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イイね!
2015年07月15日

猛暑の夜はクールなジャズで。

猛暑の夜はクールなジャズで。    連日の暑い中、少し涼しくなるような音楽を聴いてみよう。まずは「枯葉」のジャズ演奏。これはよく知られた曲で、ジャズでも聴衆や演奏家にとってもスタンダード中のスタンダードで聴き馴染んでいるだけ演奏の違いが分かると思う。
 最初のはチェット・ベーカーのトランペット、ポール・デスモンドのアルトサックスが中心の演奏。










  非常に聴きやすく、演奏としても優れている。特にポール・デスモンドは「テイク・ファイブ」の演奏が有名で、これをきっかけにジャズを好きになった人も多い。知的でクール。聴き心地が良い。こういったジャズになんの不足があろうか?まるでポルシェの中ではケイマンやボクスターみたいな壮快感だ。
 だがしかし、マイルスはこのポール・デスモンドを嫌っていた。





 それではマイルス・デイビスの「枯葉」を聴いてみよう。







  出だしのアレンジはちょっと古めかしくて、ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」のように、ジャニスの歌は時代を超えて普遍的なのに、リードギターはちゃらく時代を感じるのと構図は似ている。ところがマイルスのソロが始まった途端、ちょっと次元の異なる音楽空間が広がる。YouTubeでもジャズマンが演奏する「枯葉」は多く聴けるが、いまだこのような深淵な演奏に達したものはなく、皆それをわかっているのか同じテンポですら演奏しようとしない。
 これがポルシェの中では911みたいな奥深さだ。



  マイルスはもともと楽器の達人が並み居るジャズ界では、器用な方ではなかった。初期の演奏なんかたどたどしいと言った方が良い。ジョン・コルトレーンもそうだった。
 例えば、この演奏でもマイルスの吹くテーマに続きソロを取るキャノンボール・アダレイは饒舌過ぎるくらいのテクニックの演奏だ。その対比にマイルスは巧みに自分の音を置きに行く。このコントラストが音楽をより深めるのである。皆が体育会ばりにこれでもかと音を羅列する演奏は飽きる。そのやり方は晩年の演奏でも変わっていない。



  一方、マイルスがポール・デスモンドの演奏を嫌っていた理由は、心地よさのもつ偽善というか、それより先の感動を創出することが出来ないからではないかと思う。実は最初のビデオの演奏メンバーは皆フュージョンと呼ばれるブームに商業上成功したミュージシャンばかりだ。(他にロン・カーター、ボブ・ジェイムス、スティーブ・ガッド、ヒューバート・ローズが参加している) そしてブームは去った。



  以前、ポルシェの試乗会が盛岡で開催された時、ボクスターと自分のカレラ4を少し路面の荒れた同じ山道でけっこう攻めて走らせ比較してみた。まあ体が自分のクルマに馴染んでいることもあるが、それでも心に沁み入る走りをしたのはカレラ4だった。足の精度が違っていたのである。
 そこで思うのだが、911はもともと不器用だったからここまで走りの深さを達成できたのではないかということだった。不器用ながらもある理想を求めて日々精進する。その結果が奇跡を起こす。



    音楽でもクルマでも、触れた時に心に沁みるか否か。そこが大事である。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2015/07/15 22:03:48

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この記事へのコメント

2015年7月17日 22:50
こんばんは。

興味深いお話、ありがとうございました。

>911はもともと不器用だったからここまで走りの深さを達成できたのではないか・・・・

この一行を読んで、田原結節(Tahara-Aschoff )の田原淳教授(九州大学)のことを思い出しました。田原教授は勉強熱心ではあったそうですが、かなり不器用な人であったそうです。それゆえ留学先の指導教授から与えられたテーマについてひたすら延々と研究をつづけ、遂に例の大発見をしたそうです。学生時代に読んだ本に載っていたのを思い出しました。
コメントへの返答
2015年7月18日 8:51
おはようございます。ありがとうございます。
田原結節ですか、遠い記憶にあるような・・(^_^;)
ポルシェは928、924、968と合理的な設計で911に置き換えるクルマを発表しては消滅させてきましたね。
今どきリアエンジンのクルマって、911かバスくらいですからね。それでも、飽きない走りの深さを持っている。それは矛盾を受け入れてのエンジニアの努力の賜物ですね。
2015年8月15日 14:57
全く同感ですね!
ボクスターは本当に優秀です。正直あまり文句つけるところがない。峠に持ち込んでもスムーズ。前後加重とか気にしなくても、適切なところでブレーキングしてステアリングを切れば、スーッと。しかし、911はそうではなかった。前後の加重のバランスを考えないと下手すりゃ、尻からぐるりと回ってしまいそうになる。まったく、不器用だ。

今の自分にはボクスターが会っているかな、と思いつつ、あと10年もするときっと911が欲しくなっているんだろうなという予感がします。ボクスターにマイルスは似合わない。そんなことを考えながら、チェットベーカーを聴きながらボクスターを運転するのでありました(笑)
コメントへの返答
2015年8月15日 18:31
ポルシェというのは、どのモデルであれ節度感のある操作系、質感が保たれていてドライバーを喜ばせますね。
911はそういった中でちょっと怪しい裏面があります。そこが魅力かな。でも最近は普通に走れば何も破綻しないので、911の魅力を公道で表現するのは、ボクスターやケイマンが優秀なだけ難しくなってきていますね。

プロフィール

「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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