昨日掲載した
E90 D.I.Y.コーディング その10 : 実践篇(ワンタッチウインカー回数変更)
の改訂版です。
NCS Dummyにはパラメーターを追加する機能があり、非常に便利ですので、それを使ってワンタッチウインカーの回数をデフォルトで1回か3回かを選択する選択肢に、Dummy上で4回も選択できるように追加しました。
選択肢はあくまでNCS Dummy上ので選択肢で、iDriveでは4回の選択肢は出てきませんのでご注意ください。
1 まず、前回同様最終的にSP-DATENを書き換えるので、書き換え前のDATENを保存しておきましょう。
書き換えるDATENは、「Cドライブ」の「NCSEXPER」の「DATEN」のなかの「E89」にあります。
② 私は下記のようなフォルダを作って、E89をコピーして、保存フォルダの中にペーストしました。
③ つぎにNCS Dummyを起動させ、「Chassis」を選択する。今回はE89です。
④ 次に、「FSW/PSW or Nettodata trace 1」で吸い出して保存しておいたFRMのデータ(NETTADAT.TRC)を選択する。

コレを選択しただけだと、「Module」の部分は空白です。
⑤ 「Module」の横の「Filter」の「Filter Modules by Trace File...」をクリックして「Filter」をクリック。
⑥ Filterをかけると、モジュールの一致率が出ます。
FRM3_E89.C32(100.0%) と FRM3_E89.C31(98.3%)があるので、FRM3_E89.C32を選択する。
⑦ ついで「Filter」の中の「Filter Modules by Keyword...」をクリックして、「MIND_ANZ_ZYKL_BLK」で検索をかける。
⑧ 検索をかけると、2個目に
MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK - ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY
と出る。

全部で4個、同じような名称の項目が出てくる。コレが今回の目的の項目です。
⑨ 次に「FSW/PSW or Nettodata trace1」に出ている項目をクリアする。
クリアは隣の「Browse...」の「Clear」をクリックしてトレースデータをいったんクリアする。
⑩ では、DATENの書き換えです。今回書き換えるのは、FRM3_E89.C32」です。
⑪ 「Filter」の「Filter Modules by Keyword...」をクリックする。今の時点でトレースデータはクリアされているので、その下の「Filter Modules by Trace File...」は選択できないはずです。
⑫ キーワードは、「MIND_ANZ_ZYKL_BLK」です。
⑬ 検索をかけると2項目目に下記が出てきます。
MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK - ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY
ので、この文字列の上で右クリックして「Add Parameter」を選択する。
⑭ 自動的にアドレスなどが入力されたパラメーターが追加される。
パラメーター名はデフォルトで「new_parameter」となるので、変更してもそのままでもOK。
Dataは今回は「04」とする。04と入力するとその横の「Value」が自動で「4 times」となる。

ためしに01から順に入力してゆくと、07までは隣のValueは表示されますが、08から?となります。
よって、プログラムで、7回までしか指定できないようです。
同様に他の3つもパラメーターを追加して、Dataを04とする。
ひとつのモジュール内で、2つパラメーターは追加できませんでした。エラーが出たら、消したい2個目のパラメーターを右クリックして、「Delete Parameter」をクリックして消してください。
反対に、一個目の追加パラメーターは、Deleteできませんでした。
最終的には下記の項目にパラメーターを追加し、希望の回数を入力。
①DEF_ZYKL_TIPP_BLK_CKM - DEFAULT CAR/KEY MEMORY FOR ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY [BLINKCOUNT=DATA]
②UNP_ZYKL_TIPP_BLK_CKM - UNPERSONALIZED CAR/KEY MEMORY FOR ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY [BLINKCOUNT=DATA]
③MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK - ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY [BLINKCOUNT=DATA]
④MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK_1 - CAR/KEY MEMORY 1 FOR ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY [BLINKCOUNT=DATA]
⑤MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK_2 - CAR/KEY MEMORY 2 FOR ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY [BLINKCOUNT=DATA]
⑥MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK_3 - CAR/KEY MEMORY 3 FOR ONE-TOUCH TURN SIGNAL FUNCTIONALITY [BLINKCOUNT=DATA]
う~n、この全部の変更が必要なのだろうか?まあ、結果往来です。
⑮ 最後に「Module Functions」の「Update Module...」をクリックしてDATENを書き変えてください。
⑯ 続いて、「FSW/PSW or Nettodata trace 1」に、吸い出して保存していたFRMデータ(NETTADAT.TRC)を選択(読み込ませる)してください。
⑰ 「Filter」の「Filter Modules by Keyword...」で「MIND_ANZ_ZYKL_TIPP_BLK」を入力して、検索をかける。
⑱ new_parameter(この名称はデフォルトの名称で、変更した場合は変更した名称)が出てくる。
コレにチェックを入れる。
念のため、下に出てくるのこパラメーターの内容を確認しておく。

他の3個も同様に、変更する項目(4回)にチェックを入れる。
⑲ 「Export FSW/PSW」の「Export FSW_PSW.MAN」をクリックすると、NCS Expertの「WORK」フォルダに自動でMANファイルが出力される。
後は、このデータを、NCS Expertで車両に書き込めば、ワンタッチウインカーは4回に変更される。
ちなみに、このコーディングは、iDriveのライト関係の、ワンタッチウインカーの回数を変更すると、元の1回に戻ってしまいます。
このコーディングは自車で確認できています。
この方法は、NCS Expertの中のDATEN自体(今回はFRM3_E89.C32)が書き換わっていますので、戻したいときは、保存しておいたDATENを上書き(全部でも良いし、書き換えたFRM3_E89.C32だけでも良いです)したら、元に戻せます。
次回は同様の方法で、ナビロック解除の方法をお示しします。