2021年12月31日
軽自動車ベースの「ポルシェ356」登場? 電動ハードトップ装備で438万6800円
ラダーインターナショナル(愛知県東郷町)は、軽自動車をベースにポルシェ『356』をリモデルした『660スピードスター』を開発、12月23日より販売を開始した。
356はポルシェが1948年から製造を開始した小型スポーツカー。人気の高い希少モデルであり、オリジナルは価格が高騰し、レプリカモデルも数多く製造、販売されている。オリジナル、レプリカともに、基本的にマニュアル、エアコンレス、キャブレター仕様となっているが、ラダーインターナショナルでは、この356をもっとイージーに、もっとカジュアルにもっと洒落を利かしたものにできないかと考え、軽自動車をベースに、日常使用にも使える、356をオマージュした自動車を開発した。
660スピードスターがこだわったのはそのフォルム。まず、レプリカではないオリジナルの356からボディを型取り。軽自動車をベースとしているため、356と合わない部分も出てくるが、フォルムを崩さずにベース車両と合わせていった。
また、オリジナルが手動の幌を装備するのに対し、660スピードスターは電動ハードトップを採用。ボタン1つで簡単にルーフを開閉でき、気軽にオープンドライブを楽しむことができる。
ボディサイズは全長3960×全幅1670×1260mm。5ナンバーサイズのため普通車登録となる。カラーはシルバー、ベージュ、ブラック、ホワイト、レッドの5色を用意する。価格は438万6800円。
まさかの軽自動車ベースのポルシェ爆誕!? 新型「660スピードスター」発売! ボディは本物級 税別398万円から
■電動ハードトップ採用で屋根の開閉も簡単
愛知県東郷町に本社を置くラダーインターナショナルは、「ポルシェ356」をオマージュしたモデル「660スピードスター」を開発し、2021年12月23日に発売しました。軽自動車がベースということですが、どんな特徴のあるモデルなのでしょうか。
660スピードスターのボディサイズは全長3960mm×全幅1670mm×全高1260mm(5ナンバーサイズ、普通車登録)。
よりイージーかつカジュアルにポルシェ356のスタイルを楽しめるモデルを目指して、開発されました。
ルーフ部には電動ハードトップを採用し、オープンドライブが可能です。
モチーフにしたポルシェ356では手動のソフトトップが装備されるところですが、660スピードスターではボタンひとつで開閉可能な電動ハードトップとすることで、突然の雨にも対応可能としました。
なおボディの造形に関して、本物のポルシェ356から型取りをおこなったことで、本格的なフォルムを実現しています。
660スピードスターの価格は398万8000円(消費税別、以下同様)です。
ボディカラーはシルバー、ベージュ、ブラック、ホワイト、レッドの5色展開(シルバーのみメタリックカラー、その他はソリッドカラー)で、その他の色を希望する場合は別途15万円かかります。
軽自動車をベースに名車「Porsche356」をオマージュして造ったЯuddeR INTERNATIONALの「660speedster」
イージードライブを可能にする「660speedster」
絶版名車Porsche356から型取り。軽自動車をベースに、電動開閉トップも実装!ЯuddeR INTERNATIONALはポルシェ356をオマージュしたモデル「660speedster」をリリースした。
ポルシェ356 (Porsche 356:ポルシェさんごうろく) とは、ドイツの自動車メーカーであるポルシェが1948年から製造を開始したスポーツカーであり、製品名にポルシェの名を冠した初の自動車だ。
愛くるしいそのルックスと高性能さを兼ね備えた自動車ではあるが、今ではとても希少となり、オリジナルは価格が大変高騰している。世にレプリカメーカーによって356のレプリカが沢山製造、販売されていることからも現在でもそのスタイルに憧れ手にしたいと思うユーザーは多く存在している。
レプリカゆえに価格も随分と抑えられ(それでも高額)、愛好家も多いのが、
・基本的にマニュアル
・エアコンは無し
・キャブレター仕様(※中にはインジェクションもあるが)のエンジン 等
車両の機能による所が大きく日常使用には不向きなのは間違いないだろう。
そんな中この356をもっとイージーに、もっとカジュアルにもっと洒落を利かしたものに出来ないかと考え、今回軽自動車をベースに"日常使用にも使える"356をオマージュした自動車を開発、製造、発売することとなった。
こだわりのポイント
この自動車を製造するにあたって徹底的に拘ったのはそのフォルム。まず、レプリカでは無い本物の356からボディの型取りを行っている。
※細部まで全て型取りした。
軽自動車をベースに製造するにあたって本物の356と、どうしても合わない部分が出てくる。フォルムを崩さずにベース車両と合わせていく部分は本当に大変だった部分だ。
次に大きなトピックだが、本物の356は勿論の事レプリカの356でもロードスターは手動の幌があり、オーナー自身が手作業にて開閉を行う。
勿論それはそれでとても素敵だが、今回のテーマは「もっとイージーに」。
「晴れた日は気軽にオープン走行を楽しみたい」
「突然の雨や雨の日でも安心してドライブをしたい」
これらを実現するために660speedsterは電動ハードトップを採用している。
電動ハードトップの様子
※ボタン1つで簡単にルーフを開閉することができる。
※ルーフを閉じてもトランクは健在。
本物の雰囲気を持つそのフォルムと、イージードライブを可能にしている電動ハードトップ、軽自動車をベースにした経済性と洒落た感覚。
この洒落を分かって欲しい、でも拘りは満載の自動車、それが660speedsterという車。
同社はポルシェを中心に輸入車販売、整備を行っている。
356という自動車はやはりポルシェが好き、自動車が好きだという方は間違いなく気になる車両だろう。
スペック
660 SPEEDSTER
価格 3,988,000円(税別)
https://rudder24.com/
構成/ino.
Posted at 2021/12/31 21:15:13 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月31日
ロータス、エリーゼ などスポーツカー3車種を生産終了…26年の歴史に幕
ロータスカーズ(Lotus Cars)は12月22日、『エリーゼ』、『エキシージ』、『エヴォーラ』のスポーツカー3車種の生産を終了した、と発表した。1996年のエリーゼ登場から、およそ26年の歴史に幕を下ろした。
◆ロータスカーズの総生産台数のほぼ半分を占めた3車種
エリーゼは1996年に生産を開始した。押し出しおよび接着されたアルミニウム、ハイテクコンポジット、ロータスカーズが持つ軽量化に関するノウハウを導入して開発された。ロータスカーズはエリーゼが、少量生産のスポーツカーに革命をもたらした、と自負する。
ロータスカーズは2000年、エリーゼで実用化されたテクノロジーを応用して、エキシージを発表した。エキシージは、ロータスカーズに期待される安全性や先進性を備えながら、世界で最も厳しいサーキットでもパフォーマンスを発揮することを目指して開発が行われた。日常での使い勝手も追求されている。
エヴォーラは2009年に生産を開始した。ミッドシップレイアウトの4シーター車で、競合他車よりもドライバー重視のスポーツカーとして、ロータスカーズの収益性の向上に貢献した。モータースポーツでも成功を収めており、世界中のGT選手権で優勝し、ルマン24時間耐久レースでも表彰台を獲得している。
ロータスカーズは、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの生産を終了した。3台のスポーツカーは、ロータスカーズの事業に大きく貢献しており、最終モデルが製造ラインを離れた今回、3車種合計で累計5万1738台が生産された。ロータスカーズの73年の歴史の中で、総生産台数のほぼ半分を占めているという。
◆エリーゼの最終モデルは243psにパワーアップ
エリーゼの最終モデルとしてラインオフしたのが、イエローで仕上げられた『エリーゼスポーツ240ファイナルエディション』だ。エンジンのキャリブレーション変更により、最大出力はプラス23psの243psを獲得する。最大トルクは24.9kgm。1トンあたり263.6psのパワーウェイトレシオにより、0~100km加速4.5秒の性能を発揮する。
10スポークの軽量鍛造アルミホイールは、フロントが16インチ、リアが17インチ。これは『エリーゼスポーツ220』の標準ホイールよりも、1本あたり0.5kg軽い。タイヤは、ヨコハマ 「Advan Sport V105」で、フロント195/50R16、リア225/45R17サイズを履く。
オプションのカーボン製フロントアクセスパネル、カーボン製テールゲート、カーボン製シルカバー、リチウムイオンバッテリー、ポリカーボネート製リアウインドウにより、さらなる軽量化が可能。全ての軽量オプションを選択すると、車両重量を922kgから898kgまで減少させることができる。
◆エキシージの最終モデルは430hpスーパーチャージャー
エキシージの最後の1台となったのが、ヘリテージレーシンググリーンで塗装された『エキシージ カップ430』だ。同車は、最強のエキシージを目標に開発。エヴォーラの高性能グレード、『エヴォーラGT430』のノウハウを導入し、史上最強のエキシージを目指した。
ミッドシップにレイアウトされる3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジンには、新開発のスーパーチャージャーを採用するなどして強化した。最大出力は430hp/7000rpm、最大トルクは44.9kgm/4000~6800rpmを発生する。トランスミッションは6速MT。エキシージカップ430は、0~100km/h加速3.3秒、最高速290km/hのパフォーマンスを可能にした。
また、エキシージ カップ430には、エアロダイナミクス性能を追求した新デザインのボディを採用した。カーボンファイバー製のフロントリップスポイラーや大型リアウィング、ディフューザーなどにより、最大220kgのダウンフォースを獲得する。軽量化も図られており、乾燥重量は1059kg(エアバッグのレスオプションでは1056kg)に抑えている。
◆エヴォーラの最終モデルは0-96km/h加速3.6秒
エヴォーラの最終モデルとしてラインオフしたのが、ダークメタリックグレーをまとう『エヴォーラGT430スポーツ』だ。さらなる軽量化が推進されており、大型カーボンファイバー製リアウィングなどの廃止により、『エヴォーラGT430』比で10kgの軽量化を果たす。車両の乾燥重量は、歴代エヴォーラで最も軽い1248kgとした。
3.5リットルV型6気筒ガソリンスーパーチャージャーエンジンに変更はない。最大出力は430hp/7000rpm、最大トルクは44.9kgm/4500rpm(6速ATは45.9kgm)を引き出す。
動力性能は、パドルシフト付き6速AT仕様の場合、0~96km/h加速が3.6秒、最高速が315km/h。エヴォーラGT430の0~96km/h加速3.7秒、最高速305km/hに対して、パフォーマンスを引き上げている。
ロータス エリーゼ/エキシージ/エヴォーラの生産終了 最後の1台が工場から出荷
1つの時代の終わり
ロータスは、エーミラ主導の新時代の幕開けを前に、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの主力3モデルの生産をすべて終了し、最後の車両が生産ラインから姿を消した。
3モデル合計で5万1738台を生産しており、これは73年の歴史におけるロータスの総生産台数の約半分に相当するものだ。今回完成した各車の最終モデルは、同社のヘリテージ・コレクションに保管される予定だ。
一方、新型エミーラは2022年春に生産を開始する予定。ロータス最後の純燃焼エンジン車であり、ジーリーに買収されて以来初のシリーズ量産車として、エヴァイヤとともに今後のモデルの方向性を示すことになる。
ロータスのマネージング・ディレクターであるマット・ウィンドルは、この3台のマシンに携わったチームに敬意を表し、次のように述べている。
「この26年間、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラのすべてのお客様の情熱、熱意、サポートに多大な感謝をお伝えしたいと思います。最後の車両に別れを告げながら、ヘセルの新しい工場とノリッジのサブアッセンブリー施設で作られるエミーラとエヴァイヤを心待ちにしています」
新しい世代へバトンタッチ
1996年に発売されたエリーゼは、イエローのスポーツ240ファイナル・エディションを最後に、3万5124台の生産に幕を下ろした。
2000年発売のエキシージの最終モデルは、ヘリテージ・レーシング・グリーンのカップ430ファイナル・エディションで、これが1万497台目の車両となる。
大型のエヴォーラは、2009年に初めて公道へ躍り出た。6117台目となる最終モデルはダーク・メタリック・グレーに塗装され、ノリッジの工場から出荷されていった。
ロータスのデザイン・ディレクターであるラッセル・カーは、次のように語っている。
「ロータスのデザイン・チームとともに、26年以上にわたってこのクルマと生きてきました」
「でも、クリスマスが終わると、次のクリスマスが待ち遠しくなるものです。ロータスでは今、エヴァイヤ、エミーラ、そして近々発売されるタイプ132があります。2022年は、ロータスの新しい世代が活躍する、素晴らしい年になるでしょう」
ロータス エリーゼ/エキシージ/エヴォーラの生産終了 最後の1台が工場から出荷
軽量スポーツカーの雄 ロータス「エリーゼ」26年の歴史に幕! 3モデルの生産が終了
■2022年からは新型モデル「エミーラ」を生産
英国ロータスは2021年12月22日、「エリーゼ」「エキシージ」「エヴォーラ」の生産を完了したと発表しました。
同日、ロータスのヘテル工場において、設計やエンジニアリング、組み立て、販売に従事した多くのチームと一緒に記念撮影がおこなわれました。
エリーゼは1996年から26年間生産され合計3万5124台、エキシージは2000年から22年間生産され1万497台、エヴォーラは2009年から13年間生産され6117台がラインオフしました。3モデルと合計すると、26年間で合計5万1738台が生産されたといいます。
この数字はロータス73年の歴史のなかで、総生産台数のほぼ半分を占めるといいます。
さらにヘテル工場では、エリーゼやエキシージと共通するロータスの小型車プラットフォームを用いた、オペル「スピードスター」/ボクスホール「VX220」(2000年から2005年。合計7200台)や、テスラ「ロードスター」(2007年から2012年。2515台)も過去に生産されました。
ロータスカーズのマネージング・ディレクター、マット・ウィンドル氏は「過去26年間、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラのすべてのお客さまの情熱や熱意、サポートに心から感謝いたします。これらのユーザーは、私たちの“3つのE”に真のステータスを与えています。最後のクルマに別れを告げるとき、新たな章へと向かいます。今後登場するエミーラとエヴァイヤを楽しみにしています」とコメントしています。
※ ※ ※
今後、ヘテル工場の組立ラインは新型「エミーラ」を生産する最先端の設備に置き換えられるといいます。この新型エミーラは、ロータスとして最後のガソリン車となる予定です。
エミーラの生産は2022年春に開始予定で、半自動化のラインは1シフトで年間最大5000台を計画しています。
Posted at 2021/12/31 16:55:10 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月31日
ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップへ試乗 孤高のワンメイクレーサー 前編
パワーウエイトレシオは911 GT3に匹敵
これまでにないほど威圧的なブラックのケータハム・セブンが、トレーラーから降ろされる。興奮するとともに、一抹の恐怖も感じる。このケータハムには、確かにこの色が一番似合うと思う。
四角くフラットなテールが、まず先に姿を表す。鮮やかなレッドに塗られた、大きなロールケージがすぐに続く。エイボン社製のスリックタイヤが、粘っとした光沢を放つ。
磨かれた太いエグゾースト・サイレンサーが、陽光を反射する。フロントガラスはない。エンジンから伸びる4本のタコ足が、サイレンサーへ導かれている。フロントタイヤの上には、小さなサイクルフェンダーがかぶさっている。
ゼッケンは7番。数秒の時間をかけて、今日の試乗車が姿を表した。妥協なしに作り上げられた、ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップというレースカーだ。その姿からして、忘れがたいインパクトがある。
このシングルシーターのケータハムは、現在販売されているセブンで最もパワフルなモデルではない。その栄光は620Rが保持している。スーパーチャージャーで加給される314psのモンスターは、どんなスーパーカーにも太刀打ちできる。
この420R チャンピオンシップの最高出力は、177ps。4気筒エンジンは自然吸気のまま。それでも重さ当たりの馬力、パワーウエイトレシオは最新のポルシェ911 GT3に匹敵する。
シーケンシャルMTにスリックタイヤ
420R チャンピオンシップは、ケーターハムのワンメイクレースに作られたサーキット専用マシン。このレースには4カテゴリーが存在するが、その最上位用モデルに当たる。911 GT3とは、直接戦うことはないだろう。
ケータハム 620Rのように、公道を走るための法規に準拠する必要もない。フロントガラスはなく、新製品だというタイヤには、溝もまったく彫られていない。
トランスミッションは通常のモデルと異なり、サデブ社製の6速シーケンシャルMT。過去にも公道用のセブンへ限定的に採用されたこともあるが、鋭いシフトアップと、素晴らしくメカニカルな感触を味わわせてくれる。
恐らく、最も精巧なデュアルクラッチATの感触をも超えると思う。そこから、ドディオン・アスクルに載るタイタン社製リミテッドスリップ・デフへパワーが導かれる。
エンジンは、フォード社製の2.0L 4気筒デュラテック・ユニット。スリックタイヤのグリップ力とパワーを受け止めるため、各部に補強が施され、A型フレームも剛性が高められている。
サスペンション・スプリングはアイバッハ社製で、ダンパーはビルシュタイン社製。サスペンションアームは新設計のものになり、キャンバー角の調整が可能だという。
420R チャンピオンシップに乗り込む方法は、ロールケージの上から身体を落とすのが良い。シートというより、身体が動かないようにするためのバケットに、腰をはめる。通常のケータハムより背もたれが寝ている。
エンジンの反応は敏感そのもの
正直いって、ドライビングシートは窮屈。目線は、クイックリリース・ボスの付いたモモ社製ステアリングホイール・リムの上をかすめるほど低い。
背の高いトランスミッション・トンネルにも、一切のパッドがない。縁石の段差に乗り上げると、跳ねるような振動で腰骨に衝撃が加わることを、後で思い知ることになる。
走るのは、英国西部のスランドウ・サーキット。余分なものが剥ぎ取られたセブン 420Rのエンジンを、ピットレーンでスタートさせると、エグゾーストノートが充満する。ステアリングホイールはコンクリートのように重い。LSDがガタガタと音を立てる。
アクセルペダルに対するエンジンの反応は、敏感そのもの。上質なガソリンがタンクを満たしているのだろう。燃料計はないものの、サーキット走行では45分で燃やし切るらしい。
公道用のケータハム 420Rですら、装備が豪華で居心地が良かったと思わせる。それよりスパルタンなクルマとなると、実際のところ、相当な我慢が求められる。
コースインしたら、まずはタイヤを温めなければならない。かなりのペースで走り込んで、冷え切ったゴムの温度がようやく上昇してくる。
ケータハム・チャンピオンシップ・シリーズでの優勝経験も持つ、豊富な知識を持った今日のサポートクルーの1人、ジョン・バーン氏ですら温めるのが大変だったと話していた。なるほど。
この続きは後編にて。
ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップへ試乗 孤高のワンメイクレーサー 後編
タイヤが温まると全貌が見え始める
ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップのスリックタイヤを温めるべく、数周走り込むと、純粋なレーシングカーであることが見えてくる。公道用モデルをチューニングしたセブンではない。徐々に、セブンの攻撃態勢が整っていく。
クルマを理解するほど、よりタイトに420R チャンピオンシップを運転できるようになる。このセブン自らも、求めていることのようだ。
過去にないほど激しく、ブレーキペダルを蹴飛ばす。ギリギリのポイントで。6速シーケンシャルMTで次々にギアをつなぎ、エンジンの回転に合わせて走行速度がダイレクトに高まる。
コーナーでは、アクセルオンのポイントを徐々に早めていける。周回を重ねるほど、タイヤの温度が上昇。1m、2m、3mと、4周前なら姿勢を乱していたであろうポイントに迫れる。
ハードコアなケータハム・セブンの全貌が見え始める。エンジンの熱を感じる。ノイズもうるさい。すべてが温まりきっていないようだが、圧倒するほどにエネルギッシュだ。
短いシフトレバーを手前側に引くだけで、シフトアップできる。低めに設定されたエンジンのレッドラインへ都度当たる。シンクロメッシュがないことで、メカの動作は一層滑らかだ。
前方を見ていても視界へ入るところに、変速タイミングを教えてくれるシフトライトが付いている。運転へ没入してしまう。バランスに優れ、正確に狙った通りのスピードを絞り出せる。
公道用セブンと異なるアグレッシブなマナー
アシストの付かないステアリングも、ペダルも、積極的な入力を受け付ける。ステアリングラックは、どんなケータハムよりクイックだという。
エイボン社製のスリックタイヤにも感服する。熱の入り具合が充分でなくても、公道用モデルでは考えられないようなグリップ力を生み出す。狙い通りの温度に上昇すれば、軽いシャシーと相まって、顔を剥がしそうな横Gにも耐えるのだろう。
もう少しダウンフォースがあっても良いかもしれない。だが、想像以上にグリップの抜けは漸進的だ。
420R チャンピオンシップのドライビング体験を掘り下げるなら、路面に限りなく近いシャシーを手懐けることが求められる。古いシングルシーター・レーサーのように、幅200のリアタイヤをある程度滑らせた方がタイムは縮まる。
カウンターステアに頼らず、パワーを掛けてコーナーの出口を目指す。この方が速いだけでなく、最高に楽しい。
公道用セブンとの1番大きな違いは、そのアグレッシブなマナー。だが、不用意に挙動が乱れることはない。ノイズが大きくグリップも甚大。ドライバーを喜ばせてくれる、表現力にも溢れている。
実際、筆者は比較的短時間のうちに自信を持って振り回すことができるようになった。優れたバランスを活かし、望み通りのドリフトも引き出せた。
試乗車には備わっていなかったが、リアにアンチロールバーを追加すれば、より手懐けやすくなるだろう。あるいは、スプリングマウントでクルマの角度を調整しても良い。同時にすると、尖った操縦特性にもなり得るが。
極上のサーキット体験を与えてくれる
当然ながら、セブン 420R チャンピオンシップの見事なサーキットバランスを得るには、それなりの価格も求められる。中古のポルシェ・ケイマンRと同等の予算が必要になるというが、サーキットで得られる充足感は比較にならないほど深いと思う。
ただし、その予算ならシリーズ3のロータス・エキシージ・カップも魅力的だ。独立懸架式サスペンションに、専用のラッピングも備わっている。よりエレガントだし、中回転域でのトルクを活かせる。そして、一般道も走れる。
このケータハム・セブン 420R チャンピオンシップは、完璧とはいえないかもしれない。だが、孤高のドライバーズカーとして、極上のサーキット体験を与えてくれる。セットアップの幅も極めて広い。
奥の深いサーキットマシンとして、ユニークで非常に惹かれる存在だと感じた。
ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップ(英国仕様)のスペック
英国価格:4万6495ポンド(約706万円)から
全長:3100mm(標準420R)
全幅:1575mm(標準420R)
全高:1090mm(標準420R)
最高速度:212km/h
0-100km/h加速:3.8秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:560kg
パワートレイン:直列4気筒1999cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:177ps/7300rpm
最大トルク:19.7kg-m/6100rpm
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル
Posted at 2021/12/31 16:42:42 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月30日
南米発の新型『トヨタ・カローラGRスポーツTCR』が最初のテストを完了。現地法人代表もドライブ
アルゼンチンはコルドバ州北部アルタグラシアに位置するアウトドローモ・オスカー・カバレンで世界初公開された新型『トヨタ・カローラGRスポーツTCR(仮称)』が、無事に2日間のシェイクダウンテストを完了。人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)に参戦するTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)と、その母体であるトヨタ・アルゼンティーナが開発を担ったニューマシンは、地元法人の代表を務めるダニエル・エレーロの手でコースインし最初のラップを完了すると、その後はTGRAのエースであるマティアス・ロッシのドライブで精力的に周回を重ねている。
WTCR世界ツーリングカー・カップを頂点に、ヨーロッパ、アジア、そしてサウスアメリカなど各地域のリージョン選手権や、日本を含む各国のTCR認可シリーズに参戦するべく、TCRを統括するWSCグループによるホモロゲーション登録作業の一環として、12月15日のシェイクダウンに続き同20日にもテストが実施された。
2022年車両としての承認とカスタマーデリバリーを進めるべく、テストにはWSC技術部門の代表としてマッシモ・ガービンが同席するなか、まずはトヨタ・アルゼンチンの社長でありTOYOTA GAZOO Racingラテンアメリカ(TGRLA)の最高責任者であるエレーロが最初のドライブを担当。インスタレーションを経て、数周のフライングラップも敢行した。
「このカローラTCRの第一印象は素晴らしかった。マティアス(・ロッシ)が担当したテストプログラムは厳しいものだったが、結果はとてもポジティブだったよ。個人的にもエンジンレスポンスやコーナリングスピード、ブレーキングのすべてが気に入った。私自身、このクルマを運転した最初のドライバーであったことを誇りに思う。カローラには大きな可能性があると確信できたよ」と、その手応えを語ったエレーロ。
■世界中のトラックで「多くのカローラTCRがレースをするようになるだろう」
一方、WSCの責任者でありTCR規定の仕掛け人でもあるマルチェロ・ロッティ代表も「トヨタ・カローラベースのTCRが、TGRAが計画する野心的なプログラムの開発段階に入り、最初のテストセッションを無事に終えたことを、とてもうれしく思う」と、新規マニュファクチャラーによる新たな車種の参入を歓迎する言葉を残した。
「このクルマは美しく、彼らのチームが従来より他のカテゴリー(STC2000など)で達成してきた成果を踏まえれば、すぐにそのパフォーマンスと可能性が証明されると確信している。だからこそ、実際のレースウイークでトラックデビューを飾る瞬間が待ち切れない」
「トヨタ・ブランドの魅力を考えると、まもなく世界中のトラックで多くのカローラTCRがレースをするようになるだろうね!」
直前には同国で人気のシルエット・ストックカー選手権“ACTCツーリスモ・カレテッラ”向けの新型モデルのラウンチも行っていたTGRAは、このTCRシェイクダウンの模様を収めたムービーも公開。現地にはWTCC世界ツーリングカー選手権3冠を誇る地元の英雄、ホセ-マリア・ロペスも姿を見せていた。
この新型『トヨタ・カローラGRスポーツTCR(仮称)』はオフの間も継続的な開発テストが実施される予定で、今後どのようなチーム体制を採るかはまだ詳細が明かされてはいないものの、2022年のTCRサウスアメリカ・シリーズで、まずは競争力を確認するために“準ファクトリー体制”でのデビューが期待されている。
Posted at 2021/12/30 12:47:13 | |
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自動車業界あれこれ | 日記
2021年12月30日
ベントレー・バカラル後継の超限定モデル W12エンジン搭載 2023年頃発売か
6.0L W12エンジン搭載の高性能クーペ
ベントレーは、コーチビルディング部門のマリナーによる特注モデル第2弾の開発を進めている。これは、歴史あるW12エンジンを称えるとともに、ベントレー初の純EVモデルのデザインを予見するものだ。
フォルクスワーゲン・グループの6.0L W12エンジンは、アウディ、フォルクスワーゲン、ベントレーのフラッグシップモデルで使用され、今年で誕生20年を迎えた。現在はベントレーでのみ使用されているが、完全電動化のため、次のマリナー車の発売後まもなく引退する見込みだ。
ベントレーの関係者によると、この新型車はコンチネンタルGTクーペをベースとし(先のバカラルはコンバーチブルをベースとしていた)、特注のスタイリング、独自の駆動システム、高度なパーソナライズを特徴とするという。マリナーとベントレーの関係が始まってから80年目となる2023年に完成品を発表する予定だ。
150万ポンド(2億3000万円)のバカラルは12台すべてが完成前に完売するなど、オーダーメイドに対する強い需要を受けて、ハードトップの後継モデルでは生産台数を25台に増やす計画。価格はバカラルを上回ると思われ、ベントレーの製品群でも特に高価なものとなるだろう。
パワートレインはターボチャージャー付き12気筒エンジンの強化版で、バカラルやコンチネンタルGTスピードと同じチューニングが施されると考えられる。最高出力660ps、最大トルク90kg-mを発揮して、静止状態から4秒以内に100km/hまで加速し、最高速度は320km/hを超えると予想される。
シャシー構成はコンチネンタルGTスピードのものを引き継ぐだろう。同モデルでは、ハードなサスペンション、改良された4輪操舵システム、直径440mmのカーボンセラミック・ブレーキディスク、リアの電子ディファレンシャルによって、標準のコンチネンタルよりもダイナミックな性能を誇っている。
マリナー独自の独創的なデザイン
レンダリング画像にあるように、バカラルの後継モデルは、量産される標準ラインナップとは一線を画すために、抜本的なスタイリングの見直しが行われるはずだ。2019年に発表されたサステナビリティ重視のコンセプト「EXP 100 GT」の要素を取り入れつつ、ブランド初の純EVとして独自のデザイン要素を組み合わせると思われる。
シャープでアグレッシブなフロントエンドが特徴的で、ベントレーのトレードマークであるグリルデザインの新解釈、スリムなヘッドライト、角張ったエアインテークが採用される見込みだ。
開発の指揮を執るのは、元アウディのデザイナーであるアンドレアス・ミント。彼は、アウディがベントレーブランドを完全管理下に置き、両ブランド間の相乗効果を高める一環として今年初めにデザイン責任者に任命された。
アウディ在籍時のデザインで最も注目を集めたのは、同社初の量産型EV、eトロン(SUV)だった。そんなミントは、ベントレーにとって全くの新参者というわけではない。1999年に発表されたコンセプト「ユーノディエール」のエクステリアを担当し、後のブガッティ・ヴェイロンに大きな影響を与えたのだ。
マリナー第2弾では、ベントレーのデザインを抜本的に見直すことで、バカラルで示した持続可能性とエクスクルーシブなテーマに沿って奇抜なインテリアに仕上げるだろう。ラップアラウンド型のダッシュボードを採用し、後部座席を廃止して、5500年の歴史を持つ英国のリバーウッド、スコットランドのツイード、天然ウールなどの独自の素材で縁取られるのだ。
Posted at 2021/12/30 12:44:51 | |
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