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2019年10月02日

スロットル軸連結式レバー① ― 利点と問題点 ―

スロットル軸連結式レバー① ― 利点と問題点 ―









.

ユーノス用を含め、たいていのWEBER / SOLEX等キャブレター コンバージョンキット、

アクセルペダル~スロットル スピンドル間の作動経路は・・・


アクセルペダル→アクセルワイヤ→キャブ側(本体とは別の作動軸上の)プーリー(販売名 扇レバー)

→プッシュ/プルロッド→(キャブ本体)スロットルコントロールレバー

という作動経路を持ち、

キャブレター一基ごとに、プッシュ/プルロッド→コントロールレバーを作動させるタイプがほとんどのようです。


下の写真は、当方入手時のキャブレター周りの様子。

左端から伸びたアクセルワイヤが、ストラットタワーバーの陰にあるプーリーを引くと、

プーリーと同軸作動の青い一時側レバーがロッドを押し(2対)、

スロットル軸のレバー(二次側)を介して、スロットルを開きます。

alt


当方が慣れ親しんだ二輪の場合、気筒毎のキャブレターを持つこともありますが、

各気筒が独立した形式(単気筒やV型・フラット二気筒)を除けば、

二基以上並列する場合、スロットル作動軸は連結されているのが一般的です。

(作動は連動させても、当然個別に最少開度(停止位置)を調整できます)


    ◇    ◇    ◇


【スロットル作動軸連結、想定されるメリット】

スロットル作動軸が連結されている場合、一旦キャブレター間の同調をとっておけば、

気温・気圧の変動などに応じてスロットルストップスクリューでアイドル調整をする場合など、

各キャブレターごとに個別のストップスクリュー調整をする必要がない

という大きなメリットがあります。


DCOEやデロルトDHLAを純正装着するアルファロメオやロータス、

国産のソレックスPHH 純正2連装車両においても、スロットル作動軸は連結され、

同調の狂いを少なくし、調整の手間を軽減する狙いがあるものと思われます。



【スロットル作動軸連結、想定されるデメリット】

プッシュ/プルロッドや作動レバーは一組で二基分のスプリング反力を受けるため、

ロッドエンド(ボールジョイントやピローボール)の消耗が早い可能性があります。


四気筒のうち、2番―3番シリンダー間のロッド/レバーが、

それぞれ一基ずつのキャブを作動させる程度なら問題ないと思われますが、

三基以上連結の場合のように、スピンドル端の一対のロッド/スロットルレバーで二基以上作動させる場合など、

リターンスプリングの反力を、連結された側含めた二基分以上受けることから、

レバー付け根部分のスピンドルの捩れ・嵌めあい部のヘタリを招きやすい可能性があるように思われます。

(当方調査では三連装を一本のロッドで作動させているのは、恐らく出荷時のトヨタ2000GTのみ)


この箇所は文章で表すと、非常に理解しづらく、

読んでくださる皆様、経験の無い場合ほとんど理解不能ではないかとお察しします。


    ◇    ◇    ◇


ブリッピングの際、ずらり並んだロッドが作動している様は、正に壮観ですが、

同調をとったとしても、アイドル調整のたびに調整し直す必要がある、ということは、

個別の調整を繰り返すうちに、同調が徐々にずれてくる可能性も高いと考えられるので、

元来同じ作業を繰り返すことが苦痛な性分ゆえ(笑)

アイドル調整・再同調の労力を減らすべく、ロッドは一本化し、

二基のスロットル作動軸を連結して使うことにしました。


    ◇    ◇    ◇


WEBERの場合、オプション部品も豊富で、

Web経由にて作動軸連結式レバーも容易に入手できます。


入手したレバーは、スピンドルに差し込む穴(長方形)がやや小さめだったので、

ヤスリで少し削って合わせましたが、装着時にガタがあると同調がとれなくなるため、

あえて穴を小さめにして出荷しているのかもしれません。


連結式レバーを装着したところです。

(青かった一次側レバーは、アルマイトを落としてアルミ地にしました)

写真上方、インマニ先端の青い舌のような部分は、

ご記憶の方も少ないと思いますが(笑)、

シリンダーヘッド側のインジェクターノズル噴射部分のくぼみを塞ぐ自作プレートです。


alt


二基の間に見える、ばねが組み込まれたねじがある部分がそれです。

このねじを締めこむと、連結された側のスロットルが開く方向に位相します。


****************************************************


【組み付けてから気付いた問題点】

alt


◆画像中央、黒く対になったロッドエンドが付いているのがプッシュ/プルロッドですが、

 アクセルペダルを踏みこむと、ロッドは下方向に移動しまして、

 同調調整スクリュー(黄色の丸部分)の頭に当たることが判明しました。。。

 ちなみに全開時には、ロッドに押されるスロットル調整レバー(丸印のすぐ左側)は

 ほぼ真下を向きます。

 連結式レバー、キャブレター下側から作動させる前提の造りのようです。


二基連結した場合、マニホールドへの組み付けが非常にやりにくい。

 当方の場合、支柱を取り付けるため作製した連結金具を仮組みし、

 およその整列を確認して固定することで、比較的スムーズに組み付けることができました。


◆一つ上の写真でも、インマニ2-3気筒間の連結部材は削って逃げを作ってあったのですが、

 あらためて検証してみると、レバー調整ねじを締めこんだ際、

 向こう側に突き出す部分が干渉するので、インマニ側を再度大きめに削る必要があります。


    ◇    ◇    ◇


【思いついた対策】

A. 二本ロッド作動に戻す ・・・・・・ 万策尽きた際はやむを得ません。

B. 長いロッドを、同調調整スクリューを避ける形(くの字またはコの字型)に曲げて使う。 

  ・・・・・・一番手軽に試せるが、見た目が悪い。作動に際し、しなってツキが遅れる恐れあり。

C. レバーを干渉しないところまで延長する(約1cm+α)

  ・・・・・・レバーへの穴あけと延長ピース作製が必要だが、最も確実な方法と思われる。

D. スロットルレバーのボールジョイントを取り外し、裏側(写真向かって左側)にピローボール(M5)を超低頭ボルトで取り付ける。その場合、向かって左側のキャブとのクリアランスは約1mm程度のはず。

E.. ボールジョイントの代わりに、同サイズのクレビスピンで連結する。

  ・・・・・・左右スペースをとらないのがメリット。

 レバーに残る穴と、クレビスピンの連結ピンの径・スラストすき間の適合要確認。

 場合によりシムやブッシュで要調整。


    ◇    ◇    ◇  


手軽なB案を手始めに試してみたいところですが、長いロッドを試作する素材、

M5規格の寸切りボルト(ねじ部のみの長いボルト)が市内のホームセンターでは入手できず。。。

プロ向け資材を扱う大型店と、日用雑貨品中心の小規模店に二極化されつつあるようで、

当方の近くの店は、専ら後者ばかりなのが残念なところです。


やむなく(例によって)産業系通販サイトMで検索したところ、

M5寸切りボルト、M5正ねじ(メス)ピローボール、さらにはM5サイズのクレビスピンを見つけ、

全て合計しても1000円+α程度、即注文(入荷待ち)。

高額でない限り次善の策を試せるように、ひと通りの部品・資材を準備するようにしています。

(工作・工夫の可能性を広げるので、不良在庫に在らず!)


完成間近に見えて、ゴールデンウイークから泥縄的一進一退の足踏み状態が続いていますが、

これをクリアすればいよいよエンジン始動も間近と思います。

明日の部品到着が楽しみです♪

.

ブログ一覧 | WEBER 45DCOE 9 | クルマ
Posted at 2019/10/03 18:35:20

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この記事へのコメント

2019年10月4日 21:48
似たようなことをJaguar MK2でやりましたが、幸いな事に師匠がコンバートキットを持っていたのでリンケージパーツNo.を全て読み取って英国に発注しました。

マンマシンインターフェースですからフィーリングも重要ですし、セッティングで無駄な苦労をしたくないという欲もあります。

気張ってください。
コメントへの返答
2019年10月5日 10:08
ありがとうございます。

>マンマシンインターフェース
俳句・短歌、アニメなど、繊細な感性が高く評価される我が国でありながら、自動車修理&いわゆるチューニング業界、自動車いじり趣味にあっても見落とされている分野と思います。

故障・不調でなければOK、のような二元論でなく、自信を持って扱える、あるいはストレスを溜めずに運転の機微を楽しめる状態を目指したいものです(^^)
2020年3月16日 12:52
リンケージ部分、同調レバーの記事を探していたのでとても参考になりました。自分のDHLA45も同じ部分が干渉するので対策を考えていたところでした。
くの字にするか、シャフトを延長するかもう少し検討してみます...💦
コメントへの返答
2020年3月16日 18:31
こんにちは。同士のコメントありがとうございます。
バラしっ放しの当方が言うのも何ですが(笑)、なるべく手軽な方法から実際に走らせて試してみるのをお勧めします。

デロルトは少数派ですが、海外のキャブ専門店では部品入手も十分可能と思います。
How to Build and Power Tune Weber and Dellorto DCOE and DHLA Carburetors
(Veloce Publishing)
という書籍も刊行されており、必携というほどではないと思いますが、ウェバーDCOEと対比させながら解説されていて、検索するとテキストで読めるかもしれません。

原田商会のキットでは大抵キャブ毎に独立してスロットルを作動させるようになっていますが、アイドル調整のたびに同調を取り直す手間を省ける連結式レバーは有用と思います(^^)
2020年3月19日 18:35
なかなか文献も少なく、色んな方からの助言で何とか形になってきました笑 スロットルの追加工と押しレバーのチョイ曲げで何とか対応できそうです...!せっかくの連結スロットルなので、どうにか活用したく考えているところです。

仰る通りロータス/ アルファをはじめ、純正パーツとして多く採用されてきたので海外ではパーツが潤沢ですね。国内流通が少ないのでもっぱら「EUROCARB」頼りです...そちらの本、後ほどチェックさせて頂きます!メインジェットを始めとした流用パーツの情報はとても興味深いです笑

連結前の状態(1基の状態)ではバタフライの戻りがいいのですが、連結した際にかなり動きが渋くなる(特に開け始め~全閉あたり)のですが、こちらのような症状を確認されたことはありますでしょうか??
コメントへの返答
2020年3月20日 18:00
こんにちは。ユーノスはボルトオン改造例が殆んどで寂しい限りです(笑)ワンオフなど工夫を凝らす同士は大歓迎です(^^)
雑誌やWebでも、肝心な部分はたいてい書いていなかったりします。

連結レバーはなかなか参考になる改造例がありませんが、機械としての基本を押さえておけば問題は無いと思います。できれば一基でも予備を入手しておくと、部品どりとして、あるいは組み立ての見本として有用と思います。

当方の経験でまず怪しいのは、
①アクセルペダルが戻らない場合、いわゆる扇レバーまたは押しレバーの滑りが怪しいです。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1333960/blog/43405466/
また押しレバーとバタフライ側レバーを結ぶロッドは前後方向ほぼ直角に押し引きできていますか?(直角でないとスラスト方向に負荷が掛かる)

②連結式特有の要因として、二基のスロットルスピンドルのセンターは少なくとも目視で合っていますか?インシュレータやガスケットの厚みは均等でしょうか?

③連結レバーとスピンドルの固定、穴がゆるくなってガタはありませんか?明らかにゆるい場合、穴の回りをポンチで叩く等して穴を縮めるとよいと思います(面が歪まないよう注意)。

④連結部分でレバー同士がスラスト方向に押し合いをしていませんか?調整ねじを一旦フリーにして再度締めてみてください。

⑤連結レバーを本締めした際に、スピンドルのスラスト方向のガタはありませんか?ガタがあるとスラスト方向(左右)にずれた際、どこかが干渉する可能性があります。
※スピンドル両側のナットを掴んで締めこむとねじれてしまうので、片側ずつスピンドル端とナットを掴んで締めてください。

⑥ガタが無い場合も、ボディとレバー(ワッシャー)が干渉していませんか?レバーを本締めした状態でボディと両サイドのワッシャーの間にはクリアランスが必要で、当方はシムを作製し管理しています。ワッシャーは穴がたいてい直角が出ていないので、開度によってボディと干渉する可能性もあります。

⑦ボディとバタフライが、レバーの締め具合で左右にずれて干渉する場合もあるので、必要ならレバーを本締めした後でバタフライ取付けビスを(慎重に)僅かに弛め、パタパタと開閉=センター出しをして締め直します。

スプリングの反力も二倍になるはずですが、戻りの悪さは、悪い方に引きずられるようです。釈迦に説法とは思いますが、思いつく可能性をひと通り書いてみました。簡単なものから試されるとよいと思います。

スピンドル脱着は安易にお勧めはいたしませんが、当方は動き出しのスムーズさに拘って、各摺動部、回転部、アライメントを思いつく限りの対策をしています。当方の対策は記事にひと通り書いてあると思います。

ちなみに当方車両に装着されていたキャブ、予備として入手した中古キャブ(一基)は、いずれも要対策(善意にとれば改善しろ大!)と感じました(^^)

ツインチョーク式スポーツキャブ全般は、スーパーセブンや日産L型改造車、デロルトの場合ロータスやアルファの記事が参考になると思います。

プロフィール

「冒険心の権化的存在たるレッドブル、ペレスとの契約延長は発展的展望が見えず「マックス王朝衰退の序章」に思えてならない… いよいよ結果を出し始めた角田君はどう動くかな?」
何シテル?   06/06 12:50
灸太郎くん(キュウタロクン)です。 職業・思想・信条・立場など違えど 共通の話題で交流できるのは良いですね。 記述は残ることを意識しています。 ...
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