
山歩きの日記です。
ご興味がない方は、引き返し下さい。
以前、地元にある世界遺産「熊野古道 伊勢路」を踏破してみようと思い立ったものの、ぐだぐだでそのままになっていて幾星霜。
また思い立ったので、まずは一番近くの「
女鬼峠道」へ行ってきました。
熊野古道 伊勢路(熊野街道の旧道)は、伊勢神宮から熊野本宮へと通じる道で、何百年も使われていた道がそのまま残っている(部分もある)ということで、世界遺産に認められたものです。
道の大部分は、現在の国道とか舗装路になっているものの、峠など車の通行には適さない部分が廃道となり、結果的に当時のままに残りました。
伊勢からはしばらく平坦な道が続く熊野街道は、女鬼峠で初めて山道となります。
熊野古道ルートには、そこここにのぼり旗を立ててくれているので、以前よりも分かりやすくなっています。
最初の写真の場所はここ。
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県道の旧道で、現在は行き止まりになっているので、気兼ねなく駐車しています。
しばらくは竹林の中、舗装された道が続きます。

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廃車が放置されていたのですが、回収されてしまったようです。

昔の写真(2009)がありました。

トヨタだからハイエース?
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有料道路・伊勢自動車道の下をくぐります。

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伊勢道の脇にあたる位置に、案内板が設置されています。

歩いてきた道とは別ルートになりますが、ここまでは車で来ることも可能です。
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路面には岩が露出しているところがあり、そこに荷車の轍が刻まれています。
熊野古道の他の峠では見られないものです。

荷車が使えるほど傾斜が緩く、道幅もあったということでしょうか。
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水飲み場跡、と表示されていますが、湧き水は枯れているようです。

山側に石積みされて、道が守られているところもあります。

少ないですけれど。
峠の少し手前、整地されており
茶屋の跡ではないか? と考えられている場所。

何かが発掘されたとか物的証拠は見つかっていないので、
So!的には実は何もなかったのでは? とも思います。
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茶屋跡?からすぐ、峠になっています。

千枚岩の切り通し、と言われており、岩を削って人が通れる道にしています。
大岩の反対側には石積みで土が崩れてこないようにされています。
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峠から少しルートを外れ、山の上へ出ると展望台があります。

熊野方面が望めます。
以前歩いたときには無かった風車群が、山の稜線に並んでいます。

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峠から少し下ると、観音様(如意輪観音)が祀られています。

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この辺りは道広く、小型車なら走れそう。

またありました水飲み場。

こちらは湧き水あり。
雨の後ならば、もっと水が流れていそうです。
道の勾配も緩やかになり、左手に池が見えてきました。

農業用の貯め池です。
貯め池ダムから、女鬼峠方向を振り返る。
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林が終わり、周りが明るくなりました。

右手側は、大神宮寺相鹿瀬寺跡。
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大神宮寺とは、古い寺院の形式で、伊勢神宮(神道)が管理する寺(仏教)でした。
神も仏も一緒に祀る神仏習合思想は、昔は珍しいものではなかったようです。
記録によると、華麗な寺院であったと伝えられています。
ここに建物があったと考えにくい狭い場所なので、参道の入り口で、もう少し奥側に寺院があったのではないでしょうか。
奈良時代の瓦などが発掘されているそうです。
766年建立、775年廃止、9年しか続かなかったお寺。
僧の乱暴があって廃止になったようで、千年以上前のことはわかりませんが、事件の匂いがしますね。
県道119号に合流して、女鬼峠道は終了。

今は民家になっていますが、この辺りに宿があったようです。
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峠を避けるように、現在の道である県道が通っており、新女鬼トンネル(平成8(1996)年開通)が山を貫いています。
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隣にある長さ半分くらいの旧・女鬼トンネル(女鬼隧道、昭和9(1934)年開通)が、昭和の時代は主要道でした。

トンネル開通前まで、女鬼峠道が使われていたのではと考えます。
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旧トンネルは今は封鎖されており、通れません。
心霊スポット、と噂されているようですが、トンネルの上に死刑場があった、という根も葉もない根拠。
山の上の森には、人工物があった形跡もありませんが。
「女鬼」の名が悪いのかも。
紀伊熊野地方の豪族・九鬼氏(信長に味方した九鬼嘉隆が有名)がいた為か、「鬼」がつく地名が割とあります。
女鬼峠も、昔は「祢ぎ峠」と言われていたこともあるそうで、鬼が出るという伝説は後付けではないかと思うのです。
なお、女鬼峠保存会では、
めきちゃん(仮称)をマスコットキャラにしています。
女鬼峠道の感想。
・峠道だが、傾斜は緩く、距離が短い初心者向けルート。
・全体的に整備されていて、歩きやすい。
ルート案内板も10年前よりも増えていて、迷いようがない。
・車の轍跡は、他では見られないものなので、見る価値あるかも?
・展望台からの眺め悪くない。
とにかく緩い峠なので、散歩として歩いてもいいくらいです。
written by So!@BlackInsight
Posted at 2021/02/18 22:02:36 | |
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