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2019年10月31日 イイね!

え~!一部地域って期待外れスギ

EVOC 2019カンファレンスにて、三菱自動車のプレゼン内で紹介されていた内容の一つが10月2日にニュースリリースで発表されていました。

三菱自動車、「電動DRIVE HOUSE」を一部地域で販売開始

「電動DRIVE HOUSE」は、太陽光パネルやV2H機器などで構成するシステムをパッケージ化し、電動車の購入と合わせて販売会社で販売・設置からアフターメンテナンスまでをワンストップでご案内するサービスということだったので、これが始まるのであればSCiBのミニキャブ・ミーブを1台新車で買ってウハウハ、と考えていました。

一部地域=東日本三菱自動車販売(株)世田谷店による一部地域だそうです...orz

狭い、狭すぎるよ三菱自動車さん。


そういえばオークションで入手したV2H機器はさておき、新しいニチコンのV2Hを設置したいので一度連絡が欲しいと伝えた株式会社JM、何の連絡もないなぁ...orz
2019年10月30日 イイね!

手動から電動格納式ミラーに交換したが...

手動から電動格納式ミラーに交換したが...本内容は整備手帳に上げた「電動格納式ミラー交換」に書ききれなかったことを記載します。

私の所有しているi-MiEV Mグレード(2012年)は廉価版の位置づけの製品だったためか、ドアミラーは手動格納式(ミラーの角度調整は電動です)でした。
贅沢装備品と考えていたので、無くてもいいやと思っていたのですが、自宅駐車の都合上、隣のミニキャブ・ミーブのドアの開閉の邪魔になることから、常に駐車した後に助手席側だけ倒して、移動時には戻すという作業が発生してしまいました。意外にこれが面倒です。


余裕なく停めているということもありますが...


ミニキャブ・ミーブのドアが開いた先にドアミラーがあり、格納しておかないとほぼ確実に当たります。
とはいえi-MiEVのドアを守るという意味では丁度よいストッパーとして機能しますが、狭くて乗り降りがしにくいです。

さらに、倒したまま走ってしまったりと厄介だったので、電動格納式への交換を考えていました。

ガソリン車アイの時代から、手動式を電動式にポン付け交換するのは定番の作業だったようで、いくつか参考になる情報がみんカラにも上がっています。
そんななか、電動格納式ミラーとスイッチ一式が安くオークションで入手できました。

このミラーはガソリン車アイのものです。

交換はかなり面倒と予想して、まずは届いた品の動作確認だけでもしなければと作業を開始しました。

動作確認をするためにも、今のドアミラー配線を外して入手したミラーユニットに接続することと、スイッチユニットを交換することが必要になります。


最初にドアのミラー裏側にあるカバーを外します。
このカバーはフックでボディに固定されているだけですので、上端を掴んで赤線矢印方向に引っ張ることでフックが外れます。


外れました。
ミラーユニットは3本の10mm6角ボルトで固定されています。


配線はドア内張りの中に伸びていますので、内張りを剥がす必要があります。(ちょっと面倒)


これが外れたカバー、裏の固定箇所の位置の参考にどうぞ。
下はドア内張りに引っかかっているので、上に手をかけないと駄目なことが判ります。

ドア内張りを外すには、3本のネジを外す必要があります。

1箇所目はここ


2箇所目はここ


3箇所目はここ...汚くてすみません。


ネジを外したら、窓の開閉スイッチの付いたこのパーツを外した方がよいです。
この位置から力を入れて、上にこじると外れやすいです。
スイッチにハーネスが接続されているので、これを外せば、内張りを大きくずらすことができますので、面倒でもこの作業はした方がよいかも。


ドア内張りは矢印位置に手を突っ込める隙間があるので、そこに手を入れ手前に強く引っ張ることで各所のフックが外れ、取り外すことができます。

ボディ側からはワイヤーがロックと開閉レバーに繋がっていますので、内張りは完全には外れません。
ドアミラー配線にアクセスできるよう、ずらしておきます。

次にスイッチの交換です。
手動格納式ドアミラー車のスイッチはミラーの位置調整のみで、格納/展開のスイッチがありません。
車体のハーネスに関しては、手動格納式でも格納/展開の配線がされています。

スイッチはインパネのハンドルポスト右側のスイッチパネルにあるので、スイッチパネルを外すのですが、それにはまずハンドルポスト下のパネルを外します。


矢印2箇所のネジを外します。


外れました。このパネルには普通充電口のオープナーにボディからワイヤーが繋がっていますので、パネルそのものは外れません。足元に転がしておきましょう。


スイッチパネルは矢印2箇所で固定されていますので、この勘合を外します。


取れました。

一番右のミラー用のスイッチにハーネスがコネクタで接続されているので外します。


電動格納式のスイッチユニットに配線を接続しました。

当日の作業では、ここでミラーユニットの配線を外し、電動格納式ミラーユニットを接続して動作確認をしました。
動作確認ができたので、後日正式に交換...と思ったのですが、ここまでバラバラになっていれば、実際に交換してしまった方がよいですよねw
方針変更です。

スイッチパネルへのスイッチユニットの固定は突起が引っかかるようになっているだけですので、細いマイナスドライバ(自分は精密ドライバを使いましたが)を差し込んで2面の引っかかりを外すことで外せます。
外した位置には、格納/展開のスイッチユニットを嵌めます。


スイッチパネルは最初に上側の3箇所を引っ掛けてから、下2箇所を引っ掛けて固定完了です。

その後、ハンドルポスト下のパネルを戻します。


固定している10mm6角ボルトを外して、ミラーユニットを取り外します。
うげ、今まで洗えていなかった箇所に泥砂が溜まっています。
必要に応じて掃除しましょう。私は掃除しました。

ミラーユニットのハーネスが途中でカプラで外せるので、外します。

こちらが手動格納式のハーネス。信号線は3本です。


こちらが電動格納式のハーネス。信号線は6本です。
スイッチユニットと同じく、手動格納式のモデルでもボディ側の配線は電動格納式のものとなっていますので、面倒な配線作業は必要ありません。
ポン付けです。

momoのロゴが付いたLEDウィンカー機能搭載電動格納式のミラーユニットの場合は、ウィンカー配線がコネクタ付きで1本別になっています。
おそらくドアヒンジ部にある蛇腹ゴム配線部品を通してボディ側のウィンカー付近に繋ぐ必要があると思われます。

同じタイミングでこのミラーユニットも出品されていたのですが、配線が面倒臭そうなので見送りました。
とはいえこちらの方がミラーカバーの色がシルバーだったので、シルバーボディにはぴったりなのですが...


交換完了です!
中古品ですが、光沢部分にはキズもなく良品でした。
新品だと固定ボルトのネジ穴が切られておらず、タップ作業が必要という情報があります。

意味もなく開け閉めしたりして楽しみましたw

当初心配したのが、三菱車ってETACSというヘッドライトやドアミラー、ワイパーなどの電装品をトータルに制御するユニットが使われています。
ボディハーネスこそ電動格納式と同じ配線が使われていますが、Mグレードは電動格納式ではないので、ETACSが対応していないのではないかと不安でしたが、これは杞憂でした。
①スイッチパネルのボタンによる格納と展開
②リモコンキーの3回押しで格納と展開(ロック3回で格納、解除3回で展開)
③格納されたまま車速が30km/h程度を超えると自動展開される
これらがきちんと動きました。

リーフの場合はドアロック施錠時に格納、システムON時に展開されるので、施錠したかの確認に使え便利ではありますが、毎回3回押しすればいいので多くは望みません。(リモコンの電池は早く無くなりそうですが)
ちなみに3回押すタイミングですが、2秒間隔ぐらいでも動いてくれるので、寛容な条件になっています。

車速が30km/hを越えると自動展開されるのには驚きました。ETACS頭いい~。
リーフ方式の場合、格納しないと当たってしまう駐車の際、システムONにすると展開されるのはちょっと嫌ですよね。(確認していないですが、リーフの場合手動で格納していれば次回システムONの時は自動展開されないのかも)

トータルの作業時間も1.5時間程と、結構楽な作業でした。写真を撮りながらだったので、それがなければ1時間程度かもしれません。

以前作業したマップランプの取り付け以上にお手軽で満足度も高く、これはおススメの作業です。
マップランプ取り付け、のついでにデッドニングと断熱(1)
マップランプ取り付け、のついでにデッドニングと断熱(2)

本来ならばここまでで「めでたしめでたし」で締めるのですが、整備手帳にいただいたコメントに絡む情報を...


今回交換に使用した電動格納式ミラーユニットは、三菱アイのものでした。

Mグレードが追加された2011年の三菱の発表にあるように、i-MiEVではミラーサイズが大きくなりました。
三菱自動車、新世代電気自動車『i-MiEV』を大幅に改良
「2.主な変更点(2)安全装備の強化 従来より大型のドアミラーを全車に採用し、後方視界を向上させた。」の部分ですね。

左がMグレードから外したもの、右がアイのものです。
確かに大きさが違います。
「電動格納式になるとミラーが小さくなる」という情報を知っていたので、これはマイナスポイントだなぁと思っていたのですが、今回よこよこさんから指摘を受けて調べたところ、いわゆる2011年式以降のi-MiEVは電動格納式でも大きいミラーでした。

パーツリストを調べてみると、大きいミラーのものが今も入手可能です...orz
ま、中古で安かったから良しとしよう。

とはいえ実際に交換して走ってみましたが、それほど違和感はありません。(馴れたというだけかも)
これはミラーの寸法だけでなくミラーの位置も関係しているのかかもしれません。

実際に位置の違いを確認してみましょう。



上が大きいミラー、下が小さいミラーです。
大きいミラーは窓ガラスの前にある黒い樹脂パーツの付け根からほぼ真横にアームが伸びてその先にミラーが付いていますが、小さいミラーは黒い樹脂パーツの付け根から斜めにアームが延びてその先にミラーが付いています。
小さいミラーの方が、ミラー位置がボディの前後でいうと後退しています。

個人的な感想としては、大きいミラーの方がミラーカバーが大きく不恰好で外形に関してはあまり好きではありません。



ドアを閉じた状態で見れば、後退状況がより判りやすいかも。



助手席に座った状態で助手席側のミラーを見ると、これだけ位置が違って見えます。

視線移動という観点からは、大きいミラーの方が移動は小さいので人間工学的には優れているのでしょうね。
とはいえ小さいミラーの方が僅かですが目に近いので、ミラーに映る範囲が小さくなったという事実が相殺されている印象です。

負け惜しみではないの?と言われれば否定できませんがw、それ以上に快適になったのでこれで十分です。
いざとなれば、大きいミラーの部品を入手すればいいだけだし。


小さいミラーの方が厚ぼったくないので、畳んだ状態でもスリムです。


ますますi-MiEVへの愛着が沸きました。
Posted at 2019/10/30 12:51:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | i-MiEV | クルマ
2019年10月28日 イイね!

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(4)

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(4)Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(3)の続きです。

前回までで、SCiBを冷却するかしないかはあなた次第、などと無責任で中途半端な結論になってしまい申し訳ありません。
バッテリパックの構造上簡単には素人が手を出せない状態になっているので致し方ないですが、これは裏を返せば堅牢製が担保されているということの証なので、喜ぶポイントなのですよね。
とはいえ少し悲しい...

さて今回は完全にオマケの話です。
おそらくi-MiEVを古くから知っている方なら常識な話かもしれませんが、ご容赦を。

LEV50・LEV50Nのバッテリパックは空冷されているということは揺るぎのない事実なのですが、前回紹介の動画を見ていて「あれ?」という箇所がありました。

i-MiEVからバッテリパックを降ろしてセルを交換する動画です。
あ、みんカラでのYoutube動画再生は画面が小さくなってしまうので、Youtubeでご覧になることをお勧めします。

2分10秒から降ろしたバッテリパックの上下分割のケースを外す作業が始まります。


エアコンからの冷気を取り込む吸入口がない!
バッテリパック内にも冷気の通路を確保するダクトがありません。

ひょっとして最初期のモデルは排気だけだった?

こちらは結構有名な動画と思いますが「Making of the Mitsubisih i-MiEV Electric Car (Part 2)」です。

初っ端からバッテリパックの組み立て作業から始まります。
1分0秒でシロッコファンが登場します。
1分10秒で上側のケースと勘合させる部分がありますが、やはり吸入口がありません。
うっすらと左右に吸入口を取り付けできるように計8箇所穴加工をする位置が見えます。

さらに不思議なのは、上側ケースのシロッコファンの口に部品が付いていません。
シロッコファンは上側ケースに設置されるはずだけど、電源配線ってどうなってるの?

動画を見れば見るほど、疑問が増えてきましたw

ちなみにPart1はこちらです。


バッテリ冷却に関しても、仕様が変更されていったのでしょうね。
とはいえ加工穴が用意されていたということは、最初から冷気導入を検討していたということで、排気だけでは効果が薄かったということなのかな?

三菱での作業動画にシロッコファンの口がなかったのが謎です。
考察(4)でようやく思いついたけど、ひょっとしてシロッコファンは排気と決め付けていたけど、吸気という可能性もあるのか?

メンテナンスハッチの隙間具合に関しては、こちらの動画が参考になります。


これを見ると、あまり隙間は大きくないような...
ちなみにこの動画のバッテリパックは右ハンドル車用ですね。

左ハンドル車のバッテリパック分解はこちらの動画になります
水没したi-MiEVのバッテリパックを外して分解しています。

4分23秒から水で洗って綺麗になったダクト周辺の確認ができます。
4分44秒から上側ケースの裏側(ケース内側)が確認できます。

これはCitroen C Zeroです。

7分19秒からダクトを取り付けています。

こうして右ハンドルと左ハンドルのダクトを見て比べると、左ハンドル仕様の方が吹き出し口の数が多くて冷気がまんべんなく回りそうな気がします。

右ハンドルはメンテナンスハッチのコネクタが邪魔でダクトの形状が適切ではないような...

水没バッテリの動画を公開されている方は太陽光パネルやリーフのバッテリセルモジュールを使って試験をしたりしているようで、こうして動画を探してみると、世界中に変態はいるのだなぁと感心してしまいます。

さて長々と結論の出ない話題にお付き合いいただきありがとうございました。
とりあえず本考はここで一旦終了しますが、新たな事実や私が試したことがあったら話題として公開していきます。
Posted at 2019/10/28 01:12:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | i-MiEV | クルマ
2019年10月27日 イイね!

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(3)

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(3)Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(2)の続きです。

GSユアサの技術文書で、LEV50・LEV50Nには空冷だけでなく、冷却プレートによる冷却がされていることを知り、SCiBでは冷却プレート機構を用意するのは困難なので、空冷だけでは効果は殆ど望めないということで、諦めたのが前回の内容になります。

本来であれば前回の報告で「はい、無駄無駄、撤収~」とするつもりだったのですが、本件をブログ化するにあたり、再度調査をしたところ見過ごせない事実に気が付きました。

結論から記載すると、本考察は未完に終っています。
というかLEV50・LEV50Nの空冷に関しても疑問が発生してしまいましたw
完全にお手上げです。

さて、どんな事実が浮かび上がったのでしょうか...

まず最初に明らかにしていきたい事実ですが、LEV50・LEV50Nは本当に冷却プレートで冷却されているのか?という内容です。

バッテリパック内のセルの密集具合からすると、空気の対流と冷気の流れだけで効率的に上がったバッテリセルの温度を下げることができるのか?と考えた私は冷却プレートを使っているのであれば可能であろうということで、冷却プレート万歳な考えに傾きました。

しかし、i-MiEVのパーツリストを見ても、冷却プレートに該当するパーツが見つかりません。

alt
バッテリパック外装
バッテリパック外装の底面にて各LEV50セルが乗る1枚プレートで冷却しているのでは?と思っていましたが、LEV50セルのパック(4個と8個)がきちんと格子状に格納されるように仕切りが設けられています。

空冷のダクトも部品として存在しています。シロッコファンも部品発注できそうです。吸入口のパーツは残念ながら部品番号が付与されていません。
ひょっとしたらボディ系のパーツリストの中にあるかも。

alt
LEV50セルのパックと配線材料
ではLEV50セルのパック毎に冷却プレートが付いていて、と思ったのですが、セル間を電気的に繋ぐBUS BARはパーツとしてありますが、冷却プレートで回収した熱を伝達するパーツがありません。

alt
インバータ以外の回路?

alt
配線

冷却プレートに関係する部品は存在しなさそうです。

alt
そもそもGSユアサの資料ではセルブロックはまず格子状の樹脂製ケースに収まった後に外壁を金属製ケースで覆われ、底面に冷却プレートが付く構造になっています。
金属プレートからはヒートパイプのようなものが伸びています。
でも2本あるからプレートそのものがペルチェで、+/-の配線が伸びるのかな?

この構造からすると、全体で冷却をしているのではなく4セルや8セルのパック毎に冷却をしているようです。

そんな構造になってたかな...
困った時はにゃんた発電所さん
【話題】三菱 i-MiEV LEV50 ユニット 中身確認してみた

alt
黄色いセルでLEV50のようです。
底面に資料にあったようなプレートが...ある?

4セル同士は黒い底面素材の上に乗るようになっていますが、この黒い素材が金属?

alt
これが8セル用のセルマネジメントユニット(CMU)

alt
これが4セル用のセルマネジメントユニット(CMU)

真っ当に考えれば、CMUに冷却の制御も含まれていると考えるのが妥当です。
その底面にプレートがない?

alt
答えはImpressの画像の中にありました。

LEV50Nの8セルって、横に格納されているのですね。
写真の上の面はLEV50Nの短い側面になります。では底面はどこかといえば...そう、写真の右斜め側面が底面になります。LEV50Nのセルの外皮色である水色の色が覗いています。
底面にプレートなんて存在してないじゃん。
騙された...orz

Impressのはプレス用の写真だから違うのかも、他に探してみよ。


逆方向から撮影した、現物のバッテリパックです。
やっぱり底面には水色が見えています。
冷却してないじゃん。

結局のところ、技術資料にあった冷却プレートと思われる機構は確認できませんでした。

関係ないですが、この写真の冷却ダクトの形状はImpressの写真やパーツリストの形状と異なります。おそらくこれは左ハンドル車用のダクトです。


これも先ほどのと同じダクト形状ですね。

Googleの検索ではあまり詳しい情報が見つからないので、Youtubeで探してみました。


これはLEV40とLEV50を分解している動画です。
10分9秒からLEV50の分解が始まります。
17分45秒で1セルを外した底の部分が確認できます。


これは車両からバッテリパックを外して、不良なLEV50のセルを取り出してLEV50Nに交換をする動画です。
12分8秒でパックの底面を押して黄色いLEV50を取り外しています。

4セルの樹脂ケースには底面がありますね。8セルの穴の開いた黒い底面素材が金属だったとします。LEV50のセルは4セルの樹脂底面を介して8セルの底面に熱的に結合します。4セルの底面に穴が開いているので、そこに熱伝道ゴムなどを敷いて8セルの底面と接触していれば熱は効率よく伝達するでしょうが、少なくとも熱伝導ゴムのようなものは使われていることが確認できていません。

ここまでの状況から、i-MiEVのLEV50やLEV50Nでは冷却プレートによる冷却はされていないと思わざるを得ない状態で、冷風を使った空冷による冷却のみの構造のようです。

ということで、SCiB空冷の目がまた出てきました。
しかしながら前回「Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(2)」で指摘したように、樹脂ボディに密封されたSCiBパックの構造の問題は残っています。
単にバッテリーパックの中を冷気を通してどれだけ各セルの温度が下がるかは少し疑問です。
これを含め、考えられるSCiB冷却の課題を挙げてみましょう。

①SCiBセルが露出されていない
LEV50・LEV50Nのようにセルが露出されていないSCiBでは、冷気による空冷がどれだけ効果があるか懐疑的です。
バッテリパックを外して、SCiBの各モジュールを外し樹脂ケースを加工するというのはとんでもない労力になります。

②冷気の投入口をどうする?
パーツリストを一通り見てみましたが、送風口のパーツが見当たりません。もし見つかったとしても、加工にはバッテリパックの脱着が必要になり、大仕事になります。
一つ逃げ道があるとすれば...メンテナンスハッチを使うという手があります。
ハッチ内がどの程度隙間があるのかが謎ですが、それなりの隙間があればここに冷風を突っ込むことでバッテリパックの脱着は避けられます。

③排気をどうする?
冷気を突っ込んでいるだけのリーフの冷却結果から、排気をしないと冷気を入れた効果は限定的であることが判っています。
となると、シロッコファンを付けたくなってきますが、これを付けるためにはバッテリパックを脱着する必要があります。
これに関しては逃げ道はありませんね。

④充電中に冷却できない
MiEVリモートシステムが付いていない私のMグレードではプレ空調が使えませんので、エアコンがONになるのは走行中のみです。
よこよこさんのXグレードのように、充電中に冷却機構が働いてこそ効果がある筈で、走行中は電力供給でバッテリ温度は上がることから、焼け石に水...かも。

このようにSCiBの冷却に関しては、まだ少し分が悪いと思われます。

ただし今回の調査をするうえで、気が付いた点があります。


バッテリパック底面にはヒューズ交換用に外せるパネルが存在します。
遮蔽板を外すことで、この金属カバーパネルを外すことができます。
水が入ったらアウトでかなり危険ですが、パネルを外した状態では内部の空気に自由にアクセスできます。
バッテリパック内の空気を入れ替えできればと妄想してしまいますw

例えばここにボックスのカバーを付けて、水が直接中に入らないよう工夫してシロッコファンで排気をするとか。
バッテリパックを脱着する必要がないのでこれはかなり楽に作業できる筈です。

結局のところ「これだ」という決定打がなく、結論が出ない本件ですが、私の調べた情報は以上になります。
さらなる情報があれば教えてください。また、この情報を元にSCiBの冷却を試してみようではないか、という方がいらっしゃいましたら、ぜひチャレンジしてみてください。

私としては、やはり手間の割にはリターンが少ないような気がして、実施には躊躇してしまいます。
3Dプリンターでもあれば、バッテリパック底面のボックスを作ったりしたいなぁ。

今回も長くなってしまいました。
動画を見ていてどうでもいい新たなネタがありますので、その4としてそれをお伝えします。
Posted at 2019/10/27 13:24:15 | コメント(3) | トラックバック(0) | i-MiEV | クルマ
2019年10月26日 イイね!

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(2)

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(2) Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(1)の続きです。

冷却機構の搭載されていないSCiBにLEV50・LEV50Nのような冷却を行うようにできないか、バッテリパックの形状を確認したところ、意外にも共通の筐体を使いまわしているようなので、なんとなくではありますが、冷却する手段はありそうな気配を感じてきました。

ということで、次はLEV50・LEV50Nでは実際にどのように冷風をパック内に導入して排気しているかを確認してみましょう。
これに関してはInpress Car Watchに参考となる写真がありました。
三菱「i-MiEV」の電気自動車関連技術をチェック


パック内の冷風ダクトの付いた状態が確認できます。

あれ?「Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(1)」で紹介したImpressの画像と少し様子が違う。


送風口の中にはLEV50のセルが見えています。
おそらくこの写真は内部ダクトの付いていない状態でパック上部の筐体(カバー)を付けて中を覗いた写真なのでしょう。
実際には冷風口からの風はこのダクトを通ってパック内に入った後に分配されているようですね。

この写真から明確に判明する出口は1箇所です。

矢印の先です。

他にこのダクトの写真はないかと探して見ると先に紹介した「にゃんた発電所」さんのところにありました。


矢印の先の2箇所です。
大きく3箇所から冷風は分配されて排出されています。

バッテリパックの中央から排出される空気は、バッテリセルのみでなく、パック中央に配置される急速・普通の両インバータ回路も一緒に冷却しているようです。
Impressの写真ではインバータ回路の場所は空っぽですが、にゃんた発電所さんの写真では充電コネクタからハーネスの付いたインバータが搭載された様子が確認できます。

ここで疑問が出てきました。
①このダクトを使う方法だとバッテリの前半分のセル達しか冷却されていないのでは?
②シロッコファンは後ろ半分のセルの上に位置するので(パック外形から判断)これだと冷風はパック上面を移動するだけで、内部を効率的に循環しないのでは?
③冷風の大きな流れは前から後ろ(縦)への流れだけど、それに抗うように横に並んだセルは効率が悪いのでは?
④セル間の隙間は数ミリ程度だけどこれで十分なの?


5mmは空いてなさそうで、いいとこ3~4mm程度の隙間でしょうか。

そもそもエアコンの冷気を使っているとはいえ、空冷でバッテリの温度をどこまで下げることができるか、懐疑的な自分がここにいますw

例えばこちらの記事とか
一度熱くなったバッテリーを冷やすのは大変です。(EVOCサイト)

リーフで同じようにメンテナンス口から冷却をされている方の試みを見たことがありますが、そちらも効果的ではなかった覚えがあります。

これらリーフでの試みは空気を突っ込むだけで排気をしていません。ひょっとして、i-MiEVの場合にはシロッコファンで排気を行っているのが肝なのか?
と、思いつつネットを徘徊していたところ、興味深い資料を見つけました。

GSユアサのMaking History 第15号
車載用リチウムイオン電池の冷却技術

こちらの資料内でLEV50の底に冷却プレートが使われていることが紹介されています。


冷却プレートはそのまま空冷では効果が薄いですが、ペルチェ素子を一部につけて熱交換すれば効率よく冷却できそうです。

これがLEV50・LEV50Nの冷却の秘密なのかと納得をしたのですが、これって冷却プレートを持たないSCiBでは簡単に実現できません。
冷却風での空冷+積極的な冷却プレートでの冷却を考えると、冷却プレートの方が効果は高そうです。

Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却の考察(1)にて、努力に比較して成果は期待できそうにないという結論に達したのはこれが原因です。

シロッコファンや冷却口はなんとかパーツとして入手はできそうですが、冷却プレートとその冷却機構はi-MiEVのパーツリストを見ても見当たりません。
プレートでの冷却の実現はかなりハードルが高いです。

また、SCiBで冷却風での空冷を実現するためには、少々問題が考えられます。
それはSCiBセルの集積構造です。
SCiBバッテリパックの中身を確認してみましょう。
写真で見る「Smart City Week」、電力見える化時計や太陽集光鏡、宅内連携EVなどに注目 (2/2) (Impress Car watch)



本稿でお馴染みのにゃんた発電所さん


気付かれました?
LEV50の写真と比較すればわかり易いかな。


LEV50は樹脂性ケースの開口部が多くセルが露出していますよね。SCiBはセルがほとんど露出していません。
SCiBでは冷却風で空冷をしたとしてもセルまで空気が届かないのです。これは結構致命的ですよね。

冷却機構を持たないSCiBで、最外周のバッテリパックに水をかけて冷却できないか?という案があるのですが、最外周のバッテリパックは樹脂製で熱伝導率が低いうえに、その中に格納されたセルを集積するケースもこれまた樹脂製で、さらにほぼ空気と触れない構造ですから、おそらく絶望的に冷却はされないと考えられます。

ということで考察の結果、Mグレードの駆動用バッテリ(SCiB)冷却は「諦めた方がよい」という結論に今のところ達している状況です。

本来はここで終了しようと考えていた本考察ですが、ちょっと見過ごせない事実が判明してきたので、その3に続きます。
Posted at 2019/10/26 23:43:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | i-MiEV | クルマ

プロフィール

「今夜はこれでした、私たちが光と想うすべて」
何シテル?   08/02 23:03
今のところメイン使用であるS2000と、その他車や自転車、ガジェット類諸々を話題に。 リーフ契約を機に、みんからを始めました。しばらくはリーフ関連の話題が中心...
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