
少し前のことなんですが、BMWのサイトからのキャンペーン応募のメールが来てました。内容はというと・・
i3にじっくり2ヶ月試乗キャンペーン
っていうもの。なんとi3(レンジエクステンダーではなく、ピュアEVのほう)を2ヶ月間、タダで貸してくれるっていう太っ腹企画なのですよ。しかも当選すると自宅に充電設備までタダで取り付けてくれるという(滝汗)
もちろん、試乗後の基本パターンとしてはそのままその試乗車を特別価格で買い取る、あるいはレンジエクスレンダータイプを購入する、ってことになるようなんですが、もちろん「ご検討いただいた結果、購入に至らない場合には車両を返却して終了」という選択肢もあり。ってなことでもちろん応募してたのですが・・・
ハズレました(^^;)
ま、まぁいたって当たり前の結末だったわけですが(苦笑)ちょっとビックリしたのはその後のBMWJapanの対応でした。「残念ながらキャンペーンにはハズレました」っていう内容のメールが来たのですが、それとは別に電話がかかってきたんです。曰く
「2ヶ月キャンペーンはハズレたのですが、i3を販売しているBMWディーラーがない四国地区ということもあるので、営業マンがi3といっしょに伺うので1日だけですが思う存分乗っていただける試乗が可能ですが、いかがしますか?」という内容だったのです(ちゅど〜んっ!)
もちろん、即オッケーしたのはいうまでもありません。なんせワタシはi3はデビュー前から注目していたにもかかわらず、結局近くのディーラーさんでは試乗車はおろか販売すらされていないので実車を見る機会すらほとんどない、っていう状態だったのですから。
徳島では、というよりも四国ではどこのBMWディーラーもi3は扱っておらず、試乗するには神戸のディーラーまで出かけなくてはならないのですから(涙)
i3ってBMWのオーナーの間ではあんまり評判はいいっていうことはないみたいですし、やっぱりなんかEVっていうのはまだ敷居が高いっていう意識もあってあまり売れているとは言いがたい状況ではあるようですね(苦笑)でもワタシ・・i3ってすごく気になるクルマなんですよ〜(^o^) BMWらしくない、とよく言われているこのデザインにしてもワタシはけっこう好きだったりします。ただ・・・お値段はやっぱり高いですよね(滝汗)
ワタシの乗るF30シリーズとほとんど同じような価格帯のクルマですが、やはり快適装備的には見劣りする部分も多いですし、航続距離などの使い勝手の面でも現状では通常のBMW車と同じようにはいかない、、っていうのが正直なところですよね(^^;)
さて、いよいよ今日じっさいにこのi3に乗ることになったわけですが、やってきたのは東京のBMWJapanの営業マンの方。ワタシもよく知らなかったのですが、i3というクルマはディーラーで販売しているのではなく、BMWJapanが直接販売しているのだそうです。で、i3を扱っているBMWディーラーさんというのは、i3をBMWJapanの「販売代理店」というカタチで販売しているらしく、販売元はあくまでBMWJapanなんだそうです。
なので、今回もBMWJapanから営業マンさんが来てくれたというわけ。所属は東京なんだそうで、今回は岡山で試乗車を受け取り、昨日は愛媛県のお客さんのトコロに出向いて試乗をしていたんだそうです。で、今日は徳島でワタシのところにて試乗、というスケジュール。今日は岡山に帰投し、今日のウチに東京に戻って明日は会議なんだそうです(滝汗)
こんな調子でこの営業さんは月のウチ半分ぐらいはi3に乗って日本全国あちこちのお客さんのトコロを廻ってi3の試乗をしてもらってるんだそうです。。。なんかスゴいっすねぇ(^^;)
とまぁいろいろとビックリしたわけですけど・・・
やっぱりいちばんビックリしたのはi3が我が家の前にやってきたときでしょうか。約束の時間の少し前にガレージに出て待っていたのですが・・ふと気配を感じてガレージから外に出てみると・・そこにはすでに到着したi3が。ホントに音もなくやってくるんですね〜(*^_^*)
はじめて間近でじっくりと見たi3は思ったよりも大きいというか、幅があるので存在感がありますね。長さは4メートルってことでリッターカークラスなのでしょうけども、幅は1770ミリ。車高も1550ミリあるのでけっこうなものです。
いろいろと事前レクチャーを受けてから、父親の待つ実家へと走り始めました。今回の試乗の件は父親にも連絡してあったのですが、どうやら父親から聞きつけた義理の弟も興味津々らしく、実家で待ってるようだったのです。
クルマの概要についてはすでにいろいろな情報がネットでも拾えますから今回は割愛するとして、操作方法についてはBMWに普段から乗っている者からするとそれほど違和感があるものではないですね。意外と普通に走り始められます。
しかしなんといっても違和感があるというか普通のクルマと違うのは・・・これもあちこちですでに語り尽くされていますが
ブレーキを踏む必要がない
ってことですね。とにかくアクセルから足を離すと、とにかくかなりの減速Gがかかります。もちろんこれはモーターへの回生を行っているためです。このへんは自動車メーカーによって考え方が違ってて、回生の強さもまちまち。普通のATのエンジン車からの違和感を感じないようにと緩めの回生にしているところもありますが、とにかくBMWでは「これは通常のクルマとは別のモビリティなんですよ」ということをアピールする為もあるのでしょう、明らかに通常のエンジンブレーキよりもかなり強力な減速Gを発生させるような味付けにしています。とにかく可能な限りクルマのエネルギーを回生させてバッテリーに戻す、ムダは極力しない、っていう味付けにしているんだそうです。これ、慣れるまではちょっと(汗)って思ったのですが・・・何のことはありません、ものの数分でこれは慣れてしまいますね。赤信号に向けて減速していくときも、アクセルを離してブレーキペダルに足を載せるのではなく、単純にアクセルに載せた足を緩める(アクセルを放すのではなく、踏み方をユルくする、っていう意味です)ことによって減速Gをコントロールする、っていう乗り方になるんです。
なんか文字にすると違和感バリバリな感じですけども・・・これもホント語り尽くされているところですけども、乗ってみなけりゃ分からない一種独特な感覚なんですよ(^^) でも決して難しくはないです、少なくとも普通にクルマの運転ができるヒトならこれぐらいのことはできます。普通にクルマで走るときにクルマの速度を調整するのにアクセルの踏み加減を変えているのと同じことを減速の時にもしてる、っていうだけですから。
ブレーキの踏み方で減速Gを調整するのではなく、加速のために使うアクセルをそのまま減速の時にも使う、というだけのこと。っていうか、アクセルからブレーキに踏み換えしなくてもいいのですから、普通のAT車よりもさらに運転はラクチンなのですよ(^^)
ホントにね、最初はかなり不思議な感じです。普通のAT車ならクリープがありますから、車速が落ちてきたら最後には必ずブレーキを踏まないといけませんよね。
でもi3の場合・・・アクセルの踏み加減をユルくすると巡行から減速しはじめ、アクセルを踏んでいるにもかかわらず車速はするすると落ちていって、停車直前にすっとアクセルペダルから完全に足をはなすことで停車するんです。はい、
ブレーキをまったく踏まなくてもクルマは完全停止するんです。
この
ワンペダルオペレーションっていうの、ホントに実際に体験するとすごくラクチンですごくいいです。ブレーキをふまなくてもいいので停車も実にスムーズ、発進も実にスムーズ。加速のときにも変速はしないのでホントに新幹線のようにスムーズに加速していきます。
たんにスムーズなだけかというとそうではありません。ガバッと踏み込むと、これがもう掛け値なしに
すごくイイ加速するんですよ! なんせ踏んだ瞬間から最大トルク、っていうのがモーターの特性ですから、とにかくアクセルを踏んだ瞬間にダイレクトに加速を始めます。この感覚はまさしくジェット機の離陸の時のようです。これは町中で走るときにはすごくラクチンだと思いますよ〜。流れをリードするような走りをするときでも、流れの中から空いた車線へと移りながらアクセルを強めに踏んでやれば即座にその速度域にクルマは達するのです。一切のタイムラグなし! ダイレクト感に溢れているというか、アタマで思った通りにクルマが加速するというか。この感覚はやっぱりエンジンでは絶対に真似ができないものです。ホント、乗ればすぐにワタシが何を言わんとしているのかが理解できると思います。
今回の試乗ではもちろん「いつもの山坂道」にも行ってみたのですが・・・このワンペダルオペレーションは峠道でも実に楽しいのです。っていうか、ラクに速いんですね〜(*^_^*)
ワインディングを走るときに、短いストレート区間でぐいっと加速し、続いてブレーキングしてコーナー進入、コーナークリアしたらまたアクセルオンで加速、というのを・・・i3はブレーキを使わないまま、アクセルに載せた足を上下させるだけでやってしまえるんですよ(汗) ちょっとハイペースでワインディングを走る程度ならばホントにブレーキ要りません。それぐらいにi3の回生ブレーキは強力なんですよ(汗)これはホント楽で速いですね〜 しかもモーターの強力なトルクはなんせ踏んでいればいつでもフルトルク! 常に最大トルクを維持しているので、かなりの上り勾配であっても、平地で走っているときとアクセルを踏む量は変わることがないのです(汗)普通に踏んでいればi3はキツい登り勾配であろうとも、まるで平地であるがごとく普通に登って行ってしまうのです。このクルマにはまるで重さというモノがないのか? っていう異様な感覚です。
そしてこれはEV全般の利点なのですが、EVには重量物が床下に集中しているために普通のクルマではあり得ないぐらいに低重心なのです。なので、コーナーを回るとき・・これは普通に交差点を廻るだけで十分に実感できるのですが、重心が低くてロールが少なくて、すごくナチュラルに旋回していくのです。フロントは155、リアは175なんていう細いタイヤなのにこれで十分なんですよね・・・スゴいことです。もちろんこのクルマのために専用設計されたブリヂストンの低燃費タイヤもすごいのでしょうけども。
そしてワタシ、ひとつ誤解をしていたのですが、i3のレンジエクステンダーに積まれているエンジンはあくまで「充電専用」であって、駆動力とは一切関連しないものだったということ。どこかネットで見た記事では「レンジエクステンダーのエンジンは充電用だが、これを駆動力としても走ることができる」というのを読んだことがあったので誤解してました(^^;)
i3のエンジンは650ccの2気筒エンジンで、BMWのバイクに積まれているエンジンと同じモノなんだそうです。ガソリンタンクは9リッターで、いろいろなパラーメータで制御されてエンジンのオンオフは基本的にクルマ任せでOK。もちろんドライバーの意志でもオンオフはできるようになっていますが。
そしてレンジエクステンダータイプのi3であれば、ガソリンがある限りは「電欠でストップしてしまうことはない」ということも初めて知りました(^^;) バッテリーが減ってくればエンジンがかかり、エンジンはクルマが使う分の電気は全部発電してくれるので、バッテリーに蓄えた電力をつかうことなく、エンジンが発電した分の電力だけで走り続けることができるようになっているんですね。
ただまぁガソリンタンクは小さいので、バッテリーが減ったままの状態で走り続けるには150キロぐらいの間隔で燃料補給をしなくてはならないですけどね(^^;)
ただ実際には150キロ近い距離をバッテリーだけで走ることができるi3の場合、レンジエクステンダータイプを購入しているヒトでもあんまりエンジンをかけて走ることはないんだそうで、あくまで「緊急用」としての使用という感じなんだそうです。
さて今回は3時間ぐらいじっくりと走らせていただいたのですが・・・感想としては
かなりいい! 欲しいかも!
っていう感じですね(^^) 営業さんのいろいろな説明を受けて、このクルマを開発して市販するためにBMWがどれだけのことをやってきたのか、そしていろいろな試行錯誤を経てこのクルマができあがっていて、すでにかなりのノウハウがこのクルマの制御には盛り込まれているっていうことも理解できました。
とくにこのクルマを製造するための工場はi3専用に新たに造られたもので、電力は風力発電のみでまかなわれている、なんていうのもスゴいな、って思いますね。
なにかと話題のフルカーボンのモノコックボディ、なんと釜に入れて焼き上げるというカーボンファイバーには避けて通れない工程があるのだと思っていたのですが、それすらなくて製造工程で使用する水や電力も極限まで抑えられているのだそうです。金属プレス工程がないので驚くほど静かな工場で、従業員は耳栓もしていないのだとか。
本来、シティコミュータとしてデザインされているi3ですが・・・ワタシが今、自分の車を使う用途を考えてみるとまさしくi3向きなんですよね。
用途の9割以上は通勤で、たまにちょっとした距離の移動に使う、という感じなのです。ワタシの使い方からしたら、ピュアEVなタイプのi3で十分でしょうね。ごくたまに長距離を走るのであれば、父親のBMWを借りればいいのです。家族で出かけるときにはもともと我が家は5人家族で328iでは狭すぎるので、とりあえず嫁さんのポルテで行きますし(ポルテでも実際はせまいのでホントなら3列シートのミニバンがいいんですが)。
こういう使い方ならば、i3のほうがはるかに経済的なんですよね。もちろん、エコでもあるわけで。
実はこんなこともあろうかと、我が家のガレージにはすでに200Vのコンセントが設置されていたりします(ちゅど〜んっ!)これは新築の時に壁に200Vの配線を仕込んどいて、と設計士にお願いしてあったからなんですよね。なので、ガレージに充電設備を設置するには、7000円ぐらいでOKだったりします(笑)
徳島ではi3ってまだ数台しか走っていないのでお目立ち度も抜群ですわな(笑) ただ・・・やっぱり単に乗り換えするには高すぎるよなぁ っていうことと、いろんな快適装備が軽量化のために省かれているっていうこと、このへんがちょっと気になる点と言えますね。
なんにしても、ワタシが想像していたよりもi3というクルマの完成度はずっと高くて、未来の車なんかじゃなく、
便利で経済的なイマドキの新しい乗り物なのだということがよく分かりました(^^)
とりあえず、試乗前と試乗のあとでワタシの認識が大きく変わったことは・・・
328iがファーストカーで通勤用にi3をセカンドカーとして欲しい
ではなく
i3だけあればそれでいいじゃん、増車じゃなくて乗り換えで十分じゃない?
ということですね(^^) それぐらいのインパクトはありましたね。
ホント・・・お金に余裕があったら欲しいなあ。。。
そんなわけで、またまた余計な物欲を抱えることになってしまった、そんな日曜日だったのでした(苦笑)
でもホント、興味があるけれどもまだi3に乗ったことがない、っていう人がいるのならば・・・ぜひとも一度じっくりと試乗されることをオススメしますよ〜♪
ワタシと同じような物欲に取り憑かれてもワタシは責任取れないですけどね(苦笑)
なにかと衝撃的な試乗だったので、今回撮影した画像は義理の弟が運転しているときにリアシートから撮影した1枚だけしかないっていうのにはBlogを書く段になってから気が付きました(^^;)
ちなみにi3のリアシートは・・・思ってたよりもちゃんと乗れるやん、っていう感じですね。すくなくとも2シリーズグランツアラーの3列目よりはずっといいと思います(^^;)