この日が移動日なら墜落したドローンはそのまま放置だったのですが、
ラッキーと言うべきか稚内最終日だったので、
予定を変更してドローン捜索に当たります。
※画像をクリック(タップ)すると拡大します
先ずは前夜の捜索会議の結果から。
ホテルからPCをレンタルして、いろいろ調べたりデータ解析したりして捜索方法を検討しました。
送信機側にフライトレコードが記録されているので、そのデータから軌跡動画再生して墜落地点をおおまかに把握する。
次に、記録された墜落地点の詳細な緯度経度座標をグーグルアースで表示すると次のような画像となる。
限界まで拡大すると、
ここで、現場の風景を思い出すと、道路脇から林道に入ると少し道端が広くなってる所があったので、
画像からおおよその地点を探して道路から墜落地点までの距離を測る(グーグールアース機能)と約28mと表示された。
これで墜落地点はほぼ判明した。あとは現地に行ってみるしかない。
というわけで現地到着。
雨は降ってないが雲がたちこめて薄暗い。
赤丸は墜落地点、黄色丸はその地点に入るための目印の木。
林道入口に止めて捜索準備に入る。
ホテルを出発して近所のホームセンターで熊除け鈴(ベアベル)を2種類購入したり、
別な目的で持ってきた長靴がここで役に立ったり(笑)
この辺りは熊の目撃情報もあるしスマホ圏外なので、
無理せず何かあったら迷わず帰ると心の中で何度もつぶやく。
林道が広くなった地点で目印の木があった。
この位置から墜落地点まで28mを進む事を考えるとかなり勇気はいる。
目の前の7~8mの崖を何とかよじ上ると、人間の立ち入りを拒むかのように覆い茂る笹薮が待ち構えていた。
藪の高さは人の身長以上もあるので中は薄暗く、
ぎっしり詰まった間隔で生えてる笹は行く手を阻み、かき分けて前進するのは一苦労。
迷子にならないよう笹に養生テープを貼り目印を付けながら前進すると前方が少し明るくなってきた。
はて?何で明るいの?
スマホに保存したグーグールアース画像を見てみると、
直進してきたはずが、どうも円弧を描くように左に曲がって崖方向に戻ってきたようだ。
本来なら森の奥に進むので暗くなることはあっても明るくなることはない。
方向を間違えたのでそこから進む方向を変えてさらに奥に進む。
墜落地点を目指すことに集中していたので、ふと立ち止まって考えた。
そう、どっちから来たの?
そして今来た道を振り返ると・・・
暗い...
養生テープが見つからない...
これマジでヤバイ。
遭難しかけてる。
少しパニックになってきた。
ドローンごときで遭難して死ぬなんて...
この先前進するか一瞬躊躇したが「何かあったら迷わずに帰る」という言葉を思い出し捜索は諦めて戻る事にした。
養生テープを探して歩き回ると逆に方向感覚が失われると思ったので、
先ずは自分の真後ろの足元の踏み潰した笹を探して方向の目途を付ける。
笹は踏まれても元の姿に戻るみたいで踏み固められた状態ではないのでこれを探すのも一苦労。
30cm程先の足元を探して1歩、また1歩と戻る。
そうやって時間掛けながら今来た道に戻っている時だった。
方向はまったくわからないがどこからか何か声のようなものが一瞬聞こえた。
わー、おーい、と言った人間の声ではない。(こんな山奥に人が歩いてるハズもない)
かと言って、ガォー、シャー、パォー、にゃー(笑) でもない。
表現しずらい、未だかつて聞いたことの無い獣の声。
周囲を見渡してもその姿は見えないし、笹を踏み潰す音も聞こえない。
すでに方向感覚が失われてパニック状態になってるので冷静になろうはずがない。
かと言って、一目散に逃げられるような藪でもない。
あまりの恐怖で血の気が引き、命の危険を感じた。
とにかくなるべく早く今来た道に引き返すしかない。
恐怖に慄きながら進むと藪の向こうが少し明るくなってきた。
崖だ!
崖の向こうは空間が開けてるので明るい。
やった!
少し足早に藪をかき分けて進んだら世界が開けた!
という事は崖っぷちに出てる。
真下を見ると・・・
もう映画のワンシーンのようだ。
崖下は7~8m。
思わず近くの笹の根元を掴んで転落を免れた。
岩はないので落下しても頭を打つ事はない。
だが、自転車の立ちごけで鎖骨骨折したバカ者を知ってるので(笑)、
これ真っ逆さまに落ちたらまた骨折するよ~(自爆)
草や木の根っこを掴みながら崖を降りてようやく帰還。
命賭けてドローン探すもんじゃないですね。
ドローン界では決して一人で捜索しないというセオリーがありその意味を十分過ぎるほど体感しましたよ。
捜索現場を後にして昨日撮れなかった宗谷丘陵に再び行ってみた。
ドローンを回収できなかったことはすでに諦めついてるが、
疲労と精神的な恐怖がまだ引きずってるので、この絶景は頭に入ってきません。
つづく。
■北海道観光 2018
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②道北へ(7/16) ⇒
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③エサヌカ線《ドローン》・宗谷岬(7/17)⇒
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④オロロン街道《ドローン》 そして悲劇は起きた(7/18)⇒
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⑤決死のドローン捜索~宗谷丘陵(7/19)⇒
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⑥稚内から網走へ(7/20) ⇒
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⑦天に続く道~知床半島(7/21)⇒
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⑧釧路湿原(7/22) ⇒
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⑨水没してますー! そして高原牧場へ(7/23)⇒
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⑩昭和新山~さよなら北海道(7/24)⇒
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◆ドローン空撮◆
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