旧暦2月、如月。朝晩はまだ肌寒く『衣更着(きさらぎ)』の今晩。自宅近くの駅から自転車に乗って家に帰る道すがら、信号で止まり横を見やれば満開の桜。大木です。空には薄絹をかぶりながらも煌々と輝く、満月。この歌をそらんじるしかないじゃないですか。『願わくは 花のしたにて 春死なむそのきさらぎの 望月の頃』(ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ ──『山家集』)お腹が空いていたうえに雑念が多すぎて西行さんの境地には達せず...。(写真は、いめーぢ)