
レースに全てを懸けられなかった、私の自分語り。
高校卒業後、自動車関係の学校へ進学して、
そこで富士フレッシュマンレースに何台もエントリーしてる
ガレージに丁稚奉公しておりました。
ちなみにその学校は、このマシンを走らせてました!
見慣れたXJR14のようですが、シルクカットのロゴではなく、サンテックになってるかと!
このマシンが走る過程も、いろいろ苦労があったと聞いていますw
まあ、あのトムウォーキンショー率いるTWR相手だったわけですからねー。
のちに日産もR390で、いいようにカモられるわけですが、その話を聞いてた私は、
あーなるだろうと思ってましたよw
さて、そんな学生時代に丁稚奉公した先の代表は、そのサンテックやHKSではGr.Aスタリオンに
携わり、服部尚貴や片山右京の友人であり、ムーンクラフトのF3000でテスト中に
事故死してしまった
村松栄紀と同級生という方で、レースと整備のイロハを指導して頂きました。
ちなみに
服部尚貴のヘルメットには引退まで『EIKI LIVES』と刻んでいたそうですし、
片山右京の
ロングインタビューでも彼の死でレースを引退しようと思ったと語っています。
そんな丁稚奉公時代は、金曜日の学校が終わったら、まずコンビニのバイトへ行って、
土曜の明け方に一旦帰宅してシャワーを浴びて身支度してガレージに向かってメンバーと一緒に、
富士スピードウェイへ行って予選日。現地ではガソリンを買いに行ったり、タイヤかす掃除、
車検の帯同など雑用をこなします。そしてピットで爆音に囲まれながら寝るw
そして、マシンにトラブルがあれば、土曜の夜に持って帰って朝までにエンジン載せ替えを
実施して寝ずに日曜の朝にスピードウェイに戻り、決勝レースをやって、勝てば戻って打ち上げ、
そして月曜は学校で死んだように寝るという生活をしてましたw
そんなわけで、私のレースを見る視点は裏方を意識してしまいます。
ピットウォールでサインボードを準備してストップウォッチ的には戻ってくるはずの、
自分の車が戻ってこない時の焦燥感。ドライバーがレブらせて壊したエンジンを朝まで寝ずに
載せ替えしたマシンだったりすると、自分の作業に何かミスがあったのでは・・・と、不安が
頭を駆け巡り、そしてクラッシュという情報が来て、虚無感に襲われるというw
そんなわけで、こないだのニュル24HでGAZOOレーシングのRCのリタイヤで涙を流す
メカニックの映像が中継でも映っていましたが、本当にあの気持ちは痛いほど分かります。
でも、会社員でこんな経験をさせてもらえるなんて、本当に羨ましいです!
素晴らしい経験ですよね。会社に連れて行ってもらえないので、私は自分でお金を出して
ニュルまで走りに行きましたからねw

レースはドライバーが花形ですが、それを支えるエンジニア、メカニックが居ないと
レーシングカーは走らないのですよね。なので、マシンを大切にするドライバーは尊敬するし、
何回も同じミスでマシンを壊すドライバーには、いい加減にしやがれという気持ちになりますw
そんなわけで同級生は、ル・ボーゼ、中嶋企画、チー国、アストニッシュなんかに居ましたが、
数年前にルボーゼのチーフをやっていた友人が引退して、もう現役には居ないのかな。
シーズンオフにしか休みが取れず、シーズンオフにはスポンサー次第で翌年の体制に
ヤキモキさせられるという、本当に全てをレースに捧げるつもりがないと、やれない世界です。
でも、何度も書きますが、そんなメカニックが居ないとレーシングカーは走りません!
それと同じで皆さんのマイカーもディーラのメカニックの整備があってこそ、安全に走るのです。
最近、自動車整備士のなり手が少ないとかいう記事を、あちこちで見かけますが、
当たり前です。とにかく、自動車整備という業種、世間の評価が低すぎます!
整備士は国家資格がないとできない職業なのに、その資格があって当たり前になっていて、
その資格手当なんて、有って無いようなもの。そして車好きでもディーラへ就職すれば、
改造は厳禁とかね。まあ、違法改造が厳禁なのは当たり前ですけど、好きだからこそ
いろいろ遊びたいかなと思うんですよね。
そんなわけで、整備士を冷遇してきた自動車業界、そしてレース業界の将来、心配です。
乗り手のドライバーの減少も問題ですが、整備するメカニックが居てこそなんですよ!
そんな学生時代を過ごしていたので就職は、当然レーシングチームで!と思っていたのですが、
GT選手権の前座で行われていたカローラ・スプリンター、ノーマルカップという、レビンの
ワンメイクレースに出走で訪れた富士スピードウェイで、同じく前座のF3で、横山崇選手の
死亡事故を目の前で目撃してしまいました。
ドライバーとメカニックと立場も違えば、クラスも違うので接点もなければ関係も無いのですが、
同じレースの空間を共有する、フェンスの内側に居る人間としてもの凄く衝撃を受けました。
その後、その世界で仕事としてやっていけるのか、生活の全てを捧げられるのかと葛藤して、
結局、ヘタレなやーまちゃんは某自動車メーカーへ就職しました。
まあ、レースの世界から逃げ出したわけです。
その後、入社して1年で入社した会社は倒産の危機が訪れてフランスから刺客が送り込まれて、
私は今の会社へと転籍することになりましたw
その会社で今も整備とは関係ないですが、自動車業界では上流工程の仕事をしてます。
まあ人生いろいろですが、レースの世界に身を投じる勇者、心の底から尊敬します。
そんな夢から逃げた会社員人生ですが、一瞬だけレーシングカーの部品に携わった事が
ありましたが、その事も忘れられない出来事です。
そのレーシングカーが富士スピードウェイでTS020に勝ったしね!
そこで、会社員やりながらも、こんなようにレースに携わる道があったのかと知りましたw
そんなTS020の系譜を継ぐTS050がルマンを走っているわけですが、非常に良い流れですね!
あぁ、目が離せない!!!感慨深い瞬間が、数時間後に訪れるのか!?
ポルシェ#1は残念でしたけど、#2とAUDI#8は、まだまだ圏内です!
やはりルマンは物量が非常に大きなウェイトを占める事の証明になってる今年のレース。
だからこそ、今年しかないぞ!!!速く強いマシンと戦って立つ表彰台、日の丸が見たい!