『YBCルヴァンカップ』
初代王者に輝いたこの日のこと、
決して忘れません。
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G大阪とのPK戦。
5人目のDF遠藤のキックが決まると、
浦和の選手たちは2つの喜びの輪をつくった。
中心はペトロビッチ監督と、PKを止めたGK西川。
しかし1人だけ、
これらの輪と違う方向に走る選手がいた。
阿部だった。
スタンドを赤く染めるサポーターに向かって、何度も拳を突き上げた。
「みんながタイトルを待っていてくれた。
どんな喜び方をしてくれているのか、
目に焼き付けたかった。
あの後でも見られるけど、
一番の喜びは、やっぱりあの瞬間じゃないですか」
今回の決勝直前、
右肋骨の骨折が発覚したが、
それでも強行出場。
すべては、サポーターと立てた誓いを果たすためだった。
「必ず結果を出すから、どうか見守っていてほしい」。
優勝セレモニー。
トロフィーを掲げた阿部は、
重みが骨折の箇所に響くのを感じた。
「そんなのも、今日くらいはいいかなと思いました」。
背負い続けた「勝てないクラブ」の十字架をようやく下ろし、
泣き虫主将が心からの笑みを浮かべた。
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サッカー | 日記
Posted at
2016/10/16 15:56:39