
KART整備の続き、車体編です。
私のKARTは2005年型 Birel RX32という通常より少し太い32mmの鋼管が使われたフレームで、その癖の強さに少々手を焼いていた前オーナーから破格で譲ってもらったものです。
今回は、当時そのオーナーからいただいたアドバイスに従い整備を進めました。KART関係者には当たり前の内容かと思いますが、自分の備忘録的に書き留めておきます。
★ナイロンナットの交換
走行時間は少ないものの前回の交換からかなりの年月が経過し脱落防止機能が低下していると思われるナイロンナットとワッシャー類を新品に交換しました。
★ボルト類の長さ変更
入手してからのポジション変更などにより、シートステーやペダルストッパーなどに使用されているボルトが長すぎるものが発生していたので、無駄に余らない長さのボルトに交換しました。
★ボルトナット類の交換
長期使用に伴いリアバンパーのボルト類が曲がる等損傷していたので、新しいものに交換しました。また再発しないようにワッシャー類を変更しています。

今回取り外した古いナットボルト類です。かなりの数になりますね。
★フロアパネル用ボルト類の交換
路面と干渉しにくい六角穴付き皿ボルトもしくは六角穴付きボタンボルトに交換しています。またパネルとフレームの間に使われていた樹脂ワッシャーが激しく劣化していたので、ゴムワッシャーに交換しました。
また、アルファノ用センサーやゼッケンカウル用ステーのパネル固定用ボルト類も路面干渉が最小になる長さのものに交換しました。
★キングピンの曲がり確認
猛烈な横Gを受け止めているために曲がることは珍しくなく、折損することもあります。私はどちらも経験がありますが折損はかなり危険です。驚きますよ。
今回は曲がり等の異常はなかったので清掃の上再組付けしています。
★タイロッドエンドの確認
走行距離の進行に伴いタイロッドが劣化しガタなどが発生します。現時点ではガタ等なかったので清掃の上元に戻してあります。
ただステアリングシャフト側は左右ともに少しやれが出ていたので次回は交換でしょう。
★ステアリングシャフトベアリングの確認
ステアリングシャフト最下端にあるベアリングは構造上劣化/破損しやすいところで、今回もシャフトを抜き取ると激しく汚れていました。ただベアリング自体に異常はなかったのでベアリング周りの清掃だけを行いました。
★ステアリングのグリップテープ巻き直し
半年ほど前に交換した部分にゆるみが出ていたので、両面テープを追加したうえで巻き直しました。
また前回は巻き直さなかった上部(押し掛け時に手をかける部分)に汚れが目立つようになったので自転車用の厚めのバーテープを巻き付けました。
★燃料タンク内配管の交換
タンク内の燃料を吸いあげる配管がガソリンで劣化(変色&収縮)していたので新しい配管に交換しています。縮むことを想定し長めの配管にしています。
★燃料フィルターの追加
キャブへの異物流入防止としてタンク-キャブ間にフィルターを設置しました。フィルターは安かったので2輪用です。
エア噛み防止のために縦方向に設置しましたが、エア噛みや燃料リーク等のトラブルを避けるためにレースに出る場合は設置しないほうが良いそうです。
★リカバリータンクのレイアウト変更
取り付け位置と方向を変更することで、見た目をすっきりさせると同時にタンク内燃料の抜き取り作業が楽にできるようにしました。
★押し掛けヘルパー用ケーブルの固定
アウターケーブルが操作レバーから抜けアクセル開度過大になることが判明したので、アウターケーブルをフレームのシートステー部にタイラップで固定し、アウターケーブルが変に移動することを防止しています。
★アルファノの配線取り回し変更
回転計用配線を燃料ホースではなく押し掛けヘルパー用ワイヤーに沿って取り廻す方法に変更しました。
★アクセルワイヤー/ブレーキホースの固定材交換
ホース/ワイヤーをフレームに固定しているタイラップを新品に交換するとともに、固定位置の見直しをしています。
★シートの固定部分の確認
シートポジションは変更しませんが、経年変化などによりシートとフレーム/ステーの固定部分に無駄なストレスが掛からないように固定場所及びスペーサーの見直しを行いました。
★シート底部への緩衝材追加
ギャップ通過時の臀部への衝撃を和らげるために、シート底部に緩衝材を貼り付けました。
★アクセル/ブレーキペダルの確認と調整
ペダルの軸受け部やリターンスプリングに異常がないことを確認するとともに清掃などを行いました。アクセルペダルが心持ち曲がっていますが実用上問題ないので継続使用です。
またアクセルペダルへスロットルワイヤーをかける場所を変更(中央→下端)することでレバー比を小さくし、微妙なスロットル操作をやりやすくしました。
★全体の清掃
フレームなど塗装されている部分は半練りワックスなどを使用して汚れを可能な限り落としました。またマフラーステーなど未塗装部分についてはワイヤーブラシなどを使いこびりついた汚れをできるだけ落としました。
★カウル類のクリーンアップ等
カウル類の汚れを落としてワックスをかけました。また空欄で少々寂しかった前後左右のゼッケン掲示場所にナンバーを入れました。

番号とフォントは1992年のWガードナー(NSR500)に因んでます。
まだ残っている作業はいくつかありますが、一連の「年末年始のKART整備」はこれで一応完了です。
ブレーキやリアシャフト周りについては手を付けなかったにもかかわらず、準備不足などもあって作業期間が2か月を超えてしまいました。反省
実際に走行すると再修正が必要になる部分(特にオリジナルから変更を加えたところ)も出てくると思いますが、おいおい進めていこうと思います。