
本内容は整備手帳に上げた「
電動格納式ミラー交換」に書ききれなかったことを記載します。
私の所有しているi-MiEV Mグレード(2012年)は廉価版の位置づけの製品だったためか、ドアミラーは手動格納式(ミラーの角度調整は電動です)でした。
贅沢装備品と考えていたので、無くてもいいやと思っていたのですが、自宅駐車の都合上、隣のミニキャブ・ミーブのドアの開閉の邪魔になることから、常に駐車した後に助手席側だけ倒して、移動時には戻すという作業が発生してしまいました。意外にこれが面倒です。

余裕なく停めているということもありますが...

ミニキャブ・ミーブのドアが開いた先にドアミラーがあり、格納しておかないとほぼ確実に当たります。
とはいえi-MiEVのドアを守るという意味では丁度よいストッパーとして機能しますが、狭くて乗り降りがしにくいです。
さらに、倒したまま走ってしまったりと厄介だったので、電動格納式への交換を考えていました。
ガソリン車アイの時代から、手動式を電動式にポン付け交換するのは定番の作業だったようで、いくつか参考になる情報がみんカラにも上がっています。
そんななか、電動格納式ミラーとスイッチ一式が安くオークションで入手できました。

このミラーはガソリン車アイのものです。
交換はかなり面倒と予想して、まずは届いた品の動作確認だけでもしなければと作業を開始しました。
動作確認をするためにも、今のドアミラー配線を外して入手したミラーユニットに接続することと、スイッチユニットを交換することが必要になります。

最初にドアのミラー裏側にあるカバーを外します。
このカバーはフックでボディに固定されているだけですので、上端を掴んで赤線矢印方向に引っ張ることでフックが外れます。

外れました。
ミラーユニットは3本の10mm6角ボルトで固定されています。

配線はドア内張りの中に伸びていますので、内張りを剥がす必要があります。(ちょっと面倒)

これが外れたカバー、裏の固定箇所の位置の参考にどうぞ。
下はドア内張りに引っかかっているので、上に手をかけないと駄目なことが判ります。
ドア内張りを外すには、3本のネジを外す必要があります。

1箇所目はここ

2箇所目はここ

3箇所目はここ...汚くてすみません。

ネジを外したら、窓の開閉スイッチの付いたこのパーツを外した方がよいです。
この位置から力を入れて、上にこじると外れやすいです。
スイッチにハーネスが接続されているので、これを外せば、内張りを大きくずらすことができますので、面倒でもこの作業はした方がよいかも。

ドア内張りは矢印位置に手を突っ込める隙間があるので、そこに手を入れ手前に強く引っ張ることで各所のフックが外れ、取り外すことができます。
ボディ側からはワイヤーがロックと開閉レバーに繋がっていますので、内張りは完全には外れません。
ドアミラー配線にアクセスできるよう、ずらしておきます。
次にスイッチの交換です。
手動格納式ドアミラー車のスイッチはミラーの位置調整のみで、格納/展開のスイッチがありません。
車体のハーネスに関しては、手動格納式でも格納/展開の配線がされています。
スイッチはインパネのハンドルポスト右側のスイッチパネルにあるので、スイッチパネルを外すのですが、それにはまずハンドルポスト下のパネルを外します。

矢印2箇所のネジを外します。

外れました。このパネルには普通充電口のオープナーにボディからワイヤーが繋がっていますので、パネルそのものは外れません。足元に転がしておきましょう。

スイッチパネルは矢印2箇所で固定されていますので、この勘合を外します。

取れました。
一番右のミラー用のスイッチにハーネスがコネクタで接続されているので外します。

電動格納式のスイッチユニットに配線を接続しました。
当日の作業では、ここでミラーユニットの配線を外し、電動格納式ミラーユニットを接続して動作確認をしました。
動作確認ができたので、後日正式に交換...と思ったのですが、ここまでバラバラになっていれば、実際に交換してしまった方がよいですよねw
方針変更です。
スイッチパネルへのスイッチユニットの固定は突起が引っかかるようになっているだけですので、細いマイナスドライバ(自分は精密ドライバを使いましたが)を差し込んで2面の引っかかりを外すことで外せます。
外した位置には、格納/展開のスイッチユニットを嵌めます。

スイッチパネルは最初に上側の3箇所を引っ掛けてから、下2箇所を引っ掛けて固定完了です。
その後、ハンドルポスト下のパネルを戻します。

固定している10mm6角ボルトを外して、ミラーユニットを取り外します。
うげ、今まで洗えていなかった箇所に泥砂が溜まっています。
必要に応じて掃除しましょう。私は掃除しました。
ミラーユニットのハーネスが途中でカプラで外せるので、外します。

こちらが手動格納式のハーネス。信号線は3本です。

こちらが電動格納式のハーネス。信号線は6本です。
スイッチユニットと同じく、手動格納式のモデルでもボディ側の配線は電動格納式のものとなっていますので、面倒な配線作業は必要ありません。
ポン付けです。
momoのロゴが付いたLEDウィンカー機能搭載電動格納式のミラーユニットの場合は、ウィンカー配線がコネクタ付きで1本別になっています。
おそらくドアヒンジ部にある蛇腹ゴム配線部品を通してボディ側のウィンカー付近に繋ぐ必要があると思われます。
同じタイミングでこのミラーユニットも出品されていたのですが、配線が面倒臭そうなので見送りました。
とはいえこちらの方がミラーカバーの色がシルバーだったので、シルバーボディにはぴったりなのですが...

交換完了です!
中古品ですが、光沢部分にはキズもなく良品でした。
新品だと固定ボルトのネジ穴が切られておらず、タップ作業が必要という情報があります。
意味もなく開け閉めしたりして楽しみましたw
当初心配したのが、三菱車ってETACSというヘッドライトやドアミラー、ワイパーなどの電装品をトータルに制御するユニットが使われています。
ボディハーネスこそ電動格納式と同じ配線が使われていますが、Mグレードは電動格納式ではないので、ETACSが対応していないのではないかと不安でしたが、これは杞憂でした。
①スイッチパネルのボタンによる格納と展開
②リモコンキーの3回押しで格納と展開(ロック3回で格納、解除3回で展開)
③格納されたまま車速が30km/h程度を超えると自動展開される
これらがきちんと動きました。
リーフの場合はドアロック施錠時に格納、システムON時に展開されるので、施錠したかの確認に使え便利ではありますが、毎回3回押しすればいいので多くは望みません。(リモコンの電池は早く無くなりそうですが)
ちなみに3回押すタイミングですが、2秒間隔ぐらいでも動いてくれるので、寛容な条件になっています。
車速が30km/hを越えると自動展開されるのには驚きました。ETACS頭いい~。
リーフ方式の場合、格納しないと当たってしまう駐車の際、システムONにすると展開されるのはちょっと嫌ですよね。(確認していないですが、リーフの場合手動で格納していれば次回システムONの時は自動展開されないのかも)
トータルの作業時間も1.5時間程と、結構楽な作業でした。写真を撮りながらだったので、それがなければ1時間程度かもしれません。
以前作業したマップランプの取り付け以上にお手軽で満足度も高く、これはおススメの作業です。
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マップランプ取り付け、のついでにデッドニングと断熱(1)
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マップランプ取り付け、のついでにデッドニングと断熱(2)
本来ならばここまでで「めでたしめでたし」で締めるのですが、整備手帳にいただいたコメントに絡む情報を...

今回交換に使用した電動格納式ミラーユニットは、三菱アイのものでした。
Mグレードが追加された2011年の三菱の発表にあるように、i-MiEVではミラーサイズが大きくなりました。
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三菱自動車、新世代電気自動車『i-MiEV』を大幅に改良
「2.主な変更点(2)安全装備の強化 従来より大型のドアミラーを全車に採用し、後方視界を向上させた。」の部分ですね。
左がMグレードから外したもの、右がアイのものです。
確かに大きさが違います。
「電動格納式になるとミラーが小さくなる」という情報を知っていたので、これはマイナスポイントだなぁと思っていたのですが、今回よこよこさんから指摘を受けて調べたところ、いわゆる2011年式以降のi-MiEVは電動格納式でも大きいミラーでした。
パーツリストを調べてみると、大きいミラーのものが今も入手可能です...orz
ま、中古で安かったから良しとしよう。
とはいえ実際に交換して走ってみましたが、それほど違和感はありません。(馴れたというだけかも)
これはミラーの寸法だけでなくミラーの位置も関係しているのかかもしれません。
実際に位置の違いを確認してみましょう。

上が大きいミラー、下が小さいミラーです。
大きいミラーは窓ガラスの前にある黒い樹脂パーツの付け根からほぼ真横にアームが伸びてその先にミラーが付いていますが、小さいミラーは黒い樹脂パーツの付け根から斜めにアームが延びてその先にミラーが付いています。
小さいミラーの方が、ミラー位置がボディの前後でいうと後退しています。
個人的な感想としては、大きいミラーの方がミラーカバーが大きく不恰好で外形に関してはあまり好きではありません。

ドアを閉じた状態で見れば、後退状況がより判りやすいかも。

助手席に座った状態で助手席側のミラーを見ると、これだけ位置が違って見えます。
視線移動という観点からは、大きいミラーの方が移動は小さいので人間工学的には優れているのでしょうね。
とはいえ小さいミラーの方が僅かですが目に近いので、ミラーに映る範囲が小さくなったという事実が相殺されている印象です。
負け惜しみではないの?と言われれば否定できませんがw、それ以上に快適になったのでこれで十分です。
いざとなれば、大きいミラーの部品を入手すればいいだけだし。

小さいミラーの方が厚ぼったくないので、畳んだ状態でもスリムです。

ますますi-MiEVへの愛着が沸きました。