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堅雪かんこのブログ一覧

2014年05月30日 イイね!

メルセデスの素性

メルセデスの素性    新しいメルセデスのGLAが発表されたばかりなのに、早くも限定車仕様での売り込みが開始された。最近のメルセデスのデザインはごつくて攻めのデザインである。特に限定車は見栄を張るような「どや」デザインになっている。クルマは欲望を具現化するもので、特に男の子にとってはこの「どや」が大事であるから、メルセデスの狙いは間違ってはいない。






  ホンダもN BOX カスタム を開発するにあたり、地元の学校を出た後、都会に出ないでその地域で暮らすヤンキーの嗜好をくみ取ってデザインされたという。開発チームはわざわざこのようなシェーマまで作成していた。そして、この「地域のサイレントマジョリティー」こそクルマが売れる鍵になると結論づけたのである。結果としてその目論見は当たっておりN BOXはヒットした。






  ホンダがターゲットにしたヤンキーも、メルセデスがGLA限定車を売ろうとしたモンキーも、収入の差があっても、その底流にある欲望は同質のものである。というか、どういうクルマでもオフミなどで多くを集めてそのクルマの仕様を見れば、結局「どや」の競い合いである。これは否定しているのではなく、そういうことが楽しい。男の子とはそういうもんだという話だ。





  しかし、メルセデスがもっと凄いのは、デザインの源流がホンダのヤンキー好み風のような軽いものではなく、本国では公言を憚られるもの、すなわちナチスドイツに深く関わっているからだ。ドイツ車は今でも車名にSA(突撃隊)やSS(親衛隊)を用いることは禁忌らしい。だけれど、そのボンネットの上にそびえ立つスリーポインテッドスターのマスコットこそ戦時中も輝く象徴そのものだったのだが、そのことは誰も言わない。












  先日発表されたG63 AMG 6×6 も、その源流は戦時中にかの総統の愛用車だったものだ。





   Mercedes-Benz W31 typ G4   1934年から作られたオフロードカー。




   下のビデオを見ればわかるようにグロッサー・メルセデスは富と権力を誇示するのにふさわしいクルマだった。もちろん庶民なんかが触ったり乗ったりするクルマではない。こういう負の遺産も背負っているからメルセデスのデザインは不気味でもあり魅力的なのである。
 ヒトラーやナチスは、西欧社会では禁句に近く取扱い注意だが、でも当時のドイツ国民は皆「イイね!」ボタンを押し続けて礼賛したのも事実。それをヒトラー個人を悪玉として封印してしまうのは問題のすり替えである。




   メルセデスはあの狂乱と騒乱のさ中、黒い欲望を乗せ凛として走りぬいた。そういうクルマなのである。平和な今の時代のメルセデスは小者になったとはいえ、人々の無意識の欲望をそれでも刺激している。AMGがなんで存在しているのか?男の子の好きな「どや」も、根源的なところをたどって行くと、すなわちなのだ。“メルセデス”という女の子の名前拝借したにも関わらず、その素性は実はここにある。




    ということを分かった上で、もう一度限定車を見てみよう・・・・   プフ。
































 


Posted at 2014/05/30 12:42:53 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2014年05月27日 イイね!

果てなきツーリング

果てなきツーリング   最近は大分日が暮れるのが遅くなってきた。確かこういう時期だったと思う。小学校3年生か4年生の頃、放課後はよく友達と自転車に乗って家の近所を遊びまわっていた。当時住んでいた所は、宮城県の南部、福島に近い角田市という小さな町だった。家を出てしばらくすると、田園風景が広がり、遠くの山々まで景色が四方八方見渡せた。





 ある日、その景色のずっと先にいつもとは違う黒い煙がモクモクと上がっているのが見えた。「あれは火事じゃないか!?」といっしょにいた友達が言った。「行ってみるべ!」ともう一人の友達が言い、私達は3人でその火元を自転車をこいで行くことにした。最初はものの30分くらいで着くだろうと思っていたが、煙は見えているのに行けども行けども目的地には着かない。そのうち日が暮れかかってきた。もうその頃は火事場を見たいという好奇心よりも、そろそろ戻らないとまずいという不安が皆の心の中で大きくなっていった。




  私達はやむなく引き返すことにした。自転車で家からこんな遠くまで来たのは初めてだった。帰路、日はどんどん暮れていき、周りの景色は薄暗くなり、来た時の意気揚揚とした気持ちとは逆の後悔の念が、濃くなりつつある闇と同じように心を覆った。私達は無言でひたすらペダルを踏み続け急いだ。
 家ではやはり、いつもの時間に帰ってこない私を心配していたらしく、職場の事務員に頼んで捜索を始めていた。途中、見覚えのあるおじさんが自転車に乗ってすれ違った時に声をかけられたような気がしたが、それに返事をする余裕はなく通り過ぎた。




  ようやく家に着いた時の居間の蛍光灯の明るさと、心配していた父の顔は今でも脳裏に浮かぶが、その時自分が安堵して泣いたのかどういう行動をとったのかは覚えていない。というのは、こういう経験をした後に、ある有名な小説家の作品を読んで、あまりに自分の経験と近かったから驚いて、記憶が重なってしまったのである。そこにはこう書かれていた。




 彼の村へはいって見ると、もう両側の家家には、電燈の光がさし合っていた。良平はその電燈の光に、頭から汗の湯気の立つのが、彼自身にもはっきりわかった。井戸端に水を汲んでいる女衆や、畑から帰って来る男衆は、良平が喘ぎ喘ぎ走るのを見ては、「おいどうしたね?」などと声をかけた。が、彼は無言のまま、雑貨屋だの床屋だの、明るい家の前を走り過ぎた。
 彼の家の門口へ駈けこんだ時、良平はとうとう大声に、わっと泣き出さずにはいられなかった。その泣き声は彼の周囲へ、一時に父や母を集まらせた。殊に母は何とか云いながら、良平の体を抱えるようにした。が、良平は手足をもがきながら、啜り上げ啜り上げ泣き続けた。その声が余り激しかったせいか、近所の女衆も三四人、薄暗い門口へ集って来た。父母は勿論その人たちは、口口に彼の泣く訣を尋ねた。しかし彼は何と云われても泣き立てるより外に仕方がなかった。あの遠い路を駈け通して来た、今までの心細さをふり返ると、いくら大声に泣き続けても、足りない気もちに迫られながら、…………
 



    私はまさに、この良平の心境だったと思う。






   
   小説の全文はこちら   ↓











Posted at 2014/05/27 19:39:46 | コメント(5) | トラックバック(0) | クルマ
2014年05月25日 イイね!

TopGearのから騒ぎ

TopGearのから騒ぎ   TopGearは面白い番組だが、出来不出来がある。先日の「ビルマスペシャル」は個人的にはひどい内容に思えた。以前スロープという単語で問題となった差別発言のシーンはカットになっていたが、映画『戦場にかける橋』のパロディを狙ったのだろうが、全体に無理のある構成だったように思う。そもそも素人が土木建築の知識なくして思いつきで橋を作れる訳がない。と真面目に考える時点であの番組のトリックにはまっているのだが。




 もともとTopGearはヤラセの番組である。カメラの前ではそうそうハプニングが起こるわけではなく、ほとんどが台本にあり周到に準備され、計算のもとに撮影が行われる。もちろん中には本当のハプニングも含まれることがあるが、その時カメラが回っていればおいしい映像となる。3人組もその中で巧妙に演じきっている。見る方はだまされていると思いつつ、映画でも観ているように楽しめばよいのである。ただ、それが度を過ぎると食傷気味になる。




 TopGearはやはり英国の伝統をしっかり引き継いでいるから騒ぎ番組だ。「から騒ぎ」で連想するのが、シェークスピアである。原題はMuch Ado about Nothing という彼のロマンティックコメディが有名だが、ビートルズが米国でなく英国で生まれたのも、こういう伝統があるからではないかと思う。
 そして、この原題にあるNothingというのはエリザベス朝時代には女性の性器を表すスラングだったという。ちなみに男性のそれはSomethingなのだそうだ。




 だから、そういうスラングをさっとはさむのは彼ら英国人の伝統とも言える。TopGearの魅力とはそういうジェレミーの吐く毒気がすべてで、それが無ければ普通の番組になってしまうだろう。ただし、これは日本人にとってはやはり異文化で、縁側で日向ぼっこをしながら爺さん二人がクルマ談義をしているかのようなカーグラTVの方が、心が休まるのかも知れない。












Posted at 2014/05/25 22:51:49 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2014年05月19日 イイね!

ドアスピーカーが鳴っていない!!と初めて気づいた997カレラ4

ドアスピーカーが鳴っていない!!と初めて気づいた997カレラ4  ことの始まりは、秋田のじんだいさんが997ターボを購入して、フロントスピーカーやドアスピーカーのウーファー(二つあるうちの下の大きい方)の音が鳴っていないことに気づき、結局自分でばらして配線ミスを発見して直してしまったという話を知った時である。高額車でもそういう間抜けなことがあるのだなと他人事のようにブログを読み流していたが、後で「もしや!?」とふと思い、夜中に自分のクルマのドア開け、音楽をちょっと鳴らしてドアスピーカーに耳をつけて聴いてみたら、上のスピーカーは鳴っているが下のは無音だった。なんと、購入して7年目に初めて気づいた大間抜けな自分であった。




  これでは音がしょぼいと感じるわけだ。うちの他のアウディやインプレッサの方があきらかに音が朗々と鳴っているのはなぜと長年の疑問だった。そこで仙台のディーラーに行くよりも、自宅から等距離にある秋田の「じんだいガレージ」に診断を仰ぎにドライブがてら先日の土曜日に行ってみた。ところが原因はターボと異なるもので、他に原因があるようだった。
 元々997は室内騒音がけっこうあり、これは最新の991もそうでタイヤノイズやエンジン音が大きく、高速道路でも音楽を聴く雰囲気ではない。991のアイドリングストップの一番すぐれた点は、信号で止まると音楽がクリアに聴こえることである。





  しかし、昨日のように一般道をフラット6を極力黙らせて走る時は、カーオーディオの音が気になってくる。取説でオーディオ設定のところを読むと、複雑怪奇でアホかと思ってしまう。タイムアライメント調整とかイコライザーとか・・・・こんなに凝っても肝心のスピーカーが鳴らなければ意味がないだろう。カーオーディオなんて、中音域できれいな音の出るスピーカー2個があれば充分なんじゃないか、マルチチャンネルも考えものだ。と昔オーディオ道で挫折した私は思ってしまう。 現在ディーラーにメールで問い合わせ中であるが、もしやと思う人は、ドアスピーカーに耳をつけて確認されてみるとよい。また同様なことがあって、うまく解決された人がいるならご教示願えれば幸いである。












Posted at 2014/05/19 22:41:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2014年05月18日 イイね!

青い照明

青い照明   今日の昼は、花巻の喫茶店・林風舎に珈琲を飲みに行った。ここは初めて行く店で、「岩手県、カフェ」をパソコンに入力したら食べログの一番上に出てきた。盛岡から近いので、山沿いの一般道を普通の速度で向かったら、到着する頃の燃費は9・9km/Lまでになっていた。プリウスのようにのんびり走れば997もまんざらではない。気温は16度と低かったが、窓越しに見える山々の新緑が陽光の下で美しく輝いていた。




 店は宮沢賢治のグッズショップも兼ねていて、一階が売店でカフェは二階にある。その二階にも宮沢賢治関連のものが、ヨーロッパ調のアンティーク家具に混じって展示してあった。有名店のはずなのに客は先にいた女性4人組だけで、彼女らも帰ってしまうと私達二人だけの店内になった。高い天井には採光窓があり、古めかしい家具類に囲まれてヨーロッパの店にいるような落ち着いた雰囲気が漂っていた。ただし、古い家具から発する独特の匂いが博物館的で、向こうのような香料をうまく用いていないところが異なる。




  ここが宮沢賢治関連の店であることは、彼の出生地が花巻であることもあるが、さらに経営者が宮沢賢治の弟の孫の男性らしい。店内にある多くの展示物や家具の配置がやや“自己顕示的”に感じた理由がそれでわかった。先月行った水沢にある「カウンタック」という店を思い出した。やはりこれは自分の収集物を見せたいという男のアイデアなのだろう。
 それはさておき、珈琲が来るまで店内の展示物を見て回っていたら、ライティングされた宮沢賢治の著作の本のページに書かれていたある文章が目に留まった。




    わたくしといふ現象は

    仮定された有機交流電燈の

    ひとつの青い照明です

    (あらゆる透明な幽霊の複合体)

    風景やみんなといつしよに

    せはしくせはしく明滅しながら

     いかにもたしかにともりつづける

     因果交流電燈の

    ひとつの青い照明です

    (ひかりはたもち その電燈は失はれ)




   これは彼の詩集『春と修羅』の序の部分だ。宮沢賢治というのは不思議な人で37歳で早世したにも関わらず、そのインパクトが今日まで強力に続いている。そして誰もが知っているが、何故有名なのか、本当のところはよくわからない謎の人だ。上に引用した文章も、ちょっと読んだだけではなんのことか分かりにくいだろう。私も彼に関してはさほど詳しいわけではないが、思うに彼の作品はこの世界の虚実を反転させたリアルさを描いているので、理性で理解が難しくても意識下にずしんと残るのではないだろうか?




  例えば上の引用で、最初の一文から核心を突いてくる。「わたしといふ現象・・・」。人も花火や桜が散るような「現象」に過ぎない。生きている時間が数十年と設定されているだけで、その間はなにか一定の人格を演出しているので、「いかにもたしかにともりつづける」ように思えるのである。私達の拠り所としている精神は、フラジャイルな(脆い)肉体と社会の上に成り立っており、それがうまく機能していれば存在し得る。それが「因果交流伝統のひとつの青い照明」なのだ。




  もっとわかりやすい例でいうと、マイケル・ジャクソンの死を思い浮かべてみればよい。マイケル・ジャクソンは「現象」であり、世間に翻弄され「明減」しながらも青い照明どころか眩い光を放ち、その光は死後も残っている。スーパースターでない無名の一般人も、程度は違うが基本的に同じである。
 こういうことを踏まえてもう一度上の文章を読むと、そこには「真理」が書かれていることに気づく。
宮沢賢治の恐ろしいところは、そのたどたどしい文章の中に、超リアルな世界の描写を紛れ込ませたところにある。




   帰りは高速道を利用して、燃費が8・8㎞/Lだった。もちろんプリウスとは全然比較にならないが、走りの快感代と考えれば惜しくはない。珈琲も今や挽きたてがコンビニで100円で飲め、味も悪くない。しかし寛いだいい雰囲気で飲めるのだったら500円でもいいと思うだろう。
 いつまで灯せるかわからない「青い照明」であれば、そういう贅沢もたまにはよい。





Posted at 2014/05/18 20:57:04 | コメント(6) | トラックバック(0) | その他

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「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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