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堅雪かんこのブログ一覧

2010年02月28日 イイね!

ふしあなジャッジメント

ふしあなジャッジメント  キム・ヨナの演技はすばらしかったが、あの高得点は疑問という声をあがっている。審査はいかに公平を期しても偏りは生じる。
 クルマの評論もそうである。人は見たいところを見、そうでないところは見えてこない。つまり誰もが「ふしあな」になる。


 今月はたまたま「ENGINE」と「ベストモータリング」(以下ベスモと略す)でケイマンSやガヤルドLP550-2など同じクルマをとりあげていた。一般の自動車評論家はより主観的かつ自分の好みでクルマを評価し、一方ベスモに出てくるレーサーはクルマの動質をより緻密に評価する。特に限界付近の挙動については彼らは意見が一致することが多い。が、自動車評論家とは異なることもある。例えばケイマンSなどは「ENGINE」ではきびきびしてよいと好評価だが、ベスモでは挙動に関しては応答性がいまいちという評価である。
 一般に、AUTOCARの評価軸もベスモに近く、素人が普段経験しない限界領域でのクルマの挙動に重点を置いているように思える。


 自分の欲しいクルマをなかなか所有できなかった頃は、各自動車評論家の言葉に一喜一憂して妄想を膨らませていたが、実際手に入れると、今度は普通の自動車評論家の言葉はあまり参考にならなくなる。これで限界まで走らせたらどのようになるのかという情報が欲しくなり、レーサーの言葉に注目するようになる。今回のケイマンSは珍しく評価が低かったが、こういった評価軸できちんと高得点を出すのがポルシェだった。最近はアウディR8、日産GT-R、ランボルギーニ・ガヤルドなども市販車の中で高い評価を得ている。


 ただ、日常での使用満足度は、サーキット基準では見えてこない。つまりそこが今度は「ふしあな」になる。クルマというのは停まっているところを眺めたり、内装のおしゃれを楽しんだり、あるいは普通に流して走っている時の快感度というのもある。むしろこちらの方が一般人の使用感覚に近い。だからベスモの評価も鵜呑みにはできないのである。


 「ふしあな」といえばもっと怖い話がある。ベスモではパニックブレーキランキングという企画をやっていて、100km/h前後からフルブレーキングで急旋回(50Rのコーナー)させ、狙ったラインからの逸脱と制動距離を測定して評価している。これによるとプリウスやインサイトは軒並みこのテストでは落第点だった。テスターの服部尚貴も言っていたが、ブレーキ性能の確保はもちろんだがあまりにエコ重視でグリップの弱いタイヤを使用するのはいかがなものかと。燃費性能の陰に隠れて、最も大切な安全性が実は軽んじられている。


  人はあることに気をとられると、その他のことが見えなくなり錯覚する。誰でもこの「ふしあな」を回避することはできない。そうならないためには反対意見にも耳を傾けることだ。意外とののしりあいの「2ちゃんねる」の意見の中から、深い洞察が生まれたりするものだ。

 



 
Posted at 2010/02/28 23:14:28 | コメント(7) | トラックバック(0) | クルマ
2010年02月27日 イイね!

NAVIが売り切れた?

NAVIが売り切れた?  確か自動車雑「NAVI」が今月発売の4月号で廃刊になる。それで本屋に行ってみたら「NAVI」だけいくら探しても見当たらない。
 レジで若い男性の店員に聞いたら「NAVI?」と聞き返され、入荷台帳を見ながらパソコンで検索した後「売り切れのようです」との返事。

 いつもはほとんど売れずに積んであったのに、皆廃刊の噂を聞いて記念に買っていったのだろうかと思った。自宅に戻り二玄社のホームページを見たら、なんと3月1日発売だった。

 最近は本屋でもCD屋でも、商品の知識が皆無の店員が多い。昔のレコード屋なんか、店員自身がよくレコードを聴いていてレジに商品を持っていくと「これ本当にいいですよね」とか言われたり、言葉を交わさなくても「わかってるじゃないか」みたいな共感性をお互い持てた。

 これがJazz喫茶になると敷居が高くなり、店内で会話すると怒られたり軟弱な曲をリクエストするとちょっと蔑まされたりした。そこは耳を鍛えるための道場みたいなところだった。
 だが、こういう場だったからこそ、この時代のJazzファンは最も耳の肥えた客層となったのである。

  「聴きやすくて良い」という言葉は、人を馬鹿にしていると思う。「食べやすい食物」「飲みやすい飲み物」も軟弱だ。

  とはJazz喫茶『ベイシー』の店主・菅原正二氏の言葉。


 ここはまだ残っているが他のJazz喫茶はほとんどつぶれ、客にものを言える販売員のいる店もなくなりつつある。かつての「NAVI」も読者への影響力は大きかった。
 先月号と今月号の「NAVI」の表紙は変わっている。道路だけでクルマが写っていない(4月号は小さく写っているようだが)。
 クルマ論の行く着く先がエコだとすれば、そういう話は正直つまらない。わざわざ雑誌を買って読むに値しない。前にも書いたが「ENGINE」が「NAVI」より面白いのはあの編集長が強欲オヤジだからである。

 と書きつつ今日なかった「NAVI」の代わりに久しぶりに「ENGINE」を買ってきたので、編集長の巻頭言を見てみたら、ほ~らね。過剰消費結構、ファンタムやフェラーリどこが悪いんじゃ?といったことを書いている。立派なハゲだ。意見にも禿同。

  NAVIが消え去る理由は大方そういうことなのである。





追記:「NAVI」の発売日が遅れた理由がわかりました。↓このくらいのジョークがあってもよかったのに。
 
    https://minkara.carview.co.jp/userid/360795/blog/17073463/
Posted at 2010/02/27 22:57:22 | コメント(7) | トラックバック(0) | クルマ
2010年02月26日 イイね!

真央の涙

真央の涙  涙ジリーズ第二弾。今日は浅田真央の涙を見た。試合後のインタヴューの時である。世界の頂上対決に敗れた気高い涙だった。
 今回の二人の滑りを比較すれば、誰が見ても浅田に勝ち目はなかった。浅田の演技は統一感と力強さに欠けていた。浅田の手足のくねくねとしたしなりは16歳くらいの少女の面影をひきずったままなのに、同じ19歳のキムはビシッとひきしまった動きをしていた。


  4年前の金メダリスト、荒川静香は人生最後の大勝負と決意し自らコーチを解任し、採点方法の変更には直接審査員に聞いて徹底的に点数の出る技を磨いた。そしてその上で自分らしい滑りをしようと、点数に結び付かないイナバウアーを敢えてプログラムに入れた。
 あの時、ショート・プログラムではアメリカのサーシャ・コーエンがあまりに凄い演技をしたので、誰もが3位につけた荒川静香がフリーで逆転するとは思わなかった。


 ところが、この時の荒川は彼女の強靭な精神性が演技にも現われ、その美しく研ぎ澄まされた演技に会場は酔いしれたのである。化粧を落とした素顔の彼女はアンコールワットの仏像みたいな顔をしているが、この時だけは他の誰よりも美しく見えた。(ゴメン)


 浅田はその天才性を持ちながら、頂上対決に臨む精神性にためらいがあった。この時の荒川静香のような明鏡止水の境地にはなっていなかった。キムの方は、おそらくその境地に近かったのではないだろうか?聴衆も日本側のTV解説者をも圧倒した演技だった。


 でも、二人とも凄かった。そしてあの浅田真央の涙は、彼女の超一流ならではの涙だ。安藤美姫はあれが限界だが、浅田真央はさらに強くなる、きっと。(嫁にしたいなら姉の浅田舞だなと言うのは誰ですか?)
Posted at 2010/02/26 23:45:09 | コメント(7) | トラックバック(0) | スポーツ
2010年02月25日 イイね!

章男社長の涙

章男社長の涙  ついに泣いてしまった豊田章男社長。気持はわかる。世界を敵にまわしてのイジメの集中砲火だもの。この人は不真面目な人でも、怠け者でも全然なく、むしろクルマ好きで仕事も熱心にしてきた人だ。昨年6月に就任したばかりで、巡り合わせの不幸としか言いようがない。お気の毒である。

  トヨタは「King of 大衆車」 ゆえ、大きく叩かれたのだろう。どういうわけか歴史的にも大衆は王を讃えつつも、一方で首を狙うという習性があるようだ。オイデプス王のように、地の底まで落ちて行く王の姿を大衆は観たがっている。


 では私が章男社長になりかわってアメリカの公聴会でご挨拶を述べてみよう。

 「バッキャロ~、おめえらいい加減にしろ。あれだけ安くクルマを造るつーことは、どこか手抜きしなきゃなんねんだよ。安全というのは金で買うもんだ。おめえらが、もっと払うと言うのであれば、いい部品つけたるよ。ポルシェのセラミックブレーキに毛が生えた程度の価格でプリウス1台造れんだぞ。大体、アクセルの問題だってアメ公の会社から部品調達したから、こんなことになったんじゃねえか、ええ?
 もうこうなったら俺の名前使わせないもんねー。トヨタでなく漢字二文字で「与太」だ。これなら文句あんめぇ。サンキュー」


  今回のリコール騒ぎは、連鎖的に噴出したが、まずプリウスに関しては明らかに騒ぎ過ぎである。確かにブレーキのフィーリングの問題なのだが、沢村慎太朗氏も言っているようにリニアリティに欠くものを誰でも乗る大衆車に使用したことが間違いであることと、低速で安易にABSが作動するような省エネタイヤの使用が問題ではないかと。
 もう一つの別車種の急加速問題。こっちの方が深刻だ。アメリカでは1000件以上の報告と30人以上の死者が出ているとのこと。本当の原因の分析と、他メーカーでの発生頻度を比較してみないと何とも言えない。運転中の心臓発作、てんかん発作、あるいは飲酒運転などを除外する必要がある。電子制御部品で故障の再現性がないからとサンプル数が少ないうちに安易に否定するのもよくない。


  結局、王を王たらしめているのは大衆。大衆の深層心理が実は世の中の動向を決定している。矢面に立っている社長や政治家は偉そうに見えるが、実は殺生与奪権はこちら側にある。
 どの自動車メーカーも、販売台数を伸ばしていけばいくほど、この得体の知れないモンスターのご機嫌を伺うようになる。


 そういえば、沢村慎太朗氏が読者の「911の品揃えって多過ぎなのでは」という質問に「これって、〈プラットフォームを共有して車種を増やす〉という世界中のメーカーがやっていることと本質的には同じです」と答えている。普通様々な客のニーズに応じるためメーカーは車種を増やしていくのだけどポルシェは911が売りなので、見かけは同じにして中身で同じことをやっている。
 なるほど、販売台数を増やすというのはそういうことで、ここでも実は911の行く末を決めているのは我々個人の欲望の集合体なのである。


   章男ちゃんを社長にしたのも大衆、泣かせたのも大衆。 (世界に愛を取り戻そう。 by M.J.)

Posted at 2010/02/25 16:37:01 | コメント(10) | トラックバック(0) | クルマ
2010年02月24日 イイね!

JBL、ブランドの持つ力

JBL、ブランドの持つ力  マイケル・ジャクソンの「This is it」のDVDが発売され、自宅でも観れるようになったのはよいがどうも音が物足りない。映画館での浴びるような大音量と比較する方が間違いではあるが、少しでも改善しようと、職場の部屋に置いてあったBOSEのスピーカーを自宅に持ちかえりつないでみた。TVのスピーカーよりは大部ましになった。ちょっとしたホームシアターの出来上がりである。

 ところが、その脇にあるJBL4344で「This is it」のCDを鳴らしてみると、これまた全然違う。映画館で聴いたような重厚な低音のビートが腹に響く様に鳴る。このスピーカーは写真にあるように38cmの大型ウーハーがついている。(左にちょこんと立っているのがBOSE)
 映画を観て、バックバンドのドラマーの腕の太さには驚いた。あの丸太のような二本の腕からドスン・ドスンと繰り出されるリズムにこれまた正確無比なベースがシンクロし、このマッチョな土台にバイオリンのように華奢なマイケルの体や声が合わさる。このハーモニーがすばらしいのである。

 振り返るとBOSEが出た時、小さいスピーカーながらも大きなスピーカーに負けない音場をつくれるという売りこみだったように思う。だが、一度JBLの音の良さを知ってしまうとBOSEで感動したことは一度もなかった。ピアノを鳴らしてみると一発でわかる。そこに本物のグランドピアノがあって誰かが弾いているのかと思わせるのがJBL、一方卓上ピアノみたいな音しか出ないのがBOSEだった。

 ここで賢明なる読者諸君はお気づきのことと思うが(常套句ね)、JBLのスピーカーにつないだらいいのではないかと。ところがわけあってこちらにはつなげない。私のオーディオシステムはCDプレーヤー→パワーアンプ→JBLというもので、間にコントロールアンプがないのである。つまり音量や音質が調整できないばかりか、他の入力も受け付けない。コントロールアンプは以前はあったが壊れたので、はずしてつなぎなおしたまま現在に至っている。
 (BOSEは専用のプリメインアンプがあるが、これでJBLを駆動するにはあまりに非力である)


  若い頃にブランドの持つ底力を最初に思い知らされたのがJBLだった。一時期高額なオーディオに凝ったが、ある日岩手県一関市にあるジャズ喫茶『ベイシー』にて、自宅で聴いていたものと同じレコードがかかり、そのあまりの音の違いに、いっきにオーディオ熱が冷めてしまった。『ベイシー』もJBLのユニットを使用しているが、鳴らし方の次元が違っていた。自宅の機器がそのまま放置されているのはそういう理由なのである。


  いいものは本当によいが、一度知ってしまうとそれ以外のほどほどのものには不感症になってしまう。つまり真贋がわかるようになる。あちらに逝ったらこちらには戻ってこない道楽の道というのがあって、特にブランドと呼ばれるものは侮れない。その名前を耳にするだけで心が躍るもの。そういうものに触れてみることはとても大事である。
Posted at 2010/02/24 11:35:44 | コメント(5) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ

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「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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