2024年05月08日
105Di2について
シマノもSRAMと同様に、RIVAL(105)、FORCE(ULTEGRA)、RED(DURA-ACE)の上位機種3種を電動に踏み切り、105以下のみ機械式グループセットを配備するという形態を採用されました。
シマノグループセットとしては初となる、105グレードのDi2登場にロード界隈は興味津々。
当初は良い噂しか耳にしませんでした。
ググって評価記事を見ても105がDi2化されてフロント変速が素晴らしく良くなり、ストレスフリー…というような記事を多く見受けられます。
これは、確かに嘘偽りはないです。
ただ、「何と比較して、そう評価されているのか」というあたりが欠落している記事が多いです。
また、シマノDi2(ULTEGRA、DURA-ACE)でのフロント変速は定評があります。
確かに素早く変速する。
それはSRAM eTAP AXSは、確かに絶対的な変速速度のみを取り上げると勝てない要素であります。
そこの認識もあって、ミスリード…と言えば言いすぎかもですが、105Di2が大変優れている!!!!(優れているのは確かですので、あしからず)
それも他社製品よりもとても優れている!!!と読めてしまえる文章ではあるんですよね。
105Di2を搭載する、現行Emonda SL7を購入された方がいらっしゃいます。
その方と、私とよく一緒に走る先輩が走りに行きました。
当日わたしは、仕事で行けなかったんで聞いた話しです。
105Di2を搭載する、ちゃんとセッティングも出ている個体に乗っておられる方が、先輩のEmonda SLR7 AXS(FORCE eTAP AXS搭載車)に興味を持つのは明らか。
で、実際に会話の流れで少しだけ試乗されたようです。
試乗から帰ってきた時の一言目が
「105 Di2より変速速いです!むちゃくちゃ良い」
先輩「そりゃそうですよ。言っちゃなんですが、eTAP AXSとは言えFORCEですよ。いわば、アルテグラのグレードです(暗に一緒にせんでくれよwと話し聞いた私はそう感じましたw)」
シマノの製品は確かに優れています。
それは間違いないです。
ただ、ライバルメーカーの製品も長年の研究と「シマノに追いつけ!追い越せ!」で開発してきた技術力と品質が良い感じで拮抗してきています。
シマノじゃなきゃダメという人でなければ(ロード乗りの方は、こういう方が多いんですよね)色眼鏡で見ずにSRAMを経験された場合、多くのケースでこういう風に「聞いたり、見たり(ネット記事や評価)した話しと違って、随分良いですね」とおっしゃってくださいます。
シマノ製品は確かに優れています。
これは紛れもない事実なので、何度でも書きます。
誤解されないように、私の認識として書いておきます。
ですが、いまや手放しでシマノを褒められるほどの「差はない。」
もしくは、「差がなくなりつつある」
あるいは、「見方によっては、シマノよりも良い点を持つ製品もある」
それが正直な私の感想です。
シマノは確かに良い製品を作っています。
それは間違いないです。
ただし、だからと言って他を過小評価はしない方が良いと思うのも正直な気持ちです。
グロータックさんを始めとして、様々なメーカーが変速機を作って市場に参入しはじめています。
今は、いままでの経験と知見の差から、埋められない差があるかもしれない。
ただ、それで胡坐をかいているといつの間にか抜かれているかもしれない。
そういう恐れが十二分にある、群雄割拠な時代に突入したのでは…
というのが、さきほどの記事でも書いています通り
2018年以降、ここ近年の激動の表れでもあるのではと感じています。
シマノも、うかうかしているワケではないんですよ。
2019年頃からディスクロードを体験しています。
その頃のディスクローターは酷かった。
制動力やコントロール性に問題はないんですよ。
熱による歪みが発生しやすく、異音が発生しやすい。
これは、気にしないで冷静に対処して走行しながら直してやれば問題ないので
走行上問題なければ軽視しても良い問題ではあります。
ただ、私はそれの対処法を知っていても煩わしかった。
というのは本音です。
次にMTBにも使われていた手裏剣ローター(通称)が流行りました。
これで少しマシにはなったものの、やっぱり360°を4点で支持する構造上、熱による歪みに対して拘束力を期待するのは難しいというのが本当のところ。
そして、そんなに安くもない(←大事な事実)
それじゃあ、他のローターも試してみようか。
と考えるのは、車でサーキット走行を楽しんでいた人間としては自然な発想。
シマノ純正ローターに拘らなくて良いじゃないと考えたんですね。
そのタイミングでMadone SLRを発注。
コロナ禍も影響して、シマノ12速グループセットの発表が遅れていたのもあって…
これは何度か書いているので割愛しますが、それなら未知のSRAM 12速モデルを買ってもいいじゃないかと思い付き、人柱上等!で購入。
これが良い気付きに繋がりました。
SRAMのCenterLine XR 2-peace Rotorは、ローター制動部分360°を7点で支持しているんですよ。
むちゃくちゃ堅い。
そして歪みにくい。
レジンパッド使っている限り、洗車の時に油分をミスってパッドに吸わせない限りは異音なんて発生しない。
SRAMのローター良いやんか!
ちょっとお高い(一枚10800円)んですが、これだけストレスフリーで使えるのであれば、SRAMローターでええやん。
ってなったんですね。
順次、SRAMローターへ入れ替えていきます。
しかし、値上げが続く…。値上げが続くんです。
10800円だったSRAMローターが、12800円。
高い。
いまや、15000円でしたっけ。
高すぎぃ!w
次に目を向けたのが、Campagnoloのローター。
グラベルロード用にリリースされたEKARというグループセットのローターです。
これが、ロード用のディスクローターの流れを汲む見た目に良いデザインが施されて、センターグループが通常はアルミ製なんですがグラベルによる負荷を考慮して、SUS製なんですよね。
そして6点支持。
これも堅いです。
マウンテンバイク(Procaliber 9.5)の前輪にセットして、奈良県の某所でしっかりと高い負荷がかかるようなトレイルコースを走破しましたが、一切音をあげなかった立派なローターです。
現在は、妻のドグマにもセットしています。
これが為替相場にもよるんですけど、一枚2800円くらいで買えたんですよね。
現在だと3300円~くらいです。
それでも安い!
品質を考えると思い切り安い!
ただ、グラベル用の強度を持たせてあるんでちょっとだけ重いんですよね。
重いと言っても一枚146gくらい(160㎜ローター)
そして、実は安心のマグラ製であったりします。
…と、ここまで書きましたが。
シマノのディスクローターをディスりたいワケではないんですよ。
シマノはサイレントアップデートを繰り返していました。
今の最新ローターも4点支持ですが、随分と歪みにくくはなっているそうです。
そして、レジンパッドも進化したみたいでして、SWISS STOPP製のパッド並みに高寿命な製品へ進化しているようです。
そんなパッドに支えられて、ローターの方の寿命も延びているようです!!
ただし、高いw
アルテグラグレードでも一枚8000円くらいです、確か。
そこをどう見るかですね。
あと、シマノのローターはナローパッドなので、他社ブレーキへ転用はできません。
SRAMもCampagnoloもパッド幅が広いからです。
そこはお気をつけください。
こうやって、シマノさんも日々アップデートされています。
それがどれほど認知されているか。認知されていくか。
これが大事だと思います。
私のようにシマノが嫌いなワケではなく、使っていて「ん?」と思うところがあり
一度離れた人間を、どう取り戻すか。
これにかかっていると思います。
ここ日本においては心配していません。
日本人の日本ユーザーはシマノ大好き人間が多いんで、その優勢さは崩れないでしょう。きっと。
ただ、世界的に見てどうなのか。
世界的に見ても、ロード機材に関してはシマノ優勢なのは変わらないでしょうけれど、UDH規格を引っ提げてダイレクトマウントする変速機を、満を持して投入するSRAMがどれほど幅を利かせるか。
今は、それが見どころであります。
話しを戻して。
グレードによるヒエラルキー的に、105 Di2は優れていると言っても「ちゃんとそれなりに頭を抑えられている」んですよ。
恐らく、変速速度的にはアルテグラやデュラエースと揃えるくらいはいけるんですよ。
ただ、それをやっちゃうと上位機種が売れない。売り辛くなります。
価格差が精度と重量差しかなくなれば、そこに目を瞑れば費用を抑えながら最高に近しい性能を得られてしまうからです。
そこは、ユーザーも理解しないといけません。
そして、いくらシマノが優れていても他社製品を大きく覆すほどの差はありません。
特にグレード間のヒエラルキーを覆すほどの差は、過去にはあったかもしれませんが現行ではそれはあり得ません。
また、シマノにない特徴としてSRAM製品はMTBからのフィードバックとして、リアディレイラーに振動を減衰するフルードを搭載しています。
これが意外と優秀。
舗装路しか走らないロードバイクにおいても、優秀。
マジで優秀。
そして、カーボンクランク。
優秀。
剛性値やそういうのに目を向ければ、冷間鍛造品のアルミクランクで鬼剛性を出しているシマノ製クランクの方が優秀ですが、剛性は低いよりは高い方が良いですが一定の水準を超えていれば、そこはもう他とのバランスです。
SRAM DUBクランクは、実際に使ってみると理解できますが優秀です。
今後はシマノもカーボンクランクを出してくるやもしれません。
(過去に一度だけ限定商品で販売されたようです)
シマノには頑張って欲しいです。
日本メーカーとして、今後も世界と戦ってほしい。
ただ、値上げ!値上げ!は致し方ない要素かもしれませんが、その値上げ分納得できる「何か、もうひとつ」優れた要素を打ち出して欲しいというと、欲張りなのかもしれません。
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Posted at
2024/05/08 15:56:12
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