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堅雪かんこのブログ一覧

2007年10月31日 イイね!

昔はよかったね?

昔はよかったね?  911は誕生以来44年、大きく分けて6代目にあたるのが現行997型である。それまで多くの派生モデルが生み出され、進化してきた。
 進化という言葉は進歩と同義ではない。これは誤解されることが多いが、生物はその環境次第では、ある機能を退歩させることにより、より適応していくという進化もある。あなたの嗅覚もそのひとつ。
 さて、話を車に戻して911はどうであろうか?

 ここで一席ぶちたいところだが、古い911に関してはほとんど知らない。空冷エンジンがよかったとか、ガシャッとドアの閉まる音が違う、唐突に滑り出すリアの動きを封じながらうまく運転するのが本当の911の醍醐味とかなら耳学問で知っている。長らく911とは自分が乗るものではなく、車雑誌で読むものだったから。

 964を一時期人から借りて乗っていた経験からすると、多少はそういうことも理解はできる。空冷の964は停車時でもエンジンが小気味よく唸っており楽しい気分になる。この車は新車の時からすでに古典的だった。昔と今が混ざり合っている。それがまず衝撃的だった。今時こんなフィールの車があったんだと。だが街をスーッと流すような乗り心地とは程遠くガタゴトとサスは固く、風邪を引いている時や疲れている時はつらい。でも964を返却後に自分のBMW525iに乗り換えたら、あまりに普通の、いや希薄な乗り心地に感じたのにはまた驚いた。

 で、997である。しかもティプトロ。これは普通に試乗するなら、たぶんなんの感銘も受けないだろう。「これにあの値段!?むむむ」と考え込むかもしれない。私がそうだった。だが走行距離が6500kmを超え、いろいろな走り方をしてみると、このティプトロはそれ相応のシフトプログラムを起動させる。そのことが少しずつわかりかけてきた。わかりやすく言うと、早く走ろうとしたとき目覚める。そしてまた先行車などにつかまり、普通の速度に戻ると、普通のATになる。すぐ5速や4速になるので当たり前だが。そしてマニュアルモードやスポーツモードはその先のお楽しみとしてまだとってある。まずはDモードでのティプトロの素行を調査中だ。さらに街乗りではサスがBMW3シリーズのような滑らかさが出てきた。エンジン音も964に比べれば大人しいが、予想外にうるさいのは嬉しい誤算だった。

 知識は知識として大事だが、先入観で目を曇らせてはいけない。現代の911がなにを目指しているのかは、やはり自分で見つけ出すべきである。911はその時代その時代で固有の魅力がある。997型もまたそうだ。

 グレン・グールドのバッハを初めて聴いた日本の音楽評論家のほとんどは否定的だった。今は現代最高のバッハ弾きとして認知されている。(故人になったが)
 評論家というのは既成のことには詳しいが、新しい美の発見には鈍感だ。

  新しい美、997にはそれが秘められている。それを見つけ出すのは人の言葉ではなく、自分が乗ったその実感である。
Posted at 2007/10/31 21:38:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2007年10月26日 イイね!

スピードメーター

スピードメーター 車に乗り込んで、最初に目にするところがメータークラスターである。特にスピードメーターはひと目でその車の心意気がわかる。
 国産車のそれに慣れて、いきなり911のを見るとちょっと驚く。100km/hの目盛りが円左側のまだ4分の1あたりにある。そこから真上の250km/h、そして330km/hまでとある。
 実に目盛りの3分の2以上が道交法の“違法地帯”なのだ。実際300km/h以上でるGT3系やターボでは350km/hまで目盛ってある。この目盛り方は、その車の高速巡航速度の保証でもある。針が真上に来るあたりが適正速度と経験的に勝手に思っている。だからカレラ4なら250km/hは大丈夫ということになる。(まだ出したことはないが)

 ところが最近発表された日産GT-Rや、レクサスIS-Fは300km/hメーターを使用している。GT-Rは340km/h、IS-Fは300km/hまでしっかりある。あのNSXですらなかったのに。国産車はリミッターが180km/hで効くのだから、輸出仕様でなければ無駄だと思っていたら、GT-Rは驚きの秘策を用意していた。
 それは最初から装着しているカーナビと連動して、車が国内の代表的なサーキットのパドックに到着した時点でそのリミッターが解除できるというのである。これは国土交通省の認可済みというから、企業努力は認めよう。だがおそらくそれとトレードに、公道でのリミッター解除は絶対不可能ということを約束したものと思われる。GT-Rの整備は、拠点を集約化して管理するため、裏技的に勝手に操作して解除することは困難であろう。もちろんメーカーもそれには加担できない。

 一見合理的に見える措置ではあるが、ポルシェ・ターボをも上回る俊足のGT-Rが180km/hでリミッターがかかるということは、高速道路でアクセルを踏んで胸のすく加速を味わえるのは3~4秒程度であろう。すぐに180の壁にぶちあたってしまう。
 カレラを一時オーバーテイクしても、結局カレラのお尻が段々小さくなっていくのを悔しい思いをしながら見送るしかないのである。

 車というのは精神の解放だ。好き勝手に走り回り、緩急自在の運動を楽しみ、スピードも自分であやつりたい。300km/hメーターは、その自由の象徴だ。
 しかし、GT-Rのようなもろ国家管理の匂いがするリミッターの扱いはどうなんだろう。私には、いつもリードでつながれ、広場(サーキット)に行ってから放たれる犬のように思えてしょうがない。もしかしたらレクサスIS-Fも同じ手法をとる可能性がある。

 というわけで、ちょっと憂うつになっている911乗りは、そんなに心配しなくてもよさそうである。もっとも、911はそういう絶対的な数値以外にも魅力はいっぱいある。

 ま、そんな言い訳はランエボが出た頃より言っているわけだけど。

  
 

 
Posted at 2007/10/26 22:07:49 | コメント(3) | トラックバック(1) | クルマ
2007年10月23日 イイね!

不遜な奴

不遜な奴 カレラ4が来て1カ月と2週間が過ぎた。もうじき6000kmになるが、それでもこの車を理解しきれていないところがある。
 今まで所有した車はそういうことはなかった。常に自分のほぼ想定内の範囲でつき合うことができた。

 その理由を考えるに、このカレラという車は明らかに自分の運転技量をはるかに超えるドライバー用に作られているということが一つ。
 前にも書いたが、非日常的な速度領域で走らせたとき本当の顔を見せる。その時にきちんと車を御しきれるかというと、自信はない。思い知らされるのはティプトロのDモードの時ですら、自動的にギアを選択するので、こいつはどのような走りがベストなのかということを突きつけてくる。
 「いいかげんな運転はするなよ、アホ」と言われているような気もする。

 もう一つは、由緒正しいその出自だ。「余はあのポルシェの正統な末裔なり」といつも堂々としており、平民の私とでは位負けしそうになる。

 要するに、車ごときに対して自分が格差を感じてしまう。こんなことは今まであり得なかった。とってもタメで「我が愛車よ」と撫で撫でするほどフレンドリーな仲になるまでには至っていない。不遜な奴に思える。

 まずは車に負けない自分になるよう精進するしかない。車にへつらってどうするんだと言われそうだが、そのうち俺様が主人だと自信を持って接する日が来ることを期待したい。
Posted at 2007/10/23 23:44:24 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2007年10月21日 イイね!

レーシングスピード

レーシングスピード 今日は午前中、小岩井農場の道路を走ってきた。ここはニュルブルクリンクみたいなイメージの道で、森の中をアップダウンあり、ワインディングあり、長い直線ありと変化に富んでいる。

 小岩井農場の道路の終着点は網張スキー場で、そこを目指し、お天気雨と風の中、舞い落ちた道路の紅葉を巻き上げながら突き進んだ。観光客がまだいない早朝が、トライアルの絶好の機会となる。
 直線ではこのまま離陸するのではないかと思うくらい加速し、コーナーは路面が落ち葉と雨水で濡れているので、アクセルをやや緩める。PSMもありヨーコントロールがついているとは言え、買ったばかりでおしゃかにはしたくない。それでもカレラ4は脅威のスタビリティで次々コーナーをパスしていく。ハンドルのロッカースイッチでギアを選ばなくともDレンジで充分に走れる。高速走行でワインディングを走ると、ほぼ3速固定のままにしてくれるので、ケツが流れ始めないかに神経を集中しアクセルを踏むだけだ。はっきり言おう。これがカレラの醍醐味だ!!直線番長の車は今や数多いが、こういう道を駆け抜ける時のカレラは快感以外のなにものでもない。車の挙動もより鮮明にドライバーに寄り添い、待ってましたとばかりに反応する。

 早く走るということは、乗り手の演算処理能力もスピードアップしないといけない。次々とコーナーが迫るので、神経を覚醒させて走らないとだめだ。つまり戦闘モードに切り替えることになる。
 (カレラ4が来た時は、どういうわけかテンションが下降している時で、それでも5000km乗ったのだけど、よけい疲れてしまった。最近はようやく気分も上向きに回復しつつあり、車のレベルに追いついてきた)

 最近、若者の車離れをよく耳にする。確かに街にあふれるサイコロみたいな四角い車では、そこになんの夢も憧れも抱かないだろう。冷蔵庫と同じだ。
 だが、現実の公道で法を守って、皆平等に走るのなら冷蔵庫型クルマで充分と思うのも当然である。

 私の実家は宮城県だが、岩手に残っている最も大きな理由が実は、このような道が岩手にはあちこちにあることで、今回ドライビングプレジャーの最高峰(の一つ)を手にすることで、よりそれが活かせる。
 ただし、岩手でも覆面や白バイは目を光らせているし、時と所を選ばなければ暴走行為になってしまう。いつだったかポール・フレールがカーグラTVで911を公道で走らせ、言葉では「レーシング・スピードで走らせると・・」と言っていたが、字幕ではその言葉はカットされていた。

 だからよい子のみなさんは、ちゃんとサーキットで走ってくださいと言うほかはないのだが。


 (写真は小岩井農場の直線。夏場にX5の時に撮影したもの)
 
Posted at 2007/10/21 19:57:23 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2007年10月18日 イイね!

911 with strings

911 with strings 今日も出張の帰り、のどかな農場の道を突っ切り高速道路にあがった。進入レーンからいっきに加速してからは、例によってワープ状態である。
 BMWの時もそれなりに戦闘モードになるが、それは一人で飛ばしてみる程度のことだ。が、カレラは、獲物を見つけてそれをぶち抜いてやろうという気にさせる。「カレラ」という言葉自体がスペイン語で「レース」を意味する。

 ヨーロッパ車とアメ車の根本的な違いは、前者がレースで磨かれた技術を土台にした車造りの歴史であるのに対して、アメ車は富裕層の好みを反映した車造りであるように思える。
 世界で初めての自動車レースは1894年の「パリールアン・モータートライアイル」といわれているが、フェルディナント・ポルシェ自身も1909年に自分で設計、制作した“ハイブリッド”のレーシングカー「ミクステ」を運転し、ゼメリングヒルクライムレースに出場しクラス優勝をした。
 レースという超リアリティの世界で起きることをつぶさに観察し、あらゆるパーツの精度を高めていったのがポルシェ車の核となっている。

 ところが、ポルシェも数多くの車を売ろうとした場合、購入者は必ずしもレーサー、あるいはレーサーまがいの人だけではないという葛藤を抱え込むことになる。
 公道を生涯まったりとしか走らない顧客もいる。特に北米市場をにらんだ場合は、方向性が大きく違ってくる。911は軟弱になったとモデルチェンジの度に何度言われたことだろう。これは他のメーカーの場合も同じで、高性能モデルはいつもそのような二律背反の宿命を負わせられる。今度出たM3もそうで、今その批判の嵐を浴びている。

 これは、まさに今の997の仕様やバリエーションに反映されており、その中でPASMなんかはこの両価性のうまい解決法だ。5000kmを超えてから、カレラ4も徐々に低速走行時もBMW 318i(旧モデル)のような高品質な味わいが出てきている。これも嬉しい誤算である(体が慣れてきたのかも知れないが)。最近、もう一台のアウディA4に乗ると、逆にその大雑把感、低品質感がより強く感じられる。ようやく違いが正しく看取できる神経系に再編されてきたようだ。

 昔、Jazzでオーケストラをバックに演奏したりすると、えらくファンから批判されたものだった。チャーリー・パーカー、ウエス・モンゴメリー、クリフォード・ブラウン等など。確かにコンボだけの演奏はピュアで緊張感もあるが、ストリングスが入っているのもまたこれはこれで心地良い。
 今の997も「911 with strings 」のようにレーシング魂を日常の走行にも適応できる快適性で包んでいると言える。

 これは絶妙なバランスなのだけど、やはりそうは言っても乗り手を混乱させる要因にもなっている。ここにもまた911の深い魅力がある。
Posted at 2007/10/18 22:53:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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