
今回のブログは、久々にF1好きが気になるテクニカルな
キーワード『ブローディフューザー』を語ってみようと思います。
今回のブログに使用するの写真は、ネットから探してこようと
思ったんですが、なかなかF1写真っていろんな権利関係で
過去の写真もそうですし、欲しい写真って少ないですよね。
というわけで、←の雑誌から携帯カメラで撮影して使います。
スキャナを使うのも何なので、もっと鮮明な写真が見たい!
という方は、是非お買い上げを・・・w
それでは、ブローディフューザーって何?という前に、なぜ今注目されているか?というと、
ここを読んでくれてるF1好きの皆さんはご存じでしょうけど、使えるのは次のバレンシアが最後で、
イギリスGPでは禁止されます。
という事ですが、ディフューザーが禁止されるの?今年から昨年までのマルチディフューザーは
禁止されてるし、またマシンの後方のデザインが変わるの?という疑問が生じるかと思います。
ですが、ニュースサイト等にも書いてありますが、
禁止されるのは、あくまでもマシンの形状的な部分ではなく、スロットルオフでも
燃料を絞る事無く、インジェクターから燃料は吹き続けて、エキマニ等の熱で点火させて、
俗に言うアフターファイヤーさせた状態で排気ガスエネルギーをマシンの空力に作用させる、
燃料マップ、点火マップを禁止するという事なんです。
なんで、それがディフューザーなの?って感じる方がほとんどだと思いますので、その辺を
スッキリさせましょう!!!というのが、今回のブログです。
あ、ブロウンディフューザーとも言われますが、ブローディフューザーと同じモノの事です。
それと、上ではエキマニの熱で点火させてと書いてますが、これはルノーエンジンの場合で、
エンジンによっては点火しない方法で後追いしていて『コールド』 と呼ぶようです。
もちろん点火しないのでエネルギーは小さく効果は少なめのようです。
まあでも個人的には、このレギュレーション変更はRedBull潰しの、最低なレギュ変だと思います。
そもそも、この燃料・点火マップは昨年から使われていたし、禁止された理由が、
『排気ガスを空力に作用させるという事は、排気ガスが生じるエンジン内部でバルブが
動いているので、そのバルブが動くことが空力パーツは稼動してはならない(DRS以外)とい、
レギュレーションに抵触する』という事ですが、そんなのは09以前の上方排気のマシンだって、
排ガスをリアウィングに吹き付けて、リアウィングの効率向上させてましたよね?
それに、昨シーズンからの燃料・点火マップが違法というなら、昨シーズン中に禁止しなきゃ。
鈴鹿で現地観戦された方は聞いてると思いますけど、ルノーのエンジン音は異様でしたよね。
ま、FIAなんてそんなもんですが、ドライバーのヘルメットも走行中に動いてますが?
ドライバーのヘルメットも動かないように固定するレギュ変しなくて良いんですかね?w
では、ブローディフューザーの説明に戻りましょう。
前半の部分を読んでいただければ、ブローディフューザーと言うネーミングではあるものの、
今回規制されるのは形状的なモノではなく、ソフトウェアの燃料・点火マップの事だと、
分かったと思います。では、なぜそのようなプログラムを採用したかというと、それはやはり
走行で得るエネルギーは速度によって変動します。そして、排気ガスをディフューザーで使うという
アイデアは90年代からありましたが、スロットル開度でダウンフォースの絶対量が変動し、
操作性が悪化するとも言われていましたね。
そこで、スロットル開度に関係なく、常にガソリンを燃やし続けることで、安定した排ガスの
エネルギーを供給させたいという事でしょう。排気ガスといいつつ、廃するモノではなく、
エアフローを発生させるパワー源としたわけです。
その辺に、FIAが付け入る隙があったというのも、事実でしょうね。
そして、昨年まではディフューザーのレギュレーションに抜け穴があり、まさにその抜け穴へと
排気ガスを流し込むことで、絶対的なダウンフォース量を増やすことが可能でした。
このタイプのブローディフューザーが俗に第二世代と言われているブローディフューザーです。
言葉通りの、排ガスを吹き付けるディフューザーだったわけです。
そして今シーズン、予選を圧倒的な速さで連続PP記録を更新中のRedBullのマシンが、
今年から採用して、多くのチームが追従している排気システムが、第三世代と呼ばれる、
今シーズンのブローディフューザーとなります。
この辺の説明は写真が無いと難しいので、
フォトギャラリーを見て頂くとして、ポイントになるのは
排ガスのエアフローがディフューザーではなく、リアウィングの翼端板とリアタイヤの狭い空間へと
排気して、リアのアップライトに取り付けたフィンでダウンフォースを発生させているのです。
フォトギャラリーの3枚目の写真が分かりやすいです。明らかにディフューザー目掛けて、排ガスを
排出していた昨年までの第二世代の排気口とは別物ですね。
まあ、今シーズンも2.5世代というか多くのチームは第二世代の位置にアウトレットがあり、
これではRedBullに勝てないよなぁ・・・ってデザインになっていますね。
通常の近代レーシングカーは、ボディやウィングで発生させるダウンフォースは、バネ上に
対して作用するので、力がタイヤへ伝わるまでの間にスプリングを介しているために、これまた
ダウンフォースは減衰してしまうのですが、第三世代のブローディフューザーは、タイヤが
直接地面へダウンフォースで押さえつけることが出来て、非常に効果的です。
この仕組みは、葉巻時代のF1ではスタンダートでしたが、アップライトから伸びるステーが
破損してクラッシュするマシンが多くて、禁止されたそうです。さすがに、わたしの年齢では
当時の事は読む事でしか情報を得られませんので、詳しくはないですw
ちなみに、いまでもエンジンカーのラジコンでは、この仕組みでリアサスに直接、ダウンフォースが
伝えられるような構造になっています。
そんなブローディフューザーですが、しかしながら、決勝では燃費に及ぼす影響が大きく、
予選では他車に対して1秒以上も速いタイムを出しているRedBullのマシンが、決勝では
マクラーレンやフェラーリに追い回されるシーンが見受けられる秘密がココにあるような気がします。
燃料を文字通り垂れ流しにする必要がある、このマッピングは決勝では使えない?
もしくはオープニングの数周や、限られた周回数しか使う事ができないのでは?
そして、FIAも同じように、そう見ているのが今回のレギュレーション変更で明らかになりましたね。
というわけで、イギリスGPからは、PPから飛び出して、3周目までにDRS圏外へと逃げてしまう、
ヴェッテルの必勝パターンが、もう見れなくなるかもしれませんね。
しかしながら、まだまだRedBullには秘密があるんでしょうから、このままトップから引き摺り下ろされる
なんて事にはならないと思います。 が、結構厳しい戦い、面白いレース展開になるかな!
今週のAS誌にも、『レイク角』が速さの秘密では?なんて記事も出ていましたしね。
これも非常に興味深いですね。NEXTの中継では、川井ちゃんが何度か触れてましたが。
そんな感じで、ブローディフューザーを語ってみました。
なにか、まだ分からんのじゃ!なんて事がありましたら、素人なりに考えを述べてみようと思いますw
とりあえず、今回のブログは
フォトギャラリーと併せて読んでください!