ミッドシップ車はFR車やFF車と比べると重量配分がリア寄りになっていることに加え、安定性の要であるリアタイヤが流れ出すとその重たいリアを収束させるのが難しいことから、一般的にリアタイヤにはフロントタイヤよりも容量の大きなものが装着されています。
自分が過去に所有したMR2とビートでは
フロント リア
MR2 195/55R15 225/50R15
ビート 155/65R13 165/60R14
が純正のタイヤサイズとなっており、フロントに対してリアは
MR2 幅で3ランク、偏平率で1ランク、の合計4ランク
ビート 幅で1サイズ、偏平率で1ランク、インチ数で1ランク、の合計3ランク、
とリアの容量がかなり上げられています。オリジナルボックスの国政さんによる数えかた。
実際どちらの車も純正状態ではよっぽどドライバーが余計なことをしない限り、リアよりもフロントが先にグリップを失う特性を示していました。当然と言えば当然ですが、面白みに欠けると言えなくもありません。
そこで、この2台に純正とは異なるサイズのタイヤを装着しミニサーキットを走行したことがあります。
まずMR2ですが、リアだけ205/60R15に変更しました。
つまり幅と偏平率共に2ランクずつ、合計で4ランクダウンさせることでフロントとリアのタイヤ容量が同じになりました。さらにリアタイヤがグリップの劣る銘柄&タイヤ外径がアップして車高が上がったため、リアタイヤの容量はタイヤサイズ変更以上に低下していたと思われます。もともとの目的だったサイドブレーキターンの練習には結構都合が良かったです。
この組み合わせを今は無き瑞浪モーターランドで試したのですが、ピットアウト直後の1コーナーからカウンターステアを当てまくる必要がある状態。幸いにして雪道を走るほど忙しいことにはならなかったことから、スピンアウトなどで周りに迷惑をかけることもなく1時間の走行時間を無事に楽しく?終了することが出来ました。助手席の友人も結構楽しんで?くれていたと思います、たぶん。
次にビートですが、前後とも165/65R14のタイヤをお借りして、鈴鹿の北ショートコースを走行しました。このケースではフロントの容量をあげた形になります。
さらにこの時は、冬の冷えた路面がみぞれでぬれている、という練習には絶好の状態でした。笑
ノーマルのビートは、パワーオンでリアが流れることは絶対と言っていいほど発生しませんが(減速時でもとにかくフロントが逃げる)、この時ばかりはアクセルとブレーキでリアをコントロールすることが出来たので、普段以上に楽しい走行となりました。2度ばかり完全にスピンしましたが、1台ずつのタイムアタック形式での走行だったことと、車が軽いのでスピンしてもコースアウトすることもなく復帰できたことから、他の皆さんへはそれほど迷惑をかけずに済みました。
ということで、ミッドシップ車で前後に同じ容量のタイヤを装着すると、ある条件下では車のコントロールを積極的に楽しむことが出来ることが判りました。ただ、その設定ではいともあっさりリアタイヤが先にグリップを失うので、通常走行で遭遇するいろいろな走行条件(例えば下りで浸入するコーナー)のことを考えると非常にリスキーな条件であるともいえますので、基本的にはメーカーが純正で設定したタイヤサイズ、もしくはその前後バランスを守るべきですね。
もし今後MR2やビートを再度所有することになっても、あの時と同じタイヤサイズをためすのはパイロンターンの練習など非常に限られた条件に限られるでしょう。かなりリスキー。
なおミッドシップ車であっても、現在私が保有しているバモスホビオは前後に同じサイズのタイヤを履かせていますが、この車の場合はこれが正解ですよ。
Posted at 2022/05/08 10:46:51 | |
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