この世界の片隅の片隅で

父方の祖母は福井県の出身で太平洋戦争前に
祖父と結婚し、大阪の福島で毛糸屋を営んで
いたそうです。。。

昭和19年頃、戦況の悪化で商売もできなくなり
祖父とともに子供5人を連れて、親類を頼って
福井県に疎開しました。。。

お店があった福島一帯は、翌年3月の大阪大空襲
により、焼け野原になってしまっています。。。

疎開する時に祖母のお腹の中には、6人目の子供が
（オヤジのおじさんです）が宿っていました。。。

疎開先の住まいは、炭焼小屋として使われていた
建物で痛みも激しく、土間にむしろを敷いて寒さ
をしのいだそうです。。。

身重の体で、15を頭に育ち盛りの子供5人を
育てるのに、どれほどの苦労があったのかは
計り知れませんが、祖母が生きている間に戦時の
話を聞いたことは一切ありませんでした。。。

厳しくて怖い祖母でしたが、正月に帰省すると
古いセータなんかをほどいた毛糸で、ベストや
カーディガン、マフラーなんかを編んでくれて
いました。。。

その時に必ず「昔大阪で毛糸屋やっていた頃は
楽しかったんよ」って、呟いていたのを思い出す
今日も暑くなりそうです。。。