• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2011年09月07日

【試乗五選・第39号】 兄弟別れした、カムリとビスタ!

 今日の五選

9・79・68・319・69・7

 1982年発売の初代ビスタ・2代目カムリ(V10系)で、トヨタ車で初めて本格的なエンジン横置きFFレイアウトを持ったセダンとしてデビューし、後輪に行動シャフトが通らないことによる後席足元の広さを武器に、一クラス上のマークⅡやクラウンを凌ぐ居住空間を実現し、94年発売のV40系までの間カムリとビスタは兄弟関係にありました。

 そしてこのV40系のモデルサイクルを待たずに北米サイズのカムリ・グラシアがデビューし、以後V50系ではカムリは存在せず、ビスタは独自の道を歩みます。

 そして、カムリは北米仕様を基本とした3ナンバーセダンとしての道を歩むのですが、本来日本国内の市場から生まれたモデルではないだけに、長きに渡り販売面で苦戦を強いられ、カムリのブランドそのものの存在意義が危ぶまれる状況になりました。

 そこでこの度FMCしたカムリでは、ハイブリッドカー信仰が強い日本人の心理に訴える手段として、通常のガソリン車をラインナップから外し、ハイブリッド専用車としての位置づけとなったのです。

’99 トヨタ ビスタ セダン N200 Lセレクション 4速コラムAT(29.4)


 正に「初代ビスタのスピリッツよ、もう一度」と言わんばかりの、実用性・居住性に的を絞ったパッケージングです。

 まるで、かつてのVWヴェントを絶賛した福野礼一郎氏のパッケージング論で設計したかのような形で、一般ユーザーからするとズングリしたカッコ悪いデザインで、故に販売面で苦戦して売れたのは主にワゴンのアルデオだったわけですが、20世紀末に出た奇跡のトヨタ車の1台であることは確かです。

 前回ワゴンのアルデオを紹介したのですが、セダンで試乗してみて改めて背が高くて着座位置の高い運転環境がいかに心地良いか・快適かを実感しました。

 例えパワートレインが典型的トヨタ車であっても、ビスタの価値が然程低下しないと思ったほどです。(おそらく、1.8Lの方がより魅力的かもしれないと思われます。)

 ここでは稚拙なハンドリング論も意味を持たない程です。(それでも、油圧制御のパワステで最新型にはない自然さは加点要素です。)

 ただ理想を言えば、後席背もたれはまだ寝かせ気味で、その部分ではE30・W201の理想には及ばないところではありますが、ルーフを後席頭上まで伸ばしたデザインで、正に後席に配慮した居住空間設計だったと言えます。

 確かに、マニュアルシフトがしにくいコラムシフトや、当たりが柔らかめでコシがないシートは気になる要素ではありましたが、その部分では前期のSセレクションならステアシフトが付いてくるので、これを駆使することである程度対処出来る部分です。

 見た目は確かにスタイリッシュとは言い難いですが、実用に徹したカッコ良さがそこにはあり、トヨタ車において「ダサかっこいいクルマ」の1台に認定したいと思います。^^


 トヨタ カムリ ハイブリッド レザーパッケージ 電気式無段変速(380)


 おそらくこの新型が売れなかったら、これが日本国内では最後になるかもしれない…。

 そんな背水の陣な中での、今回の新型発表だったのでは…と思います。

 これまでの所帯染みたファミリーカーのイメージを払拭し、内装色は黒一色でスポーティーなピアノブラックでパネルを貼ったものとし、外観は一見FFのマークXに見えるスタイリッシュなものへと変更されました。

 それで今回ハイブリッドのみの設定としたわけですが、確かにプリウスやサイよりかは真っ当なセダンらしく車両感覚の掴みやすい内外装デザインで、その意味では罰ゲームモノではなくなった、という部分ではプリウスαと共に評価出来るポイントではあります。

 ただ、所詮は北米では低価格な中級セダンという素性に変わりはなく、標準グレード以外に付く17インチの立派なタイヤを履きこなしているようには思えない、荒れた路面での脚の追従の悪さが目立ち、コストダウンされたと思われるコシのないシートとの組み合わせなため、その振動が身体に響く印象が残りました。

 一見全高が1.5m弱あって十分に広い居住空間があるように見えるのですが、足元の広さを稼ぐために後席位置が後方に下がり、結果的に寝そべり気味な背もたれに身を預けると頭上はガラスになってしまっています。

 ただV10系の名残があるとしたら、後席に駆動シャフトが通ると思われるトンネルが存在せず、このことから今後とも四駆の設定がなされないのでは…と思わせる部分です。(その分後席足元は広々となり、この度から後席中央からもエアコンの吹き出し口が付くようになりました。)

 通常走行だとそれなりにスピードコントロールしやすいハイブリッドシステムですが、DレンジとBレンジのみしか持たず、ここ一番で加速が欲しい場面ではアクセルをガバっと踏み込むしかなく、その時にパワートレインのエコ制御からの変更時のタイムラグが生じてしまっていました。

 結論としては、どうしてもカムリを応援したいのであれば買われても構わないとは思いますが、「うちはトヨタ系だから…」という方でもデューオでVWも扱ってる関係もあるだけに、いっそのことパサートにでもなさったほうが、シート本体も頑丈で十分に実燃費が良くてエンジンパワーを引き出しやすいDSGが付いて、遥かにお得に思うのですが、いかがでしょうか?

ブログ一覧 | トヨタ | クルマ
Posted at 2011/09/07 18:27:28

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

今日は火曜日(陳 珍小👲)
u-pomさん

MR2復帰
KP47さん

お役御免
ハルアさん

志賀草津雪壁ツアー2025 DAY1
福田屋さん

ネヤガワゴマジェットカフェカレー
ぶたぐるまさん

タイヤ交換見積もり
ひで777 B5さん

この記事へのコメント

2011年9月7日 19:29
かつて我が家にビスタ(20系 ハードトップ1800VR後期型)があった事もあって、ビスタ(&カムリ)というクルマには今だに興味を持っています。

ビスタは初代となる10系では横置きエンジンのFFを生かしたパッケージングのクルマでしたが、20系となると「プチ・マークⅡ」的な存在のクルマになりましたね。スタイルもマークⅡクリソツだし、王朝風な内装まで…

でもこの頃がビスタ&カムリにとって華だったんじゃないかなと思います。

ただ、「プアマンズ・マークⅡ」というよりは、いかにもハイソカーでチャラチャラしたイメージのマークⅡを敬遠する層が選ぶという感じだったかもしれません。キャッチコピーも「インテリジェント・ハードトップ」だったし…

こうした作戦からかハードトップはかなり売れましたが、その反面セダンが売れなくなっていて、トヨタとしてもこれはマズかったと思ったんでしょうね。40系になってからはカムリはともかく、ビスタセダンは「αX」のモノグレードにして「ツーリングセダン」を謳い、ハードトップではOP設定だったエアバッグを全車標準にしました。


そんな過去をリセットし直したのが最後のビスタである50系ですね。スタイルはおいといてコンセプトはごく真っ当なものだと思います。

しかし結局ビスタは店名と共に消え去り、アベンシスがその後継となったんでしょうが、いずれにせよトヨタ流のヒエラルキーはもう過去のものになったんですね。


今モデルチェンジしたカムリはワールドメジャーとしての道を歩み始めて久しいですが、「せめて日本でも今後とも販売を…」と思うのは私だけじゃないと思います。

私は昨日、メーカーにカタログ請求しましたが、1次発行分は無くなってしまったみたいです。それだけ注目度は高いみたいですが、カタログを取り寄せる人が全員カムリを買うワケじゃないし、なんか複雑な気分ですね。
コメントへの返答
2011年9月8日 19:26
 カムリのカタログの件ですが、同じような現象はFDのスピリッツシリーズの最終モデルの時にもありましたが、カムリはこれからしばらく生産する車種なだけに、一過性のものに過ぎないと思いますので、近いうちに沈静化して普通にカタログが配布出来る状態にはなるに違いないので、然程心配することでもないかと…。

 もし今回のハイブリッド戦略でカムリが失敗して、尚且つブランドを存続させるとなると、次期カローラがヴィッツベースになるであろうことから、プレミオ・アリオンと3兄弟で5ナンバーサイズ回帰、という路線が可能性としてはありそうですけどね。^^;

プロフィール

「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

リンク・クリップ

「俺のカー・オブ・ザ・イヤー2015」 はどのクルマ!? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/12/09 06:32:24
【 ムフロンの五選 ・ 厳選6号車 ・ 2合目 】積んで積んで走って走れ!  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/21 21:45:37
五選の途中経過 ~ ドライビングプレジャーを求めて、MTロードスターvsAGSアルト♪ ~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/06/12 00:28:36

愛車一覧

ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
ダイハツ ミラ 和製JCW仕様(笑) (ダイハツ ミラ)
絶品のサスペンションで、下手な普通車よりもスタビリティーの高い脚に定評のL900ミラ。 ...
三菱 ミニキャブトラック 土屋軽市@41T (三菱 ミニキャブトラック)
 2017年6月末の、クラコンシリーズ生産終了に伴い、小型FR絶滅の危機が迫る。  そ ...
ダイハツ ムーヴ 神ってる!史上最高のムーヴ♪ (ダイハツ ムーヴ)
 WA32セフィーロワゴンに代わる、長距離用の伴侶を探してる間に、遂に出会った名車の予感 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation