2018年09月30日
ブガッティの次なる一手は
価格は6.6億円超、「最上級のブガッティ」がめざしたのは“史上最高速”ではない
500万ユーロ超のスペシャルモデル「ディーヴォ」
『シロン』の生産が始まって、デリバリーが100台をようやく過ぎたこの段階で、名前の異なるニューモデルが発表されるなど、誰が予想しえたことだろう。
夏の終わりのビッグイベント、モントレー・カーウィークにおいて、新型ブガッティが登場した。その名は『ディーヴォ(DIVO)』。
世界限定40台。お値段500万ユーロ(約6.6億円)以上。1500psの8リットルW16クワッドターボエンジンなどナカミはシロン譲りなれど、ドライビングパフォーマンスにまったく異なるキャラクターを与えた、スペシャルモデルである。
モダン・ブガッティは、その車名に往年のブガッティ・レーサーの名を拝借している。ピエール・ヴェイロン、ルイ・シロンときて、今回はアルベルト・ディーヴォというわけだ。そして、その名レーサーの足跡にこそ、ディーヴォの走りのキャラクターのヒミツが隠されていた。
「ごく限られた顧客の望みを高いレベルで叶え続ける」
アルベルト・ディーヴォは1923年から33年にかけてブガッティ・ワークスに在籍。ドラージュから移籍したその年に、名車T35Bを駆ってタルガ・フローリオで優勝を果たしている。
タルガ・フローリオは、シシリアのワインディングロードを使った伝説の公道耐久レースである。ブガッティにとっては、T35で5連覇を果たした輝かしい歴史の1ページ。そこで移籍後すぐに優勝を果たした名レーサーの名を付けたのだから、新モデルのコンセプトは明白と言っていいだろう。
つまり。これまでのブガッティとは違って、最高速よりもハンドリング性能を重視する。それがディーヴォのポイントだ。スタイリングは、それゆえシロンよりもかなりアグレッシブである。最近のスーパーカーに流行りの空力も積極的に採り入れてきた。
今年1月からCEOに就任した元ランボルギーニ&前アウディスポーツのステファン・ヴィンケルマン曰く、「シロンのスタイリングが我々にとってベストな答えだと言えたのは、2016年よりも以前の話なんだ。当然、顧客の欲しいカタチも年々変わっていく。ブガッティとしては、ごく限られた顧客の望みを高いレベルで叶え続けるブランドでありたい。それが世界一であり続けるための方策のひとつなんだ」。
筆者に、そう自信たっぷりに語ったステファン・ヴィンケルマン。彼の自信の背景には、シロンやヴェイロンのオーナー向けに行なわれたスニークプレビューにおいて、アッという間にディーヴォの限定枠40人の手が挙がったことがあるだろう。
デザインにも理由がある
チーフデザイナーのアキム・アンシャイトも、「ディーヴォのデザインも決して突拍子もないものではなく、ハンドリング性能を高めるための機能が生んだカタチなのです。つまりオーセンティックであるという我々の本流からは外れていません。たとえばシロンとはまったく違う顔つきになりましたが、これはエアの吸入量を最適化するために、ヘッドライトを可能な限り小さくして車幅いっぱいに配したかったから、なのです」という。
ブガッティの開発トップに新たに就任したステファン・エルロットによれば、「以前からもっとニンブルなハンドリングキャラクターをもつスポーツカーを造りたいというプランはありました。それを達成するためには、シロンよりも強いネガティヴキャンバーと大きいダウンフォースを授けなければなりませんでした。そのため、スピードキーの設定はなく、最高速度は380km/h(つまりシロンのスピードキー無し状態と同じ)に制限しています。我々の開発の結果は、ナルドのハンドリングサーキット(一周6.2km)で、シロンより8秒早くラップしたということが如実に物語っていると思います」。
完売御礼のディーヴォ。来年早々には正式なプロトタイプが走り始め、夏過ぎには最初のオーナーのもとへとデリバリーが始まるという。
ブガッティ・シロンにハードコアモデル&オープンモデルが追加?
ブガッティ「シロン」に複数の派生モデル計画があることが分かりました。
まず一つは、超軽量を意味する「スーパーレッジェーラ」です。同名を冠したモデルは、フェラーリやアストンマーティンなどにも設定されていますが、同じく最新世代のアルミニウムやカーボンファイバーを多用。さらに3Dプリンターによってブレーキキャリパーウィンドシールドワイパーを制作し、軽量化によりハイパフォーマンスを生みます。キャビンも豪華仕様となるはずです。「シロン」にはすでに軽量モデル「シロン スポーツ」が設定されていますが、さらなる高性能が期待されます。
次にハードコアモデル「SS」です。8リットルW型16気筒クワッドターボエンジンを搭載し、最高出力は1,700ps程度まで引き上げられます。同ブランドは、W型16気筒エンジンを次世代モデルに採用する可能性が低いと語っており、実現すればこれが最後の16気筒となるかもしれません。
最後はオープンモデルの「アペルタ」です。脱着可能なルーフを装備するモデルですが、これまでブガッティはオープンモデルに消極的だったため実現の可能性は低いようです。
今年3月の「シロン スポーツ」を始め、7月には「スカイ ビュー」と言われるガラスルーフを持つモデルなど派生モデルに力を入れており、前2モデルが誕生する可能性は高いようです。
(APOLLO)
ブガッティ、2車種体制を検討 SUV追加? サルーンの可能性低く
もくじ
ー 新CEOが語る第2のモデルの可能性
ー ハイエンドSUV市場へ参入か
新CEOが語る第2のモデルの可能性
慣れ親しんだサンタアガタを離れ、アウディスポーツの指揮を経て、この1月にブガッティのCEOに就任したステファン・ヴィンケルマンは、計画段階にあったディーヴォの生産をたった8カ月で実現した立役者だ。この限定モデルをお披露目したペブルビーチで、彼は「少なくとも1車種を準備中」だとわれわれに明かした。
「明らかなのは、もしシロンのようなスーパースポーツとは異なる何かをするならば、ひとつのタイプだけに固執するのでは十分ではないということです」
では、その第2のモデルはサルーンか、それともSUVか。われわれの問いにヴィンケルマンはこう答えた。「あらゆるボディ形態や地域的な需要を検討し、衰退しつつあるものに投資することはないでしょう」
ハイエンドSUV市場へ参入か
新CEO着任以前に、ブガッティはガリビエールと銘打ったサルーンを計画していた。しかしヴィンケルマン言うところの「衰退しつつある」スタイルとは、セールスが落ち込んでいる3ボックスのサルーンを示唆する。より販売規模の大きいブランドで、これに代わって占める割合が高まっているのはSUVだ。
ヴィンケルマンが指揮していた頃にランボルギーニが計画していたSUVは、ウルスとして先ごろ発売にこぎつけた。フェラーリもまた、来年には初のSUVを実戦投入するとみられる。ロールス・ロイスとベントレーがこのジャンルに参戦済みであることは、今更言うまでもない。
フォルクスワーゲングループにあってブガッティ第2のモデルへの投資は、EVや自動運転技術の開発などに比べプライオリティが低いプロジェクトにちがいない。それでも、シロンのようなモデルの利益率をみれば、ハイエンドの少量生産車が金のなる木だというのもまた事実だとわかるところだ。
この何でもSUVって流れはイヤだな…
実車 ブガッティ・ディーヴォ シロンがベースのハイパーカー パリで披露
40台限定 すでに完売
ブガッティはシロンをベースとしたサーキット向けマシン、「ディーヴォ」を発表し、パリで実車を公開した。
450万ポンド(6億6400万円)の値がつけられ40台限定で発売されたが、すでに完売している。
シロンよりも23%ワイドにされたリアスポイラーにより、90kg大きいダウンフォースを生み出しているとのことだ。この結果、コーナリング時の横Gは1.6Gに達するが、最高速度は380km/hに抑えられている。
シロンにも搭載されている8.0ℓW16気筒クワッドターボエンジンに変更はなく、最高出力は1500psのままだ。0-100km/h加速も2.4秒と、シロンと同一だ。
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Posted at
2018/09/30 22:33:31
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