
そんな大きな財布を持っているチームメイト対して、可夢偉のマネージメントに関しては、
無能とかいろいろ言われていますね。
でも、無能、有能の以前に、交渉の弾である持ち込み資金が無いので、交渉のテーブルに
並ぶ事が出来ていないというのが今の状況なんでしょう。
有松マネージャーは、現金でシートを買ったと日本人ドライバーというレッテルを無くしたい、
という活動方針で、可夢偉自身も、ずっとそのスタイルにこだわっていました。
まあ実際、2012年にはフェラーリから2ndドライバー契約でのオファーはあったようですし、
タラレバは言ってもしょうがないですが、他にもチャンスがあったのは間違いないですね。
ですが、F1を取り巻く環境というのは本当に大きく変わってしまいました。
でもね、いまの日本企業には25億という現金を、ポンっと出す事は不可能でしょう。
いまをときめくテニスの錦織Kでさえ、スポンサーマネーはTOTAL20億と言われています。
あれだけWOWOWの加入者が増え、地上波が錦織色に染まって、やっと20億円です。
そもそも、モーターレーシングの最高峰のF1マシンに乗るために、お金を払うって
常識的に考えて一般的に受け入れられないでしょうw
錦織に対して、可夢偉の知名度は、まあいいとこ1/10でしょうか。
もうね、きっと日本人はF1に乗る日本人ドライバーを見るのは無理なんでしょう。
だって表彰台にまで乗る実力がある可夢偉が、頭を下げて募金してお金を集めるんですよ。
その募金でシートを買う。でも、買ったシートは最下位チームのセカンドシート。
2憶では可夢偉の実績があっても、そこが限界なんです。
正直言って、日本人枠でなければ可夢偉レベルのドライバーは何人も居ます。
そして彼らは可夢偉以上の金額の持ち込みをしてシートを確保しているんですね。
カムイサポートで20億以上集めようとすると、募金額を1桁多くしないとダメなんですw
これが現実なんです。ここが限界なんです。
いまのF1は性能が劣ったマシンで勝てるほど甘くないですね。
効率化の追求が、行き尽く所までいってしまい、すべてのマシンに起きる現象を
モニタリングして解析してしまい、勝つ為の方法は全て数値化されているんでしょう。
だから下位チームに可能性が無いのが決定的なのでスポンサーも集まらない。
そもそも、今のF1はいろいろ言われていますけど、下位チームをどうしたいのか?
TOP3チームが3台走らせて、全部で9台のマシンが争う光景が見たいですか?w
非常にシュールです。でも、来年のF1はそれに近い光景になりそうです。
枯れ木も山の賑わいということわざがあるように、下位チームもあってのレーシングです。
F1はワンメイクカテゴリーではないので、誰でも、どのチームでも勝てるという、
アメリカンドリームのようなカテゴリーではないですね。
(厳密にはワンメイクであっても、どのチームでも勝てるほど、甘くないのですが)
ですが、下位チームから若手はデビューしてステップアップするというピラミッドが
崩壊してしまっています。
でも、そのF1ピラミッドを崩壊させない為に、参戦している下位チームを分配金による
保護を手厚くするなど、方法はあったのかと思います。
バーニーは自己資金で参戦できないようなチームは不要と言いますが、F1の
ネームバリューも落ちてきて、それなのに前年までのV8エンジンからV6ターボの
新規定でエンジン負担金額が倍以上に膨らみ、そもそも下位チームはバジェットキャップ
という、予算上限が前提で参加してきたチームであり、この2チーム撤退の状況は
ある意味で予想の範囲かと思います。
本来ならトヨタのF1撤退とともにシートを失う所だったのが、ザウバーで走る機会を得て、
トップチームへの移籍の可能性を感じて、母国日本GPで初表彰台。
いい夢を見させてもらいました。
結局ザウバー時代にペレスのメキシコマネーの前に、プライオリティを奪われました。
そこで、ドライバーの腕だけではどうにもならないという壁を感じました。
それが全てなんです。いまのF1は腕があれば、どうにかなるものでは無いのです。
速くマシンを走らせるだけではない。持参金、それもドライバーの能力の1つなんです。
最後に、タラレバを言わせてもらうとしたら・・・
今年のRENAULTのPUが糞じゃなければ!!!
メルセデスのパワーユニットを積んだウィリアムスが今年は華麗に蘇りました。
そのようなビックウェーブにケータハムが乗れる可能性もあったと思うんです。
きっと可夢偉がケータハムで復帰を決めたのも、そんな蜘蛛の糸をも掴む気持ちだったのかと。
ですが、とんでもない貧乏くじでしたね・・・。
今後、日本人がF1に乗るとすれば、どこかの育成枠に滑り込むしかないですが、
市場が成熟した日本へのアピールというのは非常に厳しいですね。
人口が減少に移っているので、パイが大きな中国や発展途上の国へシフトするんでしょう。
誰のためにスポンサーする?何を目的にスポンサーする?
それが見えると現実を突きつけられます。
もうこうなれば、何を言ってもしょうがないね。
可夢偉のF1での最後の雄姿、見届けましょう!!!
頼むよケータハムCT05、RENAULTのパワーユニットであるRS34!!!
マシントラブルでリタイヤでコースサイドで立ち尽くす姿だけは見たくない!!!
せめて可夢偉にもチェッカーフラッグを!!!