今週はLeMansウィークですね!
LMPhからアウディ、ポルシェが逃げ出して、
トヨタのクラブ活動だった、直近5年LeMansでした。
しかし!!!
100周年の今年のLeMansは盛り上がってますよー!
LMDhという、LMP2をベースにしたコスト重視の
トップカテゴリーが盛り上がってますねー。
とは言え、同じトップカテゴリーのトヨタ&プジョーはLMHという純粋なハイパーカー規定です。
まあ、その同じハイパーカーというトップカテゴリーに、生まれの異なるマシンが、
同じトップカテゴリーを混走する訳で、BoP以外のウェイトハンデでもめてますw
とは言え、レースなんてそんなもんw
ニュルブルクリンク24時間なんて決勝の朝にBoP変更とかやってますからw
しかし、そんなトヨタはいじめられてるモノの、優遇されても浮上できないプジョーです。
そんな痛々しいプジョーを見ていると、デザイン的に既視感がある・・・それはGT-R LMですw
いやいや、まだプジョーの方がカッコ良いでしょって?w
まあ、でもリアウィングレスって事で、同じニオイがするんですよねーw
って事で、思い出されるGT-R LM NISMOです。
それに関してマニアックに解説した動画があったので、今日は紹介したいと思います。
ただ、面白いけど全編英語で、しかも長いので、3回に分けて紹介していきます♪
翻訳だけだと分かりにくい部分は、私なりにアレンジ加えて書いてます。
では、はじめます!
今日は非常に特別なLeMansのプロジェクトについて話しをしましょう。
LeMans史上最大の失敗だったと言う人もいるし、最高傑作だったと言う人もいる賛否あるデザイン。
それが、2015年の日産 GT-R LM NISMOです。
2014年に新しいLMP1レギュレーションが導入されました。
エンジンの設計に関しては、全てにおいて制限なく開発が可能になりました。
シリンダーの数、排気量、ターボチャージャーの有無、ディーゼルかガソリン、何でもOKです。
この規制では、ハイブリッドシステムに4つのエネルギー量が定義されました。
1周の走行中に使用できるエネルギー量は 2、4、6、または 8MJ です。
より大きなハイブリッド出力を選択すると、内燃エンジンの燃料流量が少なくなります。
モーターを大きくするか?エンジンを大きくするか?排気量は自由でも、燃やせる燃料の
量を制限するというレギュレーションなので、そのベストバランスを探して戦うという感じ。
したがって、メーカーにとって技術開発能力をアピールする為の巨大な遊び場になりました。
2014年は、ポルシェ、アウディ、トヨタが参戦。パッケージは以下の通り。
ポルシェはターボ付き2L V4ガソリンと、6MJのハイブリッドにバッテリーを搭載。
アウディはターボ付き4L 120度V6ディーゼルと、2MJのハイブリッドに電動フライホイールを搭載。
トヨタは自然吸気のV8ガソリンを搭載し、6MJのハイブリッドにコンデンサーを搭載。
そこで日産は2015年からLMP1クラスに参戦することを決めました。
日産モータースポーツ部門は2013年5月14日、プログラムを発表。
2015年シーズンは2台体制で戦い、LeMansでは3台体制で戦うことになります。
テクニカルディレクターはベン・ボウルビィで、彼は当時の日産の責任者でした。
そのボウルビーが主導した、デルタウイング プロジェクト・・・
超効率的なエアロダイナミクスを備え、重量の75%が車両後方にあるレーシングカーです。
そこでエンジニアたちは先行する3台とLeMansで戦う上で最適なコンセプトは何かを検討しました。
彼らは、3社が後輪駆動のミッドシップエンジンのプロトタイプを使用している事に気づきました。
後輪駆動のミッドシップの為、重量配分が後方に偏った車両になります。(青○)
スピードに応じてハンドリングが変化しないように、エアロバランスも後方寄りに設定。(黄色○)
その結果、LMP1マシンがスピードを出しすぎることを避けるために、レギュレーションは
リアウィングの効きを制限する厳しいものでした。要はリアウィングが小さい(赤○)
日産チームは、フロント ダウンフォースにはそれほど制限が無い事に気づきました。(緑○)
しかし、フロントに多くのダウンフォースを備えた車を作成する場合は、スピードを維持しながら
同じハンドリングを維持するために、重量配分もそれに合わせたいと考えます。
そうしないと、低速ではアンダーステア車になり、高速でオーバーステア車になってしまいます。
それが下半分の画で、重心もエアロ中心も車両の前部に設定しています。
そこで彼らは空力と重量のバランスを考慮してエンジンをフロントに移動することにしました。
そのため、タイヤサイズもそれに合わせています。
フロント軸重が大きい場合、フロント軸重に掛かる重量を維持する為に幅広タイヤが必要になる。
接触面の圧力は同じです。逆も同様です。
リア軸重に掛かる重量がほとんどない場合、そこではより細いタイヤを履くことができます。
LeMansは長いストレートと素早い方向転換を伴う非常に特殊なトラックであるため、
日産は長いストレートでは、幅狭リアタイヤを履くと走行性能が向上する事に気づきました。
空気抵抗が大幅に軽減され、ル・マンにとっては大きなアドバンテージとなるだろうと。
幅狭タイヤで軽いリアに駆動力を供給するのはあまり意味がない為、日産は次のように判断した。
前輪駆動の車を設計します。
なぜなら、フロントアクスルにはすでに重量とダウンフォースがかかっているからです。
また、ハイブリッド システムをフロントに接続すれば、他のミッドシップ車で行うよりも、
このフロントの車軸から、より多くのエネルギーを回収できるようになります。
そこでいくつかの数字を見てみましょう。
最小重量を870kgとし、ブレーキを掛けて重心が前方に移動する事を考えてみます。
ミッドシップエンジン車の重量配分をフロント45%と仮定し、フロントエンジンの日産車の65%とし、
比較すると、日産はブレーキをかけているときにフロントアクスルに約30%多くの重量を加えます。
そのため、フロントタイヤから回生できる運動エネルギーが大量にあります。
更に良い点は、このエネルギーを競合他社のように前後のアクスルからではなく、
1つのアクスルからのみ回収する為、システムがはるかにシンプルになることです。
そこで、2014年11月18日、経験豊富なドイツ人の日産ワークスドライバー、
ミハエル・クルムのドライブで最初のテストを実施しました。
そしてモータースポーツ界に衝撃を与えた写真がネット上に掲載されたのです。
人々は「それは何ですか?」と尋ねました。
すべてのテクノロジーが前部にあり、巨大な前輪があり、後部には文字通り何もありません。
車の重量の 65% がフロントにありました。
日産はカーボンモノコックを作成し、コスワースベースの60度3リットルV6ターボエンジンを
モノコック前部に接続し、更にその前側にギアボックスを接続したレイアウト。
したがって、ドライブトレインは従来の車とまったく逆になります。
また、ドライブトレインの重量は440kg なので、車の重量の約半分です。
一般的ではない珍妙なデザインで、他の車のように既製のコンポーネントがなかったため、
全ての部品を新規開発という事で、開発時間という問題が更に大きくなりました。
すべての冷却装置も車両前方に配置され、前方のより高い圧力を利用し熱気を上面から排出。
エンジンは水空インタークーラーを使用しており、非常に短い排気管を備えています。
いやー、こりゃ大変ですが、ここから更に面白くなります。
先が気になる方は、動画見た方が速いと思います!w
ということで・・・to be continued