
やっぱり、カッコ良いなぁ、ニュルのWRX・・・
今回は少し寄り道です。
最近のブログ、リジッドマウントとソフトマウントの
2種類の締結方法の話をしています。
その違いを少し説明してみます!
リジッドマウントは直留めなので、ボルトとナットを使ってモノを固定する、イメージ通りです。
それに対して、ソフトマウントというのはゴムのブッシュを介してモノを固定する方法です。
1つめのブログで使った手描きのソフトマウントの断面構造です。
ソフトマウントはゴムに吊られていると書きましたが・・・水色の部分がゴムで重要です。
これを、もう少し深掘りしていこうと思います。
(リアのメンバーブッシュは本来トラクションのキモですが、今回はバッサリ切り捨てますw)
その吊っているゴムにどんな機能があるかというと・・・
ゴムの持つ特性の1つに、ヒステリシス特性というモノがあります。
ヒステリシス:抵抗によって、減荷時の荷重が加荷時を下回る現象
これは何を言ってるかというと、仮に10の力を加えた時に5しか戻って来ないという事です。
では、その5はどこに消えたかというと、抵抗によって別のエネルギーに変換されました。
これが、エネルギーの減衰という事です。
ゴムの場合、運動エネルギーは熱に変換されます。
なので、ソフトマウントのサブフレームの場合、サブフレームを動かしたエネルギーが、
ブッシュのゴム部で熱エネルギーに変換されて、サブフレームが元の位置に戻る時には、
エネルギーが小さくなるという事です。現象で言えば、振動が減ったという事です。
実際の車に置き換えると・・・
エンジンやミッション、デフなどの駆動系からの振動が非常に大きいです。
エンジンは爆発しているし、デフは内部が高速で回転しているので、振動の宝庫です。
その振動は直留めの場合、駆動系、サブフレームを経由して、室内に伝わって来てしまいます。
その室内に伝わって来た振動はドアなどの板厚の薄いパネルを振動させてしまうのです。
薄い板を振動させる・・・これはスピーカーと同じ原理なので、そりゃ音になりますw
それが、乗員を不快にさせる、こもり音であったり不快な音になります。
その振動というエネルギーを減衰させているのが、ゴムブッシュなんですね。
ゴムブッシュの大切さ、理解していただけたでしょうか?w
余談ですが・・・
そのエネルギーを減衰させるというのは、身近なサスペンション部品の中にもあります。
よく、減衰力調整機能付きの車高調に交換したぜ!なんて、言うと思いますw
その減衰力って、何だろうって思ってたりしないですか?
そんなの高校でやったろ!バカにすんな!って方は、ここから下は不要ですw
では、減衰とは、何かというと・・・
片側を固定して、片側におもりを付けたスプリングの、おもりを動かすと・・・
スプリングは、ずっと振幅を続けることになります。
これは、車体に固定されたスプリングがタイヤなどのサスペンションというマスを支えている、
という事の簡易モデルが↑の説明になります。
サスペンションで言うと、スプリングしかない場合は、段差を乗り越えると、ずっとふわふわと
振動が止まらないということになり、それでは乗ってる乗員は気分が悪くなってしまいますw
そこで、ショックアブソーバーというエネルギー減衰機構を取り付けたわけです。
ショックアブソーバーはスプリングにより伸ばされると(縮められると)、運動エネルギーを
熱エネルギーに変換して、入力されたエネルギーを小さくして出力するのです。
そうすることで、ふわふわと動き続けるスプリングの振幅を抑えるわけです。
そして、純正のショックアブソーバーは、アッパーマウントがゴムのソフトマウントになっています。
という事は、社外品の車高調、それもピロアッパーマウントに交換した場合、サスペンションの
振動がダイレクトに室内に伝わることになり、快適指数が悪化しているハズです。
まあ、その前にスプリングのレートも上がって、固有振動数がUPしてしまって、そんな
のは気にならないぐらい、乗り心地も悪化しているので、気にならないかもw
振動を減衰する。この仕組み、現代の自動車には、いろいろな場所に使われています。
ただし、バネだけではエネルギーを減衰させる事が出来ない。
(固有振動数がかち合った場合は除く)
そんな視点から、WRXのスプリングを眺めると・・・答えは見つかりませんwww
コメントでもエネルギーを減衰する機構なのではと頂いていますが、経路が見つからない。
そろそろ、限界かなw
あとは、いつの日か、GarageKさんが解決してくれると信じて・・・
過去のブログも写真等追加してますので、コメント含めて振り返ってもらえればw