
2018年、最初のブログはF1ネタで。
ホンダと関係の切れたマクラーレンですが、いまだ
毎日のようにホンダの悪口言ってるようですね。
そしてネタも薄い時期なので、せっせと翻訳して
ホンダ叩きでアクセス数を稼ぎたいGATEって感じw
というわけで、まともなネタを提供するブログです!
それでは、まず昨年のマクラーレンホンダを振り返りましょう。
最初の問題は・・・
ウィンターテストを無駄にすることになった原因、オイルタンク形状の不備でしたね。
テストに持ち込んだら、タンク形状が悪くGによる偏りでオイルを吸えなくなるという・・・
そして次の問題は、横文字にするとオシレーション、振動問題です。
※振動を和英辞書で調べると、oscillateとvibrateになります。oscillateはオシロスコープの
語源で振幅、揺れるという感じ、vibrateは震えるという感じのようですw
これは、プレチャンバー(ジェットイグニション)を採用しましたが、ディーゼルエンジンに近い為、
構造上、振動は避けられない問題な気がします。
その振動問題を考えてみると・・・
まず、振動の何が問題かというと、振動が共振を生み制御が難しくなる事かと思います。
その共振とは、身近なところで何があるかというと、洗濯機でよく例えられますね。
脱水時、バランス良く脱水できている時は、スムーズにドラムが回転しています。
しかし、ドラムの振動数と洗濯機本体の固有振動数が重なってしまうと・・・
ガッタン、ガッタン!と増幅され、凄い振動になってしまうことがあるかと思います。
という事で、振動は消せないので固有値を調整して共振を避ける設計しかないですが・・・
でも残念ながらマクラーレンホンダのMCL32とRA617Hの組み合わせでコレが起きていたよう。
パワーユニットを起震源として、トランスミッションなどの駆動系で共振していた。
なので、ある回転数でシフトチェンジすると、ガッタン、ガッタンしてしまい、固有値が外れて
パワーバンドからも外れた低い回転数でのシフトチェンジを求められていたんです。
そして、シャシー側も非常にドラッギー。
優れたエアロというのはダウンフォースは大きくてもドラッグは低い。すなわち高効率。
ですが、マクラーレンのマシンはダウンフォースは大きいけど、ドラッグも大きい。
そんな効率の悪いエアロで抑え込まないと、サスペンションが仕事をしない。
エアロもダメなら、これまた残念なサスペンションだったと言われています。
上記は私の妄想ですが、プロの書くF1記事からも追ってみましょう。
このAUTOSPORTの、この記事とか。
【技術特集】ホンダPUは、なぜあれほどに壊れ続けたのか(5)
:振動問題でライバルが実施していた対策
それにしてもなぜホンダの技術陣は、このトラブルを予見できなかったのだろう。パワーユニットが車体に搭載され、さらにギヤボックスからドライブシャフト、サスペンション、タイヤに至るまでの駆動系すべてを組み合わせた状態でのF1マシンは、テストベンチでパワーユニットが固定されている時よりはるかに剛性が低い。さらにパワーユニットの振動による予想外の共鳴も、さまざまなパーツを組み合わせることで起こり得る。
それらを事前に予測して対策を立てるため、メルセデスやフェラーリ、レッドブル、そしてその後はルノーも、AVLと呼ばれるダイナミックベンチを導入した。ここではパワーユニットに駆動系が装着され、さらにシャシーに組み付けた状態で、テストが行われる。実走行での振動を、できるだけ忠実に再現するためだ。
まず、エンジンのテストベンチというと、どんな光景を思い浮かべるかというと・・・
これですよねー。
これは定盤の上で冶具を組んだベンチなので、定盤の剛性も加味されているという例です。
それに対して・・・動画を調べていると、こんな動画を見つけました。
ニュルブルクリンクの実走行を再現したエンジン負荷、そして横G、縦Gも再現してるみたい。
ただ、これも駆動系まで組み込まれてるようには見えませんね。でも、10年前の動画です。
となると、いまはもっと、大幅に進化してるんであろうというのが想像できます。
この設備があるのがAVLなんです。
こんな設備を持ち、ホンダの昨年を振り返る記事に出てくる、AVL(エイヴィエル)という会社。
エンジンの開発を丸ごと請け負ったり、実験、設計のエンジニアリング会社みたいですね。
いまは風洞の稼働時間は厳しく管理されていて、実走行もほぼ禁止されている昨今、
シャシーの開発はどのようにやっているかというと、7ポストリグという路面を再現する設備。
この設備がとっても重要になります。
この動画は再生ボタン押したら、1:00ぐらいまで飛んでください!
これは何をやっているかというと、実走行でサスペンションの動きをセンシングして、その
サスペンションへの入力を油圧シリンダーで再現してマシンを加振しているのです。
ただ闇雲に揺すってるのではなく、ニュルなり鈴鹿なり、実測データからの加振データです。
何の為にマシンを揺らすんだ?と、お思いの方。おすすめの動画がありますw
GarageKさんのブログで紹介されていた、この動画。まじでオススメです。
この動画は再生ボタンを押したら、2:40までワープして下さい!
117クーペの後部がボヨン、ボヨンしていると思いますw
この117クーペが、ボヨン、ボヨンしてしまっているのは、ショックアブソーバー無しで、
スプリングのみで走行しているからなんですが、ショックが抜けてる状態とも言えます。
これを見進めていくと、ショックアブソーバーを取り付けて・・・揺れが収まりました!
(この動画は本当に素晴らしいです!こんなに分かりやすい動画、そうそう無いです!)
この動画は実走行で実験していますが、この波状路の走行状態を台上で再現するのが、
7ポストリグという実験設備になります。
本当は4ポストリグが加振で、7ポストリグのプラス3はヒーブ(車高変化)、ヨー、ロールの
測定も加えるという違いがあるのですが、ここでは分かりやすくするため、省略します。
(希望があれば、また次回にでもw)
セブンポストリグを勉強したい方はこちら!
チームルマンのHPです。
セブンポストリグで出来る事・・・
走行状態を台上で再現できれば、どれぐらいのショックアブソーバーの減衰力にするか、
実走行することなく、決定することができるのです。(←超簡単に要約したw)
GaragKさんが紹介してくれた動画でいえば、ビシっとボヨン、ボヨンを抑えられるのです。
そんなセッティングが実走行無しで台上だけで出来てしまうとは素晴らしいですよね。
レースでも持ち込みセッティングの精度がレースの勝敗を分ける時代です。
そんな持ち込みセットを決めるのは、過去の実走データとセブンポストリグなんですね。
そして、R35のGTRの開発で、ニュルブルクリンクまで出掛けて行って開発していました。
しかし、現在は最後の確認はやはりニュルでタイムアタックとやっていますが、その過程の
開発は日本で代替できるとインタビューで答えている記事がありましたが、こういう事です。
では逆に、そんなポストリグで何が出来ないかというと・・・
前後左右に実際に車が動くわけではないので、Gの再現、タイヤ接地点の動きは再現不可。
まあ、そりゃそうですね。台上なので。
しかしです。
そういえば、数年前にRedBullが凄い室内設備で実走テスト禁止に違反してる?
なんて報道があったのを思い出しました。
F1通信の記事です。
レッドブル、AVLで秘密テストか: 違法テストの報道
ドイツ紙 "Bild" がレッドッブル・チームがオーストリアのグラーツにあるAVL社のローリングロード施設で屋内テストを実施したと報じたのを受け、レッドブルの秘密テストの報道が登場し始めている。
シーズン前最後のバーレーン・テストとオーストラリアでの開幕戦の間に、レッドブルのエンジン・サプライヤー、ルノーも含めた6日間のテストが、実施されたと報じられている。
※ローリングロード施設→ムービングベルトの風洞のようで、そんなのは目新しくないので、
このニュースも的確には伝えていない気がする。
これ、ニュルを走行再現エンジンベンチもAVLで、セブンポストリグなんてどこにでもある。
って考えると、このRedBullが違反したと言われる秘密テスト・・・この設備の合体版があっても、
おかしくないんじゃないかと、妄想してしまいますね!!!
ただ、トップシークレットなのか、私のインターネッツの使いこなしの問題なのか、いくら検索を
しても、そのような施設の写真は発見することが出来ず・・・
とりあえず、RedBullの
サイトから
これを見る限り、そこまで未来設備ではないですが、AVLの設備なのは間違いないです。
そして、エンジン単体のベンチという感じはしませんね。モノコックも見えるし。(写真の下半分)
ここから、また妄想です。
こんなセブンポストリグで旋回、加減速Gも再現する実験設備があるとしたら・・・
実際に走ってみたら固有値が被って共振して走れないなんて情けない事にはなりませんね。
台上で、そんな問題は潰したうえで、ウインターテストを迎えられると思います。
いまのマクラーレンを見ていると、ホンダ搭載の前は2014年にメルセデスのエンジンでした。
※ホンダのせいでスポンサーに逃げられたって言いますが、メルセデスエンジン搭載していた、
2014年には、もうスポンサーロゴの代わりにMP4-29のロゴをデカデカと掲げてますねw
おかしいなぁ、ザクブラウンの言ってること、なんか実感と合わないんだよねーw

ここ数年のマクラーレンとホンダ、本当に密に共同開発ができていたのか怪しいですね。
マクラーレン側から一方的に、条件提示が行われていたような雰囲気を長谷川さんの
発言から、私は感じました。
もし、エンジンの振動に関する条件も、メルセデス時代の経験値から求めた条件を、
ホンダに提示していたとしたら・・・おなじジェットイグニションの点火燃焼のルノーエンジンでも、
マクラーレンはオシレーションで苦しんでしまうのではないかと思います。
トランスミッションをマクラーレンで内製する限り・・・
マクラーレンがジェットイグニションを理解してないから、そして実走でしか確かめる術を
持っていないから、2017年のマクラーレンホンダの惨状があったのでは。
というのが今回の妄想です。
しかし、今年からホンダエンジンを搭載するトロロッソは、RedBullと同じAVLの設備を、
使っているという記事もありました。
そして、トランスミッションもRedBullテクノロジーが全面監修で製造されるそうです。
となれば、昨年のウィンターテストのような情けない事にはならないはず・・・
期待が膨らみますね!!!
優勝争いとは言わないので、こんな表彰台争いになって欲しいなーw
もちろんトロロッソホンダが前でフィニッシュですよ!w
というわけで、本年もよろしくお願い致します。