久しぶりに上野公園界隈を散策し、
東京国立博物館に立ち寄りました。ここでやってたのが「出雲と大和」....近くではミイラ展とかもやってましたけど、これにしたのは昨年F1→伊勢神宮探訪に合わせて古代史特に国の成立過程について調べてみた(
伊勢神宮再考)ので、それに続く意味もありました。
さて、見た感じでは出雲と大和が並列に展示されてる印象で、出雲大社の柱や圧倒的な数の銅矛などが圧巻ですけど、出雲と大和の微妙な関係を前面に出しているようには見えません。しかし図録を(
買って)読むといろいろ伝わってきます。まず年表で「出雲と北部九州・朝鮮半島との交流」→荒神谷遺跡... →「ヤマト政権成立」 となってるところからも、幼稚な皇国史観や万系一世などは論の外とされています。ま、言うまでもないことですが。
出雲はやっぱり大和朝廷に先立つ国津神の土地で、後になって大和朝廷が緩い形で国なるものを形成していったのですけど、精神面で国津神(縄文人)の世界を天津神(弥生人)は消し去ることはできず、一定の存在感を示し続けた... といったところでしょうか。あるいは、ハードパワー面(政治経済軍事)で統一できてもソフトパワー面(精神文化..)では統一できない....ここを表向き統一していることにするためにいろいろなことが考え出されたのでしょうけど。なお、究極国津神も天津神も大陸の方から来た話は今回直接には書いてないですが、それを暗示するような考古学的な知見はいくつか散りばめられてます。
神武天皇が中央集権国家をいきなり立ち上げそれがずっと続いている、というようなお話はまともなソースからは出てこないです。ちなみにこれ東京
国立博物館ですから....たぶんですけど、“保守政治家”が好みそうな話しって実際には全く相手にされないんじゃないかと思いますね。
Posted at 2020/01/22 21:28:31 | |
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