General Aviation、通称GA、は定期航空(ANAやJALなど)と軍事航空(自衛隊や米軍など)を除く航空のことを指しています。例えば、ドクターヘリやテレビ局の取材ヘリなどがこれに該当します。
米国など国土が広く、市営や町営の小さな飛行場(中には個人所有のものもある!)がたくさん存在し、個人所有の小型機が多数活動している国においてはかなり一般的な言葉であり分野になっています。
これを象徴するように、米国の小さな飛行場には”Learn to FLY here”などと生徒を勧誘するフライトスクールのサインをよく見かけます。これはChino空港の写真。
日本だと個人でオートバイや大型車両免許を取得するようなノリでしょうか。
ちょっとやる気があれば手に入る免許、って感じ。
米国で飛んでいるゼロ戦やP51ムスタングなども一般の団体や個人!が所有運用しているのでGAに該当します。
この機体も個人所有!アメリカの金持ちはどんだけ金持ちなんだか!!
しかしながら、日本は、国が小さい&気象条件が悪い、飛行場がとても少ないという周辺環境の悪さもあって、個人で飛行機を所有してもメリットが大きくありません。しかも細かなルールがいっぱいあるし、、、。
ということもあって、飛行機は定期旅客便をお客として利用するだけ、つまりGAなんて見たことも聞いたこともない、が一般の感覚になっています。
そんな中、幸運なことに、先日小型機のフライトに同乗させてもらう機会があったので、その一部をご紹介します。
出発地は大阪市の南側にある八尾空港です。別の日にANA機から撮影したもので伊丹へのアプローチ中に見ることができます。
この八尾空港はGA専用なので大阪以外の人にはなじみがないと思います。私も大阪出身のくせにこの空港へ足を踏み入れたのは初めてです。
GA専用とは言え2本の滑走路を持つ立派な空港です。
今回同乗させてもらった機体です。
シーラスというメーカーのSR22というモデルです。
日本で小型機は「セスナ」と呼ばれますが、小型機を製造している有名メーカーの名前なので正確にはそれは間違いなんです。
でも新聞配達系のバイクを一般的に「カブ」(ホンダのスーパーカブ)と呼んでいるのと同じで、まあいいでしょう。誰も困らん。笑
そのセスナ社が半世紀以上にわたり販売しているベストセラーが172型というやつです。
4万機以上が生産され、日本をはじめ世界中で飛び回っていますから、どこかで見たことのある形の飛行機だと思います。
半世紀以上前に販売開始された172、見た目は少々古めかしいですが、基本性能が非常に優れており変な癖がない機体なので、現在も訓練機などに多数使用されています。
今回のシーラスSR22は、サイズはセスナ172とほぼ同じですが、設計が40年ほど新しいこともあり、見た目がかなり現代風ですし実際の性能もかなり上回っています。(エンジン出力の違いを差し引いても)
このSR22シリーズは「空気抵抗を極力減らして巡航速度を上げる」というコンセプトで開発されたそうです。確かに、見るからに空気抵抗の少なそうな胴体形状ですし、翼も高い巡行速度を前提にした薄めのものが採用されています。
空力面での解析が進んだことに加え、炭素繊維複合材の技術が向上したことも大きな理由でしょうね。軽金属では難しい形状でも複合材なら実現できますからこれは大きいと思います。
操縦席はサイドスティック&グラスコクピットで、エアバス製の旅客機みたいです。
この写真は米国で訓練などに使われる一般的?な小型機(60年代製のグラマンAA1)のコクピットですが、かなり雰囲気が違いますね。
「こちらの方が松本零士さん的でカッコいい!」という言い方もできますし、「なんかボロい」と言うこともできるでしょう。個人的にはボロいに賛同してしまいますが。(決して嫌いではない)
SR22のグラスコクピット、動いている実物を見たのは初めてだったのですが、GPSと連動して航空地図が表示され、また付近を飛行する他の機体の情報も表示されるので、とても便利そうです。操縦しながら紙の地図と景色を比較して現在位置を把握するのはとても難しいので。汗
空気抵抗を減らす一方で、客室のスペースは十分に確保されています。
またこの機体にはエアコンまで装備されていましたので、172型などと比べると快適性は確実に上ですね。
ただし、飛行中は前方でエンジンとプロペラがうなっているので、旅客機のような快適性は望めません。
つづく
Posted at 2022/09/18 12:05:14 | |
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