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2019年06月09日

地図 ~ここはもともと何だったところ?(1)~

地図 ~ここはもともと何だったところ?(1)~ 地図を見ることが趣味の一つであることを先日紹介しましたが、今日はそんな地図にまつわる話題です。

冒頭写真の空撮、ここは浜松市の一角です。
赤く囲った場所ですが、なんだかおかしな形をしていると思いませんか?

ここはGoogleMAPでいうところの「〒431-2102 静岡県浜松市北区都田町7829」近辺のエリアになります。

赤く囲った枠も左斜め上に円弧を書くようにその先にもおかしな形が続きます。

ヒントは、この赤く囲った右下にある信号機付き交差点「都田口」、この交差点を上下に伸びる道路は通称「モクレン通り」と呼ばれ、初生町の辺りから三方原、この都田口から先の都田テクノランドの入り口まで木蓮の木がずらっと並んだ道になっています。この道の別の呼び方にその名残があります。
おそらく浜松に住んでいる人でも一定年齢以上の人しかこの呼び方で呼ばないとは思いますが別名「電車道」と呼ばれています。

この道は「遠州鉄道奥山線」の廃線跡になります。
遠州鉄道奥山線は、開業1914年~廃止1964年まで遠鉄浜松駅を基点に終点の奥山までを繋いだ軽便鉄道です。
大正に入ってすぐは金指まで、その後大正12年(1923年)に奥山の方広寺付近まで全線が開通しました。

実は自分も都田口までは真っ直ぐ浜松市内から北上する電車道が軽便鉄道跡であるということを知っていましたが、都田口の駅からその先、金指から奥山までの路線はどこを通っていたのか全く知りませんでした。

そこで最初の空撮図の赤く囲った場所の話に戻ります。
ここはロードバイクで走る際に幹線道路の抜け道として走っていたのですが、明らかに周囲の道の曲率と違う円弧を描いた道でした。「変な道?」としてずっと認識していたのですが、古い地図を見てこの場所が都田口から先、金指までの軽便鉄道跡であることを知りました。


右が地理院の最新写真、左は1916~1918年の地理院地図になります。
画像を選択すると等倍サイズの画像が表示されます。
これで見ると、おかしな形の場所に鉄道が通っていたことがわかります。


こちらが1916~1918年の都田口から金指までの地図


こちらは現在のYahoo!地図

金指方面から浜松市街に向かう際、通常は国道257号の祝田の坂を上って根洗の交差点を通るのですが、この坂が結構な急坂です。
EVでこの道を通る際は、急坂を回避するために、国道257号の祝田の坂を降りきったエネオスのある交差点から桜ヶ丘団地の縁を通って中部電力の遠江(とおとうみ)変電所の脇を抜けて都田口に向かうのですが、この道はそのまま軽便鉄道が走っていた道であるということを知って衝撃を受けました。
中部電力遠江変電所は、その昔の「たに」という駅の跡になります。
神宮寺谷と呼ばれた場所は現在の桜ヶ丘団地です。

なるほど、全国で廃線跡が勾配が比較的ゆるやかであることからサイクリングロードに変わることがありますが、勾配がゆるやかなので燃費がよいと選んで走っていた道が鉄道跡だったということかぁ~!納得。

ちなみに現在の天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)は1916~1918年の地図では影も形もありません。

二俣線が登場するのは1938~1950年の地図になってからです。
それもそのはず、二俣線は軍事上の要請から、浜名湖付近で海岸線を通る東海道本線が攻撃により不通になった際のバイパスとするために昭和になってから着工された線路になりますので、比較的若い鉄道線路なのでした。

地理院所蔵の空中図としては1965年のものが残っています。
遠州鉄道奥山線は1964年廃止ですので、廃止から約1年後の写真になります。
実際には米軍が1940年代に撮影した空中図もありますが、少し解像度が荒いので、線路であることがなんとなくわかる写真になっています。


これが1965年、右下が都田口。まだ鉄道跡がはっきりと追えますね。


これは1975年、都田口から左斜め上はすでに木に覆われています。


これは1980年、さらに木に覆われていますが、中部電力の遠江変電所が開設され現在の道路がこの時に出来上がっています。


これが現在、木で覆われた場所が伐採されて「おかしな形」と紹介した場所がむき出しになっています。

どうです?古い地図を見る楽しみが少しは判っていただけました?w

ブログのネタになりそうですので、折を見てこんな話を紹介していければと考えています。
ブログ一覧 | 地図の話 | 趣味
Posted at 2019/06/09 04:59:25

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この記事へのコメント

2019年6月9日 8:30
nop_all さん、おはよーございます。

廃線跡を辿るのは、とても楽しめますね。
うちの地域でも、2つの市をつなぐ路線がありました。
上のものから聞いていたので、nop_all さんに古今東西マップを教えて頂き早速見たところ、完全につながっている地図がないのです!?
なぜと確認したところ、どうも戦中のデータは敗戦が濃厚になった時点で破棄されているのではとの事でした。
そのころの解析には、米軍の航空写真は有効ですね。
次の掲載も楽しみにしてまーす♪
コメントへの返答
2019年6月11日 14:34
toro_555さん、こんにちは。

廃線跡巡りは楽しいですよね。
地図がないところにはそのような事情もあるのですね。
浜名湖近辺は意外と各時代の地図が残っているので、恵まれた地域なんだなと改めて実感しました。
米軍の写真はよく公開になっているものだと不思議ですが、有効です。
広島の市街に関しては原爆投下前の投下地点決定用に撮影したものや、投下後すぐに撮影したものも公開されていて、ちょっと驚きです。

それほどネタ的には豊富ではないですが、次回をお楽しみに~
2019年6月9日 12:53
 こんにちは。

 昔は地形図の切り通しや盛土等の地図記号の不自然さから廃線跡や旧線跡を見つけたものですが、今は空中写真があるので一目瞭然ですね。

 奥山線跡は十数年前に全線歩いたことがあります。橋や小道の痕跡が所々残っており、再利用されている所もあって歩き甲斐がありました。

 ところで都田(口)駅跡北のカーブは、昔の地形図から切り通しだったことがわかります。私が歩いた時は既に埋められていましたが、一緒に歩いた方は埋められる前の様子を知っていました。

 それから変電所付近の廃線跡は道路南側の土手の中腹を走っており、谷駅はその途中にありました。東側に築堤と短い橋の跡が残っていましたし、西側に藪に埋もれた路盤跡を確認できました。

 あれから随分経つので変化しているかもしれませんね。
コメントへの返答
2019年6月11日 14:22
こんにちは。

廃線跡探訪のwebを興味深く見させていただきました。早速ブックマークしたのはいうまでもありません。

空中写真は便利ですよね。webで申請なしで見れるなんて本当にいい時代になったものです。

浜松市街の奥山線跡についてはそのまま歩道になって残っているほか、引佐の田舎の方でも小道となって再利用されているので歩き甲斐がありますよね。

カーブ部分は私も埋められた後しか記憶に残っていません。30年程前の高校生時代にあの辺りは自転車で何度も通っていたのですが…

変電所付近は今の道がそのまま線路ではなかったのですね、指摘を受けてから車で何回か通ってみましたが確かに道路南がずっと土手になっています。
短い橋に関しても「ここかな」という場所を確認できました。
なるほど、より理解できました。

桜ヶ丘南公園付近は藪が深くはなっていますがかろうじて状態を保っています。

浜松には他にも「浜松電気鉄道笠井線」という鉄道跡があります。こちらはもう痕跡があまり残っていないですね。
あと、静岡県には軽便鉄道としては日本最長規模と言われた静岡鉄道駿遠線がありますので、ぜひ探訪してみてください。

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