
前編の復習から始ます
まず、目の前に1台ミニカーを用意しましょうw
目安の線を決めて、それを直進状態の進行方向とします。
そして、私の説明に合わせて動かしてみて下さいw
※そのために、まずはスリップアングルとかコーナーリングフォースは一旦置いといて・・・前編の説明を繰り返します。
では、今回の参考の画像はこちらの
サイトから。AUTOEXEの貴島ゼミナールです。
ある程度、車の旋回プロセスが分かってる方は、リンク先を読んだ方が有益ですw
ここからはヨーを理解しましょう。車の屋根を見下ろして回転する方向がヨーです。
車が直進状態から旋回するには、ドライバーがステアリングを操作する事が起点になります。
車のフロントタイヤがハンドルを切った方向に移動を始めて、その瞬間はまだ後輪は、
直進状態を維持しています。ミニカーは少しだけフロントタイヤを真横に押してみて下さい。
フロントが更に移動すると車がヨー軸で回転を始めます。これが自転です。
そしてさらに自転による角度が増えると、後輪が車の直進していた進行方向に対して、
現在変化中の角度との間に差が発生します(これがリアのスリップアングル)。
ミニカーのフロントを、もう少し真横に押します。
その差によりリアもハンドルを切った方向への運動が始まり、これの発生により、車は旋回、
公転が始まります。ミニカーを見ると、直進方向の目安にしていた線から見て、後輪の向き。
ハンドルが切れないリアタイヤなのに、結構な角度が付いてると思います。
その角度があるという事はリアタイヤも旋回を開始するので、ミニカーを回転してみましょうw
※これ以降の説明は、スリップアングルの言葉を復活させて説明します。
キモは車体がヨーによる回転が発生しないと、後輪の旋回運動がスタートしない。
イコール:スリップアングルが付かないという事です。
ココ大事ですよー。
リアのスリップアングルが付かないと、公転は始まらないのです。
そこで、もう一度、前輪が転舵する車の旋回のプロセスを。
①ハンドルを切る
②フロントタイヤの向きが変わりスリップアングルが発生する
③フロントタイヤにコーナリングフォースが発生する
④車体にスリップアングルが生じてヨーが発生する
⑤ヨーによって車体が回転してリアタイヤにもスリップアングルが発生する
⑥リアタイヤにコーナリングフォースが発生する
⑦前後のタイヤに発生したコーナリングフォースと遠心力が釣り合い安定した旋回に
フロントしか転舵しない車の場合、7つのプロセスを経て旋回=公転運動になると説明しました。
ここで、新型メガーヌを含む、後輪転舵に話を戻しまーす。
では、後輪転舵すると旋回のプロセスがどう変わるか見てみましょう。
①ハンドルを切る
②フロントタイヤの向きが変わりスリップアングルが発生する
③フロントタイヤにコーナリングフォースが発生する
⑤´リアタイヤの向きが変わりスリップアングルが発生する
⑥リアタイヤにコーナリングフォースが発生する
⑦前後のタイヤに発生したコーナリングフォースと遠心力が釣り合い安定した旋回に
何が違うかというと、④の車体の回転、ヨーの発生が消えましたね。
そして⑤が⑤´になり、ヨーによってスリップアングルを生じていた→タイヤの向きが変わって
スリップアングルの発生に変わりました。
そして、この順番だけでは見えず大きく変わったもの。
それは②と⑤´が同時に進行して、③と⑥も同時に進行、となります。
という事は・・・
①
②⑤´
③⑥
⑦
この4ステップのプロセスに変わったのが、後輪転舵、4WSという事になります。
もういちど、レスポンスの記事を思い出しましょう。
これはスタビリティとレスポンス向上を目的としている。「高速のレーンチェンジなどで、ヨーが発生してクルマが動くことを待たずに、ふっと動いてくれるので、誰でも気持ちの良いハンドリングを味わってもらえるだろう」と近棟氏。「ただいわれないとわからないかもしれない。そのぐらい自然な仕上がりだ」とも。
この長いブログを読んできた今読むと、
ヨーの発生を待たずに、ふっと動く・・・の意味が、
分かるようになったのではないでしょうか!
要は、後輪を転舵する事で、自動車の旋回プロセスを、すっ飛ばすことに成功したんです。
旋回する為に、7ステップ必要だったフロントのみ転舵する車に対して、4ステップで旋回が
完了してしまうのが、後輪転舵の車なんです。
んー、長いなー。ここまで理解できれば、ゴールはすぐそこですw
でも、このブログで旋回のプロセスの差は、だいたい理解してもらえたかと・・・
というわけで、まさかの3部作で次回は後編ですw
4WSって、結局の所どうなのよって感じでフィニッシュを迎えられたらと思います!