山路慎一選手ありがとうございました

事務局の隠岐です。

5月26日に、レーシングドライバーであり富士の競技長を務められていた山路慎一選手がお亡くなりになりました。

本日は、太田校長はじめスタッフ一同が集まる日だったので、皆で黙祷をしました。

山路選手には、2012年12月23日に開催されたTetsuya OTA出光 ENJOY&SAFETY DRIVING LESSON with Jaguarにて特別講師を務めていただきました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

山路選手といえば、1998年のレース中の事故で、太田選手を消火活動し救ってくれたことでも知られています。本当に勇気と正義感あるその行動に感銘を受けた方はたくさんいると思います。太田校長も「命の恩人」だとおっしゃっています。

その山路選手と太田選手が久しぶりに再会をしたのは2012年1月オートサロンのことでした。


太田選手が声をかけると山路選手が笑顔で、ふたりがガッチリと握手。その際に、「何か一緒にできるといいね」という会話を交わしていました。

その日、山路選手がブログで、「とってもハッピーな人と再会。「太田哲也」さん。久しぶりの握手にも力と魂を感じ、目力も取り戻しておりました。今年は何か一緒に出来る様に頑張りたいと思います」と書かれていました。
太田校長も、とても再会を喜んで、自身のブログで山路選手について綴っていました。

「何か一緒にできるといいね」

その言葉を形にできないかと思い、その年の12月のドライビングレッスンの講師を山路選手にやっていただくことになりました。

事前の打合せで、事務局に愛犬と一緒に来社された山路選手。

太田選手は、少々緊張しているように見えました。

いろいろと話をされ、一緒に写真を撮りました。

山路選手と太田校長はいろんな話をしていました。


山路選手が、こんな話をされました。


「車を扱うということにおいて、ドライバーが上手にならないと交通事故は減らない。また、そういう危険なものを扱っているという意識を持たなければならない。そういう意味で“ドライバーを育てる”という太田さんの取り組みに共感します。今、自分が若い選手から追われる立場になり、いま気が付けば同じような志で活動をしている。僕は期待されて富士スピードウェイの競技長になったけれど、それは役割があるということ。あの事故からずいぶん時間が経って、お互いが会うことがなくても、自然と知らないうちに目指している方向が同じで、こうして寄せつけあうんですね」


それを黙って聞いていた、太田校長は感極まっているようにみえました。



12月のドライビングレッスンは、事故から14年の月日を経て、またサーキットで太田選手と山路選手が一緒に走った日になりました。

当日は雨だったので、そのコンディションの中で、いかに安全に走るか、ということをたくさん教えてもらいました。
その場にいあわせたことができたことを本当にありがたいことだったと思います。



 



まだ50歳という若さでの急逝に残念でなりませんし、ショックな出来事でした。


私たちは、山路選手に感謝をし、山路選手に教えてもらった安全やマナーの大切さなどをドライビングレッスンなどを通じて、伝えていくことが大切なことだと思っています。

最後になりますが、山路選手がサーキットだけでなく一般道でも走る際に、すべてのドライバーに向けて仰っていた言葉を載せます。我々がめざしている「injured ZERO」にも通じる大切なメッセージであり、しっかりとこれからも、伝えていきたいと思います。

「サーキットでは自分だけでなく周りの人にもたくさん注意してください。それは公道でも同じです。信号を守らない自転車や飛び出してくる歩行者やマナーの悪い運転をするドライバーがいたとする。でも、そういう人すらも受け入れてリスペクトすることが、安全運転、事故を減らすことにつながるのです」

山路選手ありがとうございました。

ご冥福をお祈りいたします。

事務局　隠岐